「やめようよ」 滝沢夏央の支配下登録で西武・渡辺GMが言ったこと

「やめようよ」 滝沢夏央の支配下登録で西武・渡辺GMが言ったこと

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2022/05/17
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"育成選手から支配下登録された西武の滝沢(右)と渡辺GM"

「なんでみんな、背が低いのを言うの。やめようよ。身長じゃないって、プロ野球は」

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西武の渡辺久信GMは、強めの口調で言った。13日、育成2位のルーキー、滝沢夏央(18=新潟・関根学園高)が支配下登録された。その記者会見後のことだ。

滝沢は身長164センチの内野手。現在のプロ野球で、最も背の低い選手だ。

会見では「身長」に関する質問がいくつか続いた。

「身長で悩まされたこともあったけど、自分の体だからできるプレーというのもあると思う」「大きい選手には負けないという気持ちがあります」

滝沢は一つひとつ、丁寧に質問に答えた。

会見を聞く限り、今の滝沢は身長が低いことも選手としての個性ととらえている。俊敏な動きを生かした広い守備範囲は、「彼が1軍で守っている姿を想像するだけでも楽しみ」とGMがほれ込むレベルだ。

ただ、滝沢自身、体の大きな選手にパワーではかなわないことなどを、少なからずコンプレックスに感じていた時期もある。

だからこそ、GMは身長に関する質問が続いたことが気になったのだ。「彼も散々言われてきただろうし、あえてそこをクローズアップするのはどうかと思う」。選手を守る、親心のようにも感じた。

滝沢はこの日、早速1軍に昇格し、「2番遊撃手」で先発出場を果たした。

高卒1年目の遊撃手としては坂本勇人(巨人)や今宮健太(ソフトバンク)、小園海斗(広島)ら、そうそうたるメンバーよりも早い先発デビューだ。

複数の守備機会を無難にこなすと、見せ場は逆転された直後の六回に訪れた。

先頭で打席に入ると、二塁への力ない打球となったが、俊足を飛ばして内野安打に。失策も絡んで二塁へ進んだ。

続く外崎の打球はゴロで三遊間へ。判断の難しい打球だったが、迷いなくスタートを切り、一気に三塁を回る。

俊足、そして速度を落とさないヘッドスライディング。同点の本塁に触れた。試合後は勝ち越し本塁打の中村剛也とともに、お立ち台にも呼ばれた。

「夢のような景色でした。次また活躍できるように頑張りたい」と、泥だらけのユニホームで言った。

GMの言葉通り、野球に身長は関係ない。逆に言えば、言い訳にもならない。この日、早くも見せてくれた「スピードを生かした守備と泥臭いプレー」を武器に、滝沢はプロ野球で勝負していく。(山口史朗)

たきざわ・なつお 2003年8月13日生まれ。新潟県出身。関根学園高では遊撃手兼投手。昨夏の新潟大会は準々決勝で日本文理に敗れた。昨秋の育成ドラフト2位で入団。身長164センチ、体重65キロ。右投げ左打ち。

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