盗難警報発令中! 2022年は中部と近畿で自動車ドロが20~30%も増加! ワーストは愛知だった

盗難警報発令中! 2022年は中部と近畿で自動車ドロが20~30%も増加! ワーストは愛知だった

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  • 更新日:2023/03/19
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近頃減少していたクルマとバイクの盗難件数が昨年、久々に増加に転じた。特に中部と近畿地方では2~3割と大幅に増加していることが判明! 都道府県別の件数も合わせ、二輪&四輪盗難の最新実態に迫る。

文/沼尾宏明、写真/AC、pixabay、沼尾宏明

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クルマは19年ぶり、バイクは11年ぶりに盗難増!

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2003年以来、減少を続け、2018年から1万件を下回ったものの、2022年は増加に転じてしまった ※グラフは警察庁「犯罪統計資料」を元に筆者作成

物理的な手口に加え、デジタルでハッキングする盗難手口も増加しつつある昨今。警察庁による犯罪統計資料によって、クルマの盗難件数が増加していたことが判明した。

自動車および二輪車の盗難件数は近年減少を続けていたが、2022年は久々に増加。クルマは19年ぶりに、バイクは11年ぶりの増加に転じてしまった。

まず自動車の盗難認知件数は5734件で前年から552件増(前年比10.7%)。ピークだった2003年の6万4223件から徐々に減少し、2018年は59年ぶりに1万件を下回った。その後も5年連続で1万件を下回ったが、2022年は2003年以来のプラスになったのだ。

犯人の検挙件数と検挙率は次のとおり。
・検挙件数 2612件(前年比56件増 同2.2%増)
・検挙率 49.3%(同3.7ポイント減)

検挙人員625人のうち少年は61人。前年から6人減だった。盗難認知件数が増加したにも関わらず、検挙率が減少するという非常に残念な事態となっている。

盗まれた後に犯人が検挙される確率は例年、約半分。さらに盗難されたクルマが見つかる確率は24%に過ぎない(2020年度 日本損害保険協会「第22回 自動車盗難事故実態調査結果」より)。

ワーストは愛知、大阪、千葉。増加率では富山と北海道

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車検証のコピーや愛車のナンバーを自宅に保管しておくと、愛車の情報を速やかに提出できる。盗難届を出す時間が短縮できるため、早期検挙につながりやすい

続いて都道府県別に見てみよう。明らかに増加が目立つのは次の一道五県だ。

・北海道 87件(50件増 135.1%増)
・群馬県 233件(84件増 56.4%増)
・埼玉県 606件(113件増 22.9%増)
・富山県 62件(44件増 244.4%増)
・愛知県 884件(139件増 18.7%増)
・大阪府 652件(133件増 25.6%増)

さらに中部エリアでは石川を除く、富山、福井、岐阜、愛知、三重の各県で増加した。特に突出しているのは愛知県で、全国で最も増加数が多い。中部エリア全体では1199件となり、207件(20.9%増)増加した。

そして、近畿エリア(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)は全ての県と府で増加。目立つのは652件の大阪府で、近畿エリア全体では240件増(31.9%増)の992件だった。

全国での認知件数ワースト5は次のとおり。

・愛知件 884件
・大阪府 652件
・千葉県 627件
・埼玉県 606件
・茨城県 587件

昨年のワーストは千葉だったが、2位の愛知が浮上。前年4位の大阪が2番手に浮上した。

増加率では、富山県(244.4増% 44件増の62件)、北海道(135.1%増 50件増の87件)、秋田県(128.6% 9件増の16件)がワースト3だった。

逆に、最も減少が目立ったのは千葉県で、132件減(17.4%減)の627件。100件以上減ったのは千葉のみである。また、茨城県(46件減の587件 7.3%減)、静岡県(22件減の58件 27.5%減)も大きく減少した。

なお車上ねらいの認知件数は、前年から7件増の2万3289件と横ばい。部品ねらいは254件増(1.9%増)の1万3301件だった。

年齢層は20代、来日外国人ではスリランカ人の犯罪が目立つ

検挙された自動車ドロの犯行時年齢も判明した。コアな年齢層は以下のとおり。

・20~29歳 141人
・30~39歳 113人
・40~49歳 132人

最も多いのは20代だが、増加数では11人増の40代が目立つ。

また、来日外国人の検挙人員も明らかに。総数は前年から31人増の61人。国籍ではスリランカ(21人増の23人)、中国(6人増の6人)が目立った。来日外国人の犯罪が盗難件数の増加につながっている。

バイクは344件も増加、ただし検挙率は微増した

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二輪車はピーク時の30分の1にまで減少。2021年は統計上で最も低い数字を記録したが、2022年は記録更新ならず ※グラフは警察庁「犯罪統計資料」を元に筆者作成

続いてバイクの盗難件数について。クルマより標的になりやすいだけに、昔から件数が多いのが特徴だ。統計が残る1967年以降、一時期を除いてバイクの盗難件数は増加し続け、1988年には20万件を突破。翌1989年には最大の27万1083件を記録するに至り、以降も20万件超を維持し続けた。

ところが、2000年の25万3433件をピークに減少へ転じ、毎年前年比20%もの大幅減となっていく。2006年には10万件を割り、2009年に微増したものの、以降はマイナスとなり、ついに2020年は1万件を割り込んだ。これは統計が残る1967年以降、最も低い数字で、1万件を下回るのも初だった。

2010年以降、盗難認知件数は11年連続で減少していたが、2022年は増加へ。344件増の7913件(4.5%増)となった。

検挙件数と検挙率は以下のとおり。

・検挙件数1458件(169件増 13.1%増)
・検挙率18.4%(1.4ポイント増)

検挙人員720人のうち、少年は616人。前年から4人減だった。

バイクの盗難は、クルマに比べて検挙率が極端に少ない。これはパーツへの分解が容易なためだが、2022年は少しでも検挙率が上昇したことは喜ばしい。また、少年の犯罪が大勢を占め、残念ながら車両が発見される確率がクルマより低いのが特徴。なお二輪車の都道府県別認知件数は執筆時では未発表だ。

コロナ明けも影響? うっかりミスを防ぐのも対策に

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カギの挿しっぱなしは短時間でも厳禁! 都内ではクルマで約2割、バイクは約3割がキー付きの状態で盗まれている

ピーク時から盗難件数が減ったとはいえ、1日あたりクルマは約16台、バイクは約20台が盗まれている計算。両方とも久方ぶりに増加へ転じたのは気がかりだ。

増加した理由は明らかではないものの、2020年、2021年は、新型コロナの影響で日本への入国が制限されていた時期。外国人窃盗団による盗難被害が少なかったと見られる。その反動で増加に転じた可能性もあるだろう。

対策としては、セキュリティを高めるのはもちろんのこと、うっかりミスにも注意したい。2021年の警視庁による資料によれば、エンジンキーを挿し込んだ状態、または運転席等に放置していた状態で盗まれたクルマが17.3%(191件中33件)。バイクでは25.9%(722件中197台)もある。

これは都内のみの数字なので、全国的にはより件数が高くなるのは確実だ。愛車を離れる際は、少しの時間だったとしてもキーをロックするだけで、盗まれる確率を減らすことができる。今年は再び盗難が減少傾向になってほしいものだ。

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