「パックご飯」は高齢者のひとり暮らしや、ちょこっと食べたいときの強い味方。最近は、有名産地のブランド米を使ったものも人気が高い。そこで、お米にくわしい専門家が数ある「ご当地パックご飯」を採点。ベスト10を発表します。その土地のみの栽培米や、産地で勝負のブランド米を食べ比べ。ユニークなネーミングや、パッケージデザインにも注目してみて。知られざる『パックご飯用語』も解説します!

全国各地のブランド米を使ったパックご飯で贅沢気分に!
※商品の価格は編集部調べの1食あたりの実勢価格です(9月1日現在)。
私たちが食べ比べました
◆五ツ星お米マイスター 小野寺理騎(りき)さん
高校・大学で稲作を専攻した筋金入りの「米オタク」。現在は、自然栽培・有機栽培専門の米屋を運営。https://www.replow.net

五ツ星お米マイスター 小野寺理騎(りき)さん
◆栄養士 丸野友香さん
栄養の知識を活かし、体にやさしいレシピの提案やアドバイスを行う。雑誌や書籍、カタログ等のフードコーディネートも手がける。

栄養士 丸野友香さん
◆料理研究家 秋元薫さん
米・食味鑑定士、ごはんソムリエとしても多彩に活動。企業・雑誌へのレシピ提供のほか、お米コンテストの審査員も数多く務める。

料理研究家 秋元薫さん
◆米生産者 田中洋史さん
Tomozy’s Farm代表。埼玉県川越市で減農薬、無化学肥料の米(「菜の花米」など)を栽培。詳細はインスタグラム@hiroshi6778にて。

米生産者 田中洋史さん
●審査基準
各品、「甘さ」「食感」「香り」「コスパ」「炊き加減」の5項目をそれぞれ20点満点で採点し、平均点の合計を総合点として順位を算出しています。
パックご飯「ご当地ご飯」部門ランキング
■10位 新潟県 サトウ食品『サトウのごはん 魚沼産こしひかり』150g 265円
●食のプロ評価 66.7点:甘さ 13.8 食感 14.0 香り 12.3 コスパ 12.8 炊き加減 13.8
高レベルだが魚沼らしさは少なめ
「魚沼らしい粘り気は少ないが、まろやかな甘みはある」(小野寺)

10位 新潟県 サトウ食品『サトウのごはん 魚沼産こしひかり』150g 265円
■7位 新潟県 アイリスフーズ『低温製法米おいしいごはん 魚沼産こしひかり』150g 136円
●食のプロ評価 67.6点:甘さ 13.5 食感 13.5 香り 12.8 コスパ 14.0 炊き加減 13.8
パラッとした粒感が印象的
「くっつきすぎず、ひと粒ひと粒をしっかり感じられる」(秋元)

7位 新潟県 アイリスフーズ『低温製法米おいしいごはん 魚沼産こしひかり』150g 136円
■7位 北海道 サトウ食品『サトウのごはん 北海道ななつぼし』200g 179円
●食のプロ評価 67.6点
甘さ 14.5 食感 13.8 香り 13.0 コスパ 12.5 炊き加減 13.8
くせもなく、すっきりした甘さ
「甘くてクリーミー」(丸野)、「朝食向きのあっさり感」(小野寺)

7位 北海道 サトウ食品『サトウのごはん 北海道ななつぼし』200g 179円
■7位 島根県 島根県農業協同組合『出雲の国 仁多米』150g 270円
●食のプロ評価 67.6点:甘さ 14.5 食感 13.8 香り 13.5 コスパ 12.5 炊き加減 13.3
炊き立てと見まがう美しいつや
「後味までしっかり風味が残る」(丸野)、「粒に厚みがあり、ぜい沢な食感」(小野寺)

7位 島根県 島根県農業協同組合『出雲の国 仁多米』150g 270円
■6位 青森県 アイリスフーズ『青天の霹靂』150g 135円
●食のプロ評価 67.8点:甘さ 14.5 食感 13.0 香り 13.0 コスパ 13.5 炊き加減 13.8
甘みが強く、食べやすさはピカイチ
「しゃっきり感がはっきりとあり、品種のよさが出ている。甘みもあとからじんわり」(小野寺)

6位 青森県 アイリスフーズ『青天の霹靂』150g 135円
■5位 宮城県 アイリスフーズ『だて正夢』150g 118円
●食のプロ評価 68.1点:甘さ 13.5 食感 14.0 香り 14.0 コスパ 13.8 炊き加減 12.8
米は硬め派におすすめ
「粒がとてもきれいでなめらか」(田中)、「口に入れるとすぐ、香りが広がる」(丸野)

5位 宮城県 アイリスフーズ『だて正夢』150g 118円
■4位 北海道 サトウ食品『サトウのごはん ゆめぴりか』200g 174円
●食のプロ評価 70.1点:甘さ 14.0 食感 14.8 香り 13.5 コスパ 13.5 炊き加減 14.3
お餅のようなもちもち感!
「しっとり重厚感のある味わい」(小野寺)、「やわらか食感で子どもは好きなはず!」(秋元)

4位 北海道 サトウ食品『サトウのごはん ゆめぴりか』200g 174円
トップ3は東北勢が強い!「1位は石川県」
■3位 秋田県 仙北こまちの会『秋田県大仙産 あきたこまち』180g 216円
●食のプロ評価 71.1点:甘さ 14.3 食感 15.0 香り 13.5 コスパ 13.5 炊き加減 14.8
「程よい粘り気があり、まとまりがあって食べやすい」(丸野)、「炊き上がりがきれい」(小野寺)

3位 秋田県 仙北こまちの会『秋田県大仙産 あきたこまち』180g 216円
■2位 岩手県 純情米いわて『金色(こんじき)の風』150g 138円
●食のプロ評価 72.3点:甘さ 15.0 食感 14.8 香り 14.0 コスパ 14.5 炊き加減 14.0
のどごしのよさが自慢
「つやがあり、キラキラした見た目。もっちり感と粘り気のバランスもよく好印象」(小野寺)

2位 岩手県 純情米いわて『金色(こんじき)の風』150g 138円
■1位 石川県 米心石川『ひゃくまん穀ごはん』180g 186円
●食のプロ評価 75.4点:甘さ 14.8 食感 16.3 香り 14.5 コスパ 14.5 炊き加減 15.3
大粒でインパクト大!
「甘みが最初から最後まで続いて心地よい」(田中)、「味も食感も見た目も、今回のベストワン!」(丸野)

1位 石川県 米心石川『ひゃくまん穀ごはん』180g 186円
知ってそうで知らない⁉ パックご飯用語解説
●銀シャリ
艶めくような白米で、おいしいご飯の代名詞として使われる。ちなみに「シャリ」は寿司店の隠語で、握り用のご飯(酢飯)を指す。
●シャリ切り
炊きあがったご飯を底から返し、全体を切るようにほぐして余分な水分を飛ばすこと。これでべちゃつかず、ふっくら感が持続。
●特別栽培米
各地域でふだん使われている農薬の使用回数、化学肥料の窒素成分量を、ともに5割以下に抑えて栽培された米のこと。
●pH調整剤
食品添加物の一種。食品のpH値を適切な領域に保つことで、微生物の増殖や変色を防いだり、食品の品質を保つ働きがある。
撮影/田中宏幸
※女性セブン2023年9月21日号
https://josei7.com/
●お米のプロたちがガチ採点「パック白ご飯」ベスト10 おいしさ&品質が劇的進化