「撃つ瞬間の目は血走り、ニヤリと笑っていた...」“長野猟銃立てこもり4人死亡”市議会議長の長男・青木政憲容疑者(31)が秘めていた“狂気の銃弾”「親の跡を継ぐプレッシャーがあったのかな、と」

「撃つ瞬間の目は血走り、ニヤリと笑っていた...」“長野猟銃立てこもり4人死亡”市議会議長の長男・青木政憲容疑者(31)が秘めていた“狂気の銃弾”「親の跡を継ぐプレッシャーがあったのかな、と」

  • 文春オンライン
  • 更新日:2023/05/27

《長野“猟銃立てこもり”3人死亡》「パーンパーンと鉄砲2発撃つような音が…」殺人現場付近の住民が過ごす“永く不安な夜”《市議会議長と犯人の関係は?》から続く

25日夕方から翌未明にかけての長野県中野市の住宅で発生した立てこもり事件。一報は25日午後4時半前、「男が女を刺した」などという110番通報だった。

【画像】「撃つ瞬間の目は血走り、ニヤリと笑っていた…」“長野猟銃立てこもり4人死亡事件で逮捕された青木政憲容疑者(31)

通報を受けた警察官が駆けつけたところ、上下迷彩柄の服と帽子、サングラス、マスクを着用した男が弾銃を発砲。近くに民家に立てこもり、半日以上にわたって列島を震撼させた。

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青木政憲容疑者が半日立てこもった住宅 Ⓒ時事通信

通報者の一人の男性が当時の状況を語る。

「人が刺されたと言われたので、近所の人と駆けつけると女性が畑に仰向けに倒れていました。知人には警察に電話をしてもらい、私は救急に電話をかけました。救急隊からは、向かっている間、電話はつないだままで心肺蘇生をやってくださいという旨の指示を受けたのでそのまま心肺蘇生をしていました。

体感ですが、10分後くらいかな、パトカーが現場に着くと同時に政憲が散弾銃を持って現れたんです」

散弾銃を抱えた知人の“政憲”。この時、男性はまさかこの男が目の前の血まみれの女性を刺した張本人だとは思いもしなかった。

撃つ直前はニヤリと薄ら笑いをしているように見えた

「政憲が散弾銃を持って現れたとき、最初はおもちゃだと思っていました。てっきり犯人を捜しているのかとすら思ったほどです。政憲は私の背後に停車したパトカーに向かってゆっくりと歩いていきました。運転席側に周り込むと、散弾銃を運転席側の窓ガラスに突きつけて威嚇をしました。

その姿を見た近所の方が『逃げろ』と叫び、私は逃げました。パトカーに銃口を突きつけた政憲の目は血走っていて撃つ気満々のように見えました。私が走って10メートル程逃げたところで、パンという銃声がなりました。銃を構えてから10秒後くらいですね。撃つ直前はニヤリと薄ら笑いをしているように見えました」

だが銃声は1発では終わらなかった。近隣住民らも「パン」という音を立て続けに2回聞いている。前出の男性が続ける。

「さらに5、6メートル離れたところでもう一発パンという銃声が響きました。その後、政憲は散弾銃を片手に、何事もなかったように平然とした顔で自宅の方へと歩いて行きました。その後、立てこもりになったようです。撃たれた後、パトカーの運転席にはうなだれているような警察官の姿が見えました」

この男性が心肺蘇生を施した村上幸枝さん(66)、現場に駆け付けた中野警察署警部補の玉井良樹さん(46)、巡査部長の池内卓夫さん(61)は、搬送先の病院で死亡が確認された。また、立てこもりの容疑者が警察に確保された後、ようやく救出された竹内靖子さん(70)も死亡が確認された。

亡くなった4人のうち61歳の警察官の胸を猟銃のようなもので撃って殺害した疑いで逮捕されたのは、“政憲”こと青木政憲容疑者(31)。社会部記者が解説する。

「逮捕された青木政憲容疑者は、中野市議会議長である青木正道氏の長男です。政憲容疑者は26日の午前4時半ごろ、立てこもっていた自宅から出てきて、家の外で確保されました。当初立てこもった住宅には、容疑者の母親と叔母がいましたが確保の前に逃げ出し、保護されていました。容疑者は4丁の散弾銃の所持許可があり、死亡した村上さんとの間に何らかのトラブルがあり、サバイバルナイフで刺したという情報もあり、警察は慎重に調べています」

いつもうつむき加減で、黙々と農作業をしていた政憲容疑者

静かな地方都市で起こった4人死亡の大事件を引き起こした政憲容疑者とは一体どんな人物なのだろうか。年一回、容疑者と共に農作業をしていたという農家の男性は、青木さん一家について次のように語る。

「市議の正道さんと奥さんはとても気さくで明るくておしゃべりなタイプですが、長男の政憲さんは対照的に無口で静かな人でした。いつもうつむき加減で、黙々と農作業をしていたのが印象的です。見た目はとてもまじめで、ただただ静かな子だったから、まさかこんな事件を起こすようには思えませんでした。作業が終わったあとにみんなでお茶をすることもあるのですが、彼はそういった場にも顔を出すことはありませんでしたね」

近所に住む女性は、政憲容疑者が幼少期に通っていたスイミングスクールで水泳を教えたことがあるという。

「幼少期は活発で友達もたくさんいたように見えました。小さいときからスイミングスクールに通って、お母さんも教育に熱心でしたよ。お父さんは市議で会社の経営もなさっているし、お母さんもフラワーアレンジメントの先生をやっていて公民館で教えたりもなさってたから、両親ともに“やり手”のイメージがありました。政憲くんはご長男ということもあって、お父さまの跡を継ぐんだろうなと地元ではみんな思ってましたが、それがプレッシャーだったのかしら……」

現場に駆けつけ、散弾銃の犠牲となった巡査部長の池内卓夫さんを知る20代男性はこう話す。

「自分が中2のときに、亡くなった警察官の方にお世話になったんですよね。ちょっと悪さしちゃって。すごい叱ってくれて……。地域のいいおまわりさんって感じでした。こういう形で亡くなってしまうなんて本当にショックです」

地方政界の重鎮を父に持つ、エリート一家の長男が起こした悲惨な事件。なにが“政憲”を凶行に走らせたのか、被害者とどんな関係があったのか、立てこもりの舞台になった家で暮らす家族になにがあったのか――。

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「金のない者は心にゆとりを持てない」“長野立てこもり4人殺害”容疑者の市議会議長息子(31)が育んだ“恐怖の殺人願望”「大学中退、親経営のジェラート店で“すねかじり”」「幼稚園から様々な戦争映画を見てきた」へ続く

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

「文春オンライン」特集班

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