
iPhoneとMacBookには「最適化されたバッテリー充電」という機能があり、バッテリーの充電が長くもつように管理してくれます。
今回は、それをご紹介しましょう。
「最適化されたバッテリー充電」のしくみ

最適化されたバッテリー充電とは、充電のタイミングを遅らせることでiPhoneやMacのバッテリーの状態をキープし、科学的劣化を抑える機能です。
この機能では、まずiPhoneやMacの普段の充電パターンやデバイスを使用する時間帯を測定。
充電ケーブルが長時間差し込んだままにされる時間帯(夜間など)が判明したら、次にデバイスを使いはじめる時間帯まで充電が80%を超えないように保たれます。就寝時に充電する人なら、起床時刻までという具合です。
最適化バッテリー充電は使ったほうがいい?

Apple では、iPhoneやMacのバッテリー寿命を延ばすために最適化バッテリー充電機能をオンにするよう推奨しているのですが、これには重大なバグがあるとの報告も。
この機能、iPhoneの充電をキープするはずが、バグによって逆に放電させてしまうことがあるそうで、これは無視できないリスクです。ただ、ごく稀にしか発生しないバグだそうです。むしろ、自分でバッテリーのサイクルを管理して計画的に充電することのほうが容易ではないので、この機能を活用するほうがメリットが大きいと言えるでしょう。MacBook のバッテリー寿命を改善できるアプリが他に使えるとしても、です。
両方を活用すれば、リチウムイオンバッテリーの寿命をかなり延ばせるでしょう。さらに、バッテリーが急激に減り始めるようなことがあったら、すぐ気づくことができるというメリットも。
iPhoneで「最適化されたバッテリー充電」を設定するには
最適化されたバッテリー充電は、新しいiPhoneのセットアップ時に自動的にオンになっています。ただし、この機能は、いつも長い時間を過ごす場所でのみ作動するようになっています。自宅や勤務先など、iPhoneの「利用頻度の高い場所」に表示される場所に限られます。
ひとつの場所で5時間以上の充電を9回ほど行なうと、充電に適した場所と認識されて最適化されたバッテリー充電機能が作動するそうなので、旅行や新しい勤務先にでかけるときは、これを念頭においておきましょう。
ただし、最適化されたバッテリー充電を手動でオンにすることも可能。これには、まず iPhone で [設定] をタップ。[バッテリー] までスクロール、[バッテリーの状態と充電] をタップ。
ここにはバッテリーの最大容量も表示されるので、iPhoneのバッテリーがベストなパフォーマンスで作動しているかが把握できます。最大容量の下、クリーンエネルギー充電の上に、[バッテリー充電の最適化]のスイッチがあるので、状況により、オンかオフにしてください。
「最適化されたバッテリー充電」がオンの状態でiPhoneを長時間充電すると、いつ頃フル充電されるかを知らせる通知がロック画面に表示されます。
このとき、「最適化されたバッテリー充電」をオフにしたければ、通知を長押しし、[今すぐ充電] をタップします。すると、充電が80パーセントに達してもスローダウンすることなく引き続き充電されます。
Macで「最適化されたバッテリー充電」をオンにするには
Ventura 以降の macOS がインストールされているMacで「最適化されたバッテリー充電」をオンにするには、[システム設定]を開き、[バッテリー]タブまでスクロールします。[バッテリーの状態]の横の情報(i) アイコンをクリックします。

[バッテリー充電の最適化]スイッチが表示されるので、ここで、オン・オフが切り替えられます。

[バッテリーの寿命を管理]をオンにして、さらにバッテリーを保護することも。これは、Macのバッテリーの最大充電量を抑えてバッテリーの耐用年数を延ばす機能です。手動でオフにしない限りデフォルトでオンになっており、「最適化されたバッテリー充電」と併用するのがおすすめです。
スイッチをオンかオフにして [完了] をクリックすれば、「最適化されたバッテリー充電」の設定が完了です。
Monterey やそれ以前のmacOSをお使いなら、[システム環境設定] を開き、[バッテリー] をクリックしてこれらの設定を表示してください。

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Original Article: What Is Optimized Battery Charging on iPhone and Mac? by MakeUseOf
永木久美/OCiETe