パラグライダーなら紀の川市!? 年200回飛ぶインストラクターが勧めるワケ

パラグライダーなら紀の川市!? 年200回飛ぶインストラクターが勧めるワケ

  • ほ・とせなNEWS
  • 更新日:2022/05/14
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和歌山県紀の川市に暮らす筆者。車の運転中、空をカラフルに彩るパラグライダーが、フロントガラスからよく見えます。高所恐怖症ではないけれど、ジェットコースターが苦手で、縁がないと思いながらも「気持ちよさそうだな」と羨ましく見ていました。しかし今回、同市で「ユーピーパラグライダースクール」を営む村井啓太さんの話を聞き、今すぐにでも空へ飛び立ちたくてたまらない気持ちになりました。

【写真】夕焼けの空を飛ぶパラグライダー

美しい景観と飛べる確立の高さの"バランス"が良い空

パラグライダーを人に教えるため、千葉県から移住し20年以上になる村井さんは、これまで数え切れないほどの空を飛んできました。

3月には鹿児島県の奄美大島に行き、パラグライダーに乗って空からウミガメを探す飛行の旅。6月には北海道を訪れる予定で、日本の北から南まで、コロナ禍の前はフランスや台湾、バリといった世界中を、文字通り"飛び回って"いました。それだけの空を飛んできた中で、紀の川市には一体どんな魅力があるのでしょうか。

「他のエリアだと、飛ぶまでの間に山を登る必要があったり、気流が乱れて飛ぶことができない確率が高かったりするんですよ」と村井さん。

紀の川市の空は気流の乱れが少なく、集合場所であるユーピーパラグライダースクールから離陸場まで、車に乗って7~8分で到着します。そのフライト確率の高さは、全国大会が開催されるほど。

確かに、「飛ぼう!」と勇気を出して申し込み、山登りまでして「やっぱり飛べませんでした」では、ショックが大きいですよね。飛べる確率が高いということは、ベテランはもちろん、初心者として体験で訪れる人にもありがたいことです。

また、紀の川市はとにかく景観が美しいのだそう。紀ノ川平野には高い建物がほとんどなく、そこに暮らす人々の街並みが綺麗に見えます。春には梅や桃、桜といった花々、夏は爽やかな新緑、秋には紅葉に染まる山々が広がります。また、冬は凛と澄んだ空気が風景をくっきりと引き立たせてー。そしてなんと、離陸場がある300m上空に登るだけで、兵庫県の淡路島まで見えるのだとか!

自分を見下ろすビルも何もない、ただそこにある自然が作り出したおいしい空気を吸い、「気持ちいいね」と心が温まるような豊かな時間を過ごすことができます。

ジェットコースターが怖くても問題ない⁉ 「とにかくゆっくり」な乗り物

パラグライダーを体験する場合、後ろには熟練のインストラクターが付き、2人で飛び立ちます。特に初めての場合、近くに経験者がいる場合は先に飛んでもらい、障害物のない崖のような場所から飛び出していく姿を見ながら「どのように動けばいいのか」をチェックします。

「パラグライダーは"落ちる"もの」と勘違いしていた筆者。しかし、実際はふんわりと"降りる"イメージなのだそう。離陸場から飛び立ち緊張のピークが過ぎれば、びっくりするほどの"ゆっくり"感。上空で会話を楽しんだり、眼下に広がる自然を満喫できます。もし足が着かないことが怖くて叫んでしまったとしても、紀ノ川平野が叫び声さえも吸収してくれるでしょう。

スカイダイビング等のスカイスポーツは1フライト50,000円前後し天候にもかなり左右されますが、ユーピーパラグライダースクールでは1フライト11,000円で楽しめるそうです。

「教えてみたい」その一瞬の感情が、人生を変えた

元々は千葉県に住み、東京で働いていた村井さん。とある休日、バイクで高原を走り気持ちよさを味わっていたそう。その上空を、更に気持ちよさそうな、パラグライダーが飛んでいました。それを見上げながらふと、「こんなに気持ちよさそうなもの、他の人にも知ってもらいたいし、教えていきたい」と思ったそうです。

この話を聞いたとき、思わず筆者は「『やってみたい!』ではなく、『教えてみたい!』と思ったんですか?」と聞き返しました。

「今思えばおかしな話だけど、確かに『教えたい』と思った」とのこと。しかし、そこで「教えてみたい」と思ったからこそ、千葉県から和歌山県紀の川市に移住し、パラグライダーを教える村井さんの"今"があります。

そして、初めて紀の川市(当時の打田町)の空を飛んだのは1998年5月、28歳のとき。1年程お金を貯めて、どんな土地かも知らず、もちろん友人・知人もいない状態で移住しました。30歳の手前で、「最後の冒険をする」ような覚悟を持って訪れたそうです。

移住してみて、苦労はなかったのでしょうか。村井さんに聞くと、「言葉の壁」が一番の苦労だったそうです。「”関東弁”と、常にいじられましたよ。当たりもきつく感じました。しかし、懐に入ると、とてもフレンドリーで。地元で採れた果物なんかも、もらったりして(笑)」

「昔ながらの物々交換の文化がまだ残っている」と話す村井さん。懐かしさと温かさがあふれる暮らしは、居心地が良いようです。

「趣味」ではなかったから"こそ"、味わえた感覚

村井さんの話からは、終始「仕事の楽しさ」が伝わってきます。1年で200回程離着陸するそうで、それだけ回数を重ねても飽きないのだとか。その秘密は、体験者の反応を常に感じられることにありました。2人乗りを体験されるほとんどの方が「めっちゃ楽しい!」と感動の嵐。毎回、その反応が新鮮で、とても良い刺激になっているようです。

しかし、一方でパラグライダーのインストラクターは、入れ替わりが激しいそうです。なぜなのでしょうか。

「色々な大会にも出て、自由に空を飛んできた人が辞めていく傾向にあります。良い風が吹いたとき、自分が飛びたい気持ちを押し殺し、体験する方を優先して飛ばせなくてはいけない。その繰り返しがストレスになるみたいです」

楽しそうなものを、素直に「教えてみたい」と感じ、その声に従いパラグライダーのインストラクターを20年以上続けてきた村井さん。そこには、趣味ではなかったからこそ味わえた、やりがいと温かさがありました。

ikeari

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