「恋愛が3ヶ月しか続かない」マッチングアプリでスピード破局が増えている

「恋愛が3ヶ月しか続かない」マッチングアプリでスピード破局が増えている

  • 女子SPA!
  • 更新日:2021/05/06

気軽に異性と交流できるマッチングアプリの利用者が急増する中、それに比例するように、交際が長続きしないカップルが多くなっている。背景にはアプリの弊害だけでなく、恋愛観の変化も関与しているようだ。当事者の本音に迫った。

◆マッチングアプリの定着で恋人の切り替えが加速中

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男女が出会う恋愛ツールとして広く浸透しているマッチングアプリ。今やアプリでのやり取りを通じて結婚に至ったカップルも少なくないが、一方で思わぬ弊害も生じている。

「連絡を断ち、自然消滅するように仕向ける」と語るのはIT起業家の丸山渉さん(仮名・32歳)。

「相手が『今すぐ会いたい』などと言い出して依存してくるようになると重く感じてしまい、いつも1、2か月しか続かないんです」

現在も婚活中だというネイリストの牧田香苗さん(仮名・32歳)も「アプリで出会った高収入のイケメン男性でしたが、ギャンブラーだと発覚してすぐに別れました。付き合った期間は3か月で、私が電話で一方的に別れを告げておしまい。相手からは『そっか』という返事が来ただけでした」とスピード破局を振り返る。

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アプリで結婚相手を探す牧田さん。「年収はマストでチェック。直接会ってルックスと清潔感を見てから交際するか決める」

◆1か月も持たずに別れるカップルが13%も

相手を見極める期間は、1~6か月が目安になっているようだ。世代やトレンドのマーケティングを行う牛窪恵氏が話す。

「大手結婚相談所の調査(※)によると、交際相手に突然別れを切り出される人は50%近くいます。しかも半年以内で別れるケースが50%以上、その中のさらに13%は1か月も持たずに別れている。男女の交際が淡泊になり、以前にも増して交際期間が短くなっているのは事実です」

※パートナーエージェント調べ(2018年8月、20~39歳の男女2400人にインターネット調査)

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提供元:パートナーエージェント「※20~39歳の男女2,400人に対してアンケート調査を実施」

では、なぜ今、短期恋愛が増えているのか? やはり、出会い系ビジネスの急激な進化によって付き合うことのハードルが下がったことが大きく影響しているという。

「約3割の若者がマッチングアプリを利用している時代。最近だと『Clubhouse』やオンラインゲームで交際相手を見つける人もいる。いつでも不特定多数の異性と出会えるようになりました。その反動で、付き合っていてもすぐに『リセットできる』『もっとイイ人がいるかも』という思いが頭をよぎり、すぐに新しい恋人を探し始める人が増えています」

◆恋人がいてもアプリで探し続ける

また、男女による恋愛の価値観が異なることが長続きしない要因になる場合も。

フリーの映像編集マンとして働く望月一樹さん(仮名・29歳)は「アプリを通じて数人と付き合いましたが、中にはまだ付き合って1か月なのに『結婚しよう』と言い出したコもいた。面倒になったので速攻で別れましたね。話が合うコがいれば付き合って、結婚や同棲話が出れば別れる短い恋愛を繰り返している」と平然と語る。

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最近、フリーの映像編集者になった望月さん。「仕事が不規則だけど、女遊びはしたい。結婚については全く考えていません」

また、前出の牧田さんは「安定した結婚をしたいので、収入が多い人を探しています。より高収入の人がいれば切り替えたい。だから恋人がいる今でも『ペアーズ』を見ている」と新たな出会いを求めていることを明かした。

「女性は、学生時代に“キャリア教育”を受けた世代を中心に、出産や仕事に慣れる時期から逆算して30代前後で結婚したいと考えるように。また、コロナでより一層収入面の安定を重視するようになってきている。一方で、男性は出会いを欲しがっているものの、コロナで仕事がどうなるかわからないので結婚願望は弱まっています」(牛窪氏)

◆「昨今の恋愛は情熱的ではなくなってきている」?

さらに、牛窪氏は「昨今の恋愛は情熱的ではなくなってきている」と続ける。

「今は男女ともに“癒やし系の恋愛”を求めがち。中には、体の関係をもつ前に同棲をする男女もいるくらい。そういった恋愛には中毒性がないので、価値観が違うとすぐ別れる傾向にあります」

エンジニアの加山俊介さん(仮名・30歳)は「彼女が二股していますが、一人暮らしするのも寂しいので同棲を続けている」と彼女を「恋人」ではなく「シェア仲間」として扱っていることを明かす。

また、前出の丸山さんも「今は彼女がいるけど、“友達感覚”でラクだから長続きしている。結婚願望はまだない」と本音を漏らした。

10代後半~20代半ばの「Z世代」の恋愛はさらに複雑になっている。

◆Z世代に広がる友達以上彼氏未満の関係

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「Z世代は前提として“付き合う”という感覚が薄い。『好きピ』『彼ピッピ』のような友達以上彼氏未満の関係など、カップル以外の恋愛パターンがかなり細分化されてきている。お互いの誕生日を一緒に過ごしても付き合っているとは思っていないケースも。この世代は恋愛が長続きしないという悩みが弱いかもしれません」(牛窪氏)

リアルなパートナーに対しても、画面をスクロールするように秒速で見切りをつける若者たち。交際期間の長さや交際の有無に縛られない愛の育み方を考えてみてもいいのかもしれない。

◆ニューノーマルな恋愛を長続きさせる秘訣とは

ニューノーマル時代の昨今、恋愛を長続きさせるためにはどうしたらよいのか。芸人のかたわら、「恋愛マスター」として結婚相談所を手がけているくじら氏は、次のように語る。

「まず、恋愛を“形式ばって”考えないこと。『デートを何回して、何か月で同棲して、何年で結婚して……』というシミュレーションにあてはめると、その通りにいかなくなった時に別れを意識してしまいます。前提として恋愛は思い通りにはいかないもの。リスペクトを持って相手の意見を受け入れることが今の恋愛には必要です」

また、くじら氏は「長続きさせるためには相手との意見の食い違いを恐れてはいけない」と続ける。

「実際に僕の結婚相談所では、男女関係なくデート中に不満があっても黙ったまま、モヤモヤした気持ちの状態を抱えてしまうという相談を多く受けます。そんな方々にいつも言っているのは“自分の意見をその場ですべて吐き出すべき”ということ。例えば自分が『将来は一軒家に住みたい』と思っていたとして、相手に『マンションでいい』と言われたとしたら、別れを意識するのではなく、本音を伝えるべき。対面であれば柔軟なニュアンスで伝わるし、都度話し合えば齟齬も減っていきます」

◆最初から自分を盛ってはいけない

さらに、相手への自分の見せ方も重要になってくるようだ。

「よくアプリで年収をサバ読みしたり、写りの良いプロフィール写真を載せる人を見かけますが、長く付き合いたいなら逆効果。最初から自分を大きく見せないことが大事です。自慢やプライドをかざしたりせずに“負け”を認めて楽しい会話をして、減点法より加点法を狙う。極端な話、『今は稼ぎ少ないんだよね』とか言っちゃってもいいんです。正直な自分を見せることで、相手の心を動かして関係が発展していく。それができるのは恋愛だけだと思います。人間って物語を作る天才なんですよ」

恋愛の在り方は多様化しているが、根本的な必勝法はいつの時代でも変わらないということなのだ。

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牛窪 恵氏

【世代・トレンド評論家・牛窪 恵氏】

’01年、マーケティング会社を設立。立教大学大学院客員教授。近著は『若者たちのニューノーマル』(日本経済新聞出版)

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くじら氏

【お笑い芸人・くじら氏】

“恋愛マスター”として知られ、結婚相談所運営のほか、登録者2万人を超える『くじらの恋愛相談LINE』で数々の恋愛指南を行う

<取材・文・撮影/瀬戸大希 櫻井れき 時弘好香>

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