絶対に見に来てねって誘われた芝居のそいつの出てない時間|僕の不幸を短歌にしてみました

絶対に見に来てねって誘われた芝居のそいつの出てない時間|僕の不幸を短歌にしてみました

  • 幻冬舎plus
  • 更新日:2021/10/14

たったの(だいたい)31文字で、世界はこんなにも情けなく、こんなにもドラマチックに!「歌人芸人」によるフリースタイルな短歌。

ということで、今日の不幸短歌です。

*   *   *

絶対に見に来てねって誘われた芝居のそいつの出てない時間

役者さんとして活動している知り合いの方が何人かいて、お芝居を観に来ませんか? と誘っていただくことが結構あります。

大前提は見たいのですが、今月はちょっと金銭的に厳しいんだよなとか、この作品は自分に合わなそうだなといった時は、断りたい気持ちになります。ただ、僕はなかなか断ることができません。

30代後半で何千円の出費を厳しいというのは恥ずかしいことですし、知り合いが一生懸命作っている作品を、合わなそうだなんて言える訳がありません。これが1回きりの公演ならば、「スケジュールが合わなくて」なんてことも言えるのですが、お芝居の公演は基本的には何日間に渡って何公演もあるものです。そのスケジュールが全部合わないなんて言おうものなら、こいつ嘘ついてるんじゃないかと思われて、今後の人間関係に影響が出る恐れすらあります。

なので基本的には、僕は誘われれば劇場に足を運びます。

もちろんお芝居を見て、面白かったり考えさせられたりと、有意義な時間を過ごすことがほとんどなのですが、たまに訳のわからない作品に出会うこともあります。

これはいったいどんな世界観で、なにを言っているのだろう? 興味を持ってない訳ではなく、必死にわかろうとしても、芸術的な側面が強すぎて、意味がわかりません。

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(写真:iStock.com/Aykut67)

それでも、知り合いの方が出演しているシーンの時はいいんです。

知っている人が、舞台上でなにかを演じているということだけで、見ていられます。

しんどいのは、その人が出ていないシーンです。知らない人たちが訳のわからない世界観で、意味のわからない会話を続けます。たまに踊ったりもするのですが、なんの踊りなのか? そもそもなぜ踊っているのか? 台詞は一言も聞き逃していないはずなのに、理解ができません。

いったい僕はこの時間を割いて、なにを見ているのだろう?

この時間はなんなんだろう?

そんなことを考えているうちに、舞台上は暗転し、客席が明るくなります。

ようやく終わったと思い、席を立とうとしたところで、アナウンスが流れます。

「今から10分間の休憩に入ります」

そうか、まだ続くのか。

後半はたくさん出てくれよ、知り合いさん。

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岡本雄矢

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