
経済産業省=東京都千代田区
経済産業省は26日、物価高対策として、昨年1月から始めた現行のガソリン補助金を今年9月末で一旦終了すると発表した。6月以降、2週間ごとに補助率を段階的に引き下げ、10月1日からは補助がなくなる。ただ、今後、原油価格が急騰した場合には、補助の継続なども含め、柔軟に対応するとしている。
経産省によると、6月からはガソリン1リットル=168円の基準価格を上回る分について、25円を上限として満額支給しているガソリン補助金の補助率を2週間ごとに9割、8割と段階的に1割ずつ引き下げる。担当者は、ガソリン補助金を終了する「出口戦略」につながるとしている。
ガソリン補助金は、ウクライナ危機に伴い原油価格が高止まりしていた昨年6月には最大で1リットルあたり41・9円支給されていたが、原油価格や円安が一服した昨年12月以降は20円以下の支給水準で推移。今年1月からは35円の上限を毎月2円ずつ引き下げ、5月末時点で25円としていた。
ガソリン補助金をめぐっては、一時的な激変緩和措置にもかかわらず、延長や拡充が繰り返され、予算総額が約6兆2千億円まで膨張。経産省は今年3月末までに3兆1千億円の予算を執行し「一定の役割があった」(幹部)とするが、価格を人為的に押さえ込むことで値上がりで需要が落ち、最終的に価格が下がる市場メカニズムが機能不全となっていることや、石油元売りに支給される補助金の効果が利用者から見えにくいといった批判も出ていた。