暴行死事件さなか...佐賀県警本部長、異例の交代

暴行死事件さなか...佐賀県警本部長、異例の交代

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/02/23
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警察庁は22日、佐賀県警の杉内由美子本部長(51)を警察庁長官官房付とし、後任に警察庁長官官房参事官などを務めた松下徹氏(50)を充てる人事を発表した。24日付。県警警務課は「杉内本部長が体調不良で業務に支障があるため」と説明している。異動発表からわずか2日後の発令は異例。県警は、福岡県太宰府市で暴行され死亡した女性=当時(36)=の家族が事件前に佐賀県警鳥栖署に何度も相談していた問題を巡り、家族から対応を求められていた。

佐賀県では県議会定例会が18日に開会したばかり。答弁する立場の県警トップが会期中に交代する事態に、県議の一人は「杉内本部長は精神的に参っていたと聞いている。議会を欠席するわけにはいかず、異動になったようだ」と明かした。

この問題で県警は、昨年10月に対応に不備はなかったとする調査結果を公表した。だが、西日本新聞の取材で県警幹部が同7月、家族に「(署の)幹部が適切な指示ができていなかった」などと不備を認め、謝罪していたことが判明。この幹部は発言を認め、県警は「担当者が個人的な思いを述べた」と釈明していた。

また、署が家族の相談内容を記録した内部文書には、被害届提出の意思について「現在のところなし」の項目に印が入るなど事実と異なる記載があり、内規に反して作成された疑いがあることも明らかになった。

杉内本部長は、記者会見や県議会での答弁で「(家族からの)申し出の内容からは、女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められなかった」と述べ、一貫して不備がなかったとの主張を続けた。一方、今年1月29日の会見で、文書の記載や相談の在り方について「より丁寧な対応を検討している」と改善する考えを示していた。

家族は第三者による問題の検証を求めており、「次の本部長には真摯(しんし)に対応してほしい」とコメントした。

杉内氏は2019年8月、九州初の女性本部長として佐賀県警に着任。離任会見は行わない予定。

(岩崎さやか、金子晋輔、木村知寛)

西日本新聞

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