
神農さんが放屁で妖怪を退治する「神農絵巻」(兵庫県立歴史博物館所蔵)
落語と講演会で大阪を語る「道修町たなみん寄席」が6月17日、大阪市中央区の田辺三菱製薬本社で開かれる。テーマの「オナラ」にちなんだ落語を楽しみ、講演会で笑い種になるまでの歴史を学ぶ。同社は「ようやく新型コロナウイルスが落ち着いてきた。思いっきり笑ってほしい」と参加を呼びかける。

笑福亭つる吉(人形)を操る笑福亭鶴笑さん
「たなみん」は同社の広報キャラクターで、落語会は地域の文化・芸術活動を支援するメセナ活動のひとつ。平成29年に始まり、13回目になる。
今回の講演者で、大阪の歴史や文化に詳しい高島幸次さん(龍谷大エクステンションセンター顧問)によると、「オナラは笑い種」と言われるが、古代や中世の時代にはそうではなかった。宮中の政務を放棄したり、出家を決意したりする悲劇や波乱の原因だったといい、「江戸時代初期までは、オナラ1発で人の命が無くなった話などが書物などにも見られる」と説明する。
しかし、江戸後期になるとオナラは面白さの対象に変わり、ネタにした落語も次々と生まれた。また、道修町の少彦名神社の御祭神・神農さんが、オナラで妖怪どもを退治する物語絵巻も登場したという。
高島さんは「深刻なものからおもしろいものに変化していくオナラの歴史と、大阪の人もほとんど知らない神農さんのオナラの物語を紹介したい」と話す。
落語では、オナラの話がとんちんかんな方向に進んでいく「転失気(てんしき)」を笑福亭鶴笑さんがパペット人形(笑福亭つる吉)を使って上演するほか、笑福亭風喬さんが「色事根問(いろごとねどい)」、笑福亭笑有さんが「目薬」を披露する。
午後2時から、入場料1100円。先着150人。「道修町たなみん寄席」のウェブサイトから申し込む。問い合わせは同寄席事務局(06・6484・9677)。