侍と初対決...イタリア代表の歴史つくった“パ・リーグ戦士” 4人が主力で活躍

侍と初対決...イタリア代表の歴史つくった“パ・リーグ戦士” 4人が主力で活躍

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  • 更新日:2023/03/18
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2015年までオリックスでプレーしたアレッサンドロ・マエストリ【画像:パーソル パ・リーグTV】

過去のパ・リーグには、イタリア代表でも活躍した選手たちも在籍していた

6年ぶりに行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、2度目の8強進出という結果を残したのがイタリア代表だ。準々決勝ではWBC初対戦となる日本代表「侍ジャパン」に3-9で敗れたものの、メジャー経験も豊富な選手が並ぶメンバーは強い印象を残した。イタリアの野球にはなじみがないファンも多いかもしれないが、過去にパ・リーグで活躍した選手の中には、WBCのイタリア代表に選出された経験を持つ選手がいる。今回は4人の選手を紹介したい。

ダン・セラフィニは2004年にロッテに入団。来日1年目は左の中継ぎとして起用され、シーズン途中からは先発も兼任。防御率4.13とやや不安定な面はあったものの、時にはロングリリーフもこなしながら、フル回転の活躍を見せてチームを支えた。

続く2005年は開幕から先発の一角を任されると、その期待に応える活躍を披露。状況に応じて中継ぎ登板も挟みながら安定した投球を続け、規定投球回に到達して防御率2.91を記録。先発陣唯一の左腕として11勝を挙げ、チームの躍進に寄与する働きを見せた。

プレーオフの第2ステージでは初戦で5回2/3を1失点、最終戦で6回1/3を2失点と、いずれも重要な試合で好投。日本シリーズでも3勝0敗で王手をかけた第4戦の先発マウンドを託され、5回1/3を2失点と試合を作り勝利投手に。大事な試合での先発登板が続きながらも重圧を感じさせない投球を見せ、31年ぶりの日本一にも大きく貢献している。

2006年にはオリックスに移籍したが、相次ぐ故障に悩まされて真価を発揮できず。それでも、イタリア代表に選出された2009年の第2回WBCではカナダ代表を相手に先発して勝利に貢献し、2013年の第3回大会にもイタリア代表で出場。ベテランの域に差し掛かってからも現役を続け、経験豊富な左腕として息の長い活躍を見せた。

瞬間的な大爆発で記憶に残るパスクチ、スウィーニーはVに貢献

ヴァル・パスクチは2005年にロッテに入団。同年は先発として活躍したセラフィニに加え、ベニー・アグバヤニ、マット・フランコ、イ・スンヨプが1軍で活躍。「第5の助っ人」だったパスクチ氏の出番は限定的だったが、26-0という歴史的大勝を飾った3月27日の楽天戦ではスタメン出場し、満塁本塁打を含む4安打2本塁打7打点と大暴れを見せた。

来日1年目はわずか33試合で8本塁打、20打点を記録。打率.284、出塁率.392、長打率.549、OPS.941と、出場した試合では素晴らしい打撃成績を残してみせた。2006年の開幕前には第1回WBCのイタリア代表としてもプレーし、イ・スンヨプが巨人に移籍したこの年は本格的なブレークが期待されていた。

同年は13本塁打、打率.222と安定感を欠いたが、OPSは.800と優秀といえる水準であり、特に8月には驚異的な打棒を見せた。この年限りで退団となったが、2005年の好成績と随所で見せた大活躍によって、当時を知るマリーンズファンに強いインパクトを残した。2009年の第2回WBCにもイタリア代表として出場し、2011年には実に7年ぶりとなるMLBでの試合出場も果たしている。

ブライアン・スウィーニーは2007年に日本ハムに入団。同年は主に先発として21試合に登板し、6勝を挙げて防御率3.70と一定の投球を披露。クライマックスシリーズでは先発、日本シリーズではリリーフと、ポストシーズンでも複数の役割をこなし、投手力をいかしてリーグ連覇を果たしたチームの一員として活躍した。

2年目の2008年には、規定投球回に到達して防御率3.48と安定感を示した。エースのダルビッシュ有に次ぐ12勝を記録。先発陣の軸の一人として、Aクラス入りにも大きく貢献した。3年目の2009年はさらなる活躍が期待されたが、21試合に登板して5勝8敗、防御率5.32と成績を落とし、日本シリーズでも登板機会はなかった。翌年はマリナーズで24試合に登板し、防御率3.16と活躍している。

その後、イタリア代表として2013年のWBCに出場し、中継ぎとしてチームの全5試合中4試合に登板とフル回転。頼れるベテランとしてブルペンを支え、史上初の1次ラウンド突破に貢献した。

独立リーグからやってきたマエストリ、4大会連続で代表に

アレッサンドロ・マエストリは、四国アイランドリーグplusの香川を経て、2012年途中にオリックスに入団。8試合に登板して4勝3敗、防御率2.17と活躍。その実力がNPBの舞台でも通用することを証明した。

さらに3年目の2014年には中継ぎとして覚醒。時にはロングリリーフも務めながら鉄壁リリーフ陣の一角としてフル回転し、36試合の登板で50.1イニングを消化。防御率1.97と支配的な投球を見せ、優勝争いを繰り広げるチームを支えた。「10.2決戦」と呼ばれた天王山、10月2日の福岡ソフトバンク戦では6番手として登板したが、残念ながら敗戦投手に。シーズンの命運をかけた一戦でマウンドに送られたこと自体が、マエストリへの信頼と、を物語っているだろう。

イタリア代表としては、2006年の第1回から2017年の第4回まで4大会連続でWBCに出場。2006年大会ではリリーフを務めていたが、2013年大会では先発として奮闘。コールド勝ちしたカナダ戦で3回1失点と試合を作り、第2ラウンドでは準優勝チームのプエルトリコを相手に4回1/3を無失点と好投。大黒柱としてチームの躍進にも大きく貢献した。

セラフィニ、パスクチ、スウィーニーは日本で優勝チームの一員となり、マエストリもブルペンの主力として優勝に限りなく近づいた。今回紹介した4人のイタリア代表選手は、いずれもパ・リーグにおいてインパクトを残した存在といえよう。

イタリア代表がWBCで1次ラウンドを突破したのは、セラフィニ、スウィーニー、マエストリの3名が出場した2013年大会以来となる。次回以降、どんな戦いを見せてくれるのか。再びNPBを経験した選手が加わることはあるのか、注目を集めそうだ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」望月遼太

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