KANが患った「メッケル憩室がん」とは...専門家「早期であれば、アーティストとして復帰できる」

KANが患った「メッケル憩室がん」とは...専門家「早期であれば、アーティストとして復帰できる」

  • スポーツ報知
  • 更新日:2023/03/19
No image

代表曲「愛は勝つ」で知られるシンガー・ソングライターのKAN(60)が18日、公式サイトで、メッケル憩室がんを患ったことを公表した。4月から札幌、大阪、東京で行うはずだった弦楽四重奏との計5公演は中止する。サイトでは「予定されていたライヴは楽しくやり遂げさせていただきましたが、今後は治療最優先の生活に改変する」とした。

パーソナリティーを務めるFM COCOLO「KANと要のWabi―Sabiナイト」(土曜・後6時)でも報告。冒頭「私から大変しゃれにならない重要な報告が…」と切り出し「がんが見つかってしまいました」と明かした。昨年秋に腹痛がひどくなり「恋の病かな」と思い、10月20日に近所のクリニックで検診。ポリープ3つは良性だったが、痛みが続いたため大病院で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた。腫瘍を切って病理検査に出した結果、病名が判明したという。

KANは昨年10月から今月7日の東京・台場まで全国ツアーを展開していた。病名を公表した理由について、「ツアーをぶっ飛ばすんだから、ちゃんと説明しないと」と語った。

パーソナリティーを務める「KANと要の―」とSTVラジオ「KANのロックボンソワ」(土曜・深夜0時)は今後も出演する。

病名を公表してもテンションは明るいまま。ラジオで最初にかけた曲は、1988年リリースの「だいじょうぶ I’M ALL RIGHT」。公式サイトでも「皆さまに楽観していただけることが、きっと大きなエネルギーになる、そんな気がしています。この件をサラッと洒落(しゃれ)にしながら演奏する日を常にイメージします。では、股」と軽妙な文体で前向きな姿勢を見せた。

◆年間100例以下

内科全般に詳しい秋津医院(東京・品川区)の秋津壽男院長は、メッケル憩室がんについて「手術でがん部分を切除し、腹膜に転移していなければ命に別条はない。早期発見段階であれば、十分にアーティストとして復帰することはできる」と話す。

秋津氏によれば、同病は非常に珍しく、報告は年間100例以下だという。「そもそも小腸の検査がとても難しい。MRI、CT、胃カメラ、大腸カメラでも届かない。使える医者が限られる特殊な内視鏡や、カプセル内視鏡で調べるしかなく、小腸のがんは見逃しやすい。2メートルある小腸をくまなく検査するのは至難の業。今回、見つかったのは運が良い」。高熱、腹痛、血便、貧血の症状から検査することが多いという。

KANの公式サイトに「組織摘出施術を行い」とあることから、「開腹して検査をしたのではないか。小腸は長いので、20~30センチ切除しても大丈夫。劇的に体重が落ちることもない。体力さえ戻れば、ライブも十分に可能です」と説明した。

◆メッケル憩室 憩室と呼ばれる内臓の外側に飛び出た袋状の突起物が、小腸の壁の一部にできたもの。出産の際に胎児と母体を結んでいる卵黄管が出産後に残り、吸収されずに残ってできる。メッケル憩室のある人は人口の1~2%程度。男性に多く、ほとんどの人は無症状という。「メッケル」は発見した19世紀ドイツの解剖学者の名に由来する。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加