「カラダの性」が女性同士で付き合うって、正直どんな感じなの?

「カラダの性」が女性同士で付き合うって、正直どんな感じなの?

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  • 更新日:2022/05/16
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こんにちは椎名です。僕は身体の性が女性で、心の性は定めていないセクシャルマイノリティです。現在、とある女性と人生のパートナーとしてふたりで暮らしています。

僕がセクシャルマイノリティであることをオープンにしているのは、こうしてエッセイを書く際やSNS、親しい友人や両親に対して。仕事場では一部の上司と数名の同僚にだけ、こっそりカムアウトをしました。

何度もカムアウトをしてきたなかで、全員ではありませんがカムアウトをした相手が疑問を抱いていることを知りました。それは同性同士のカップルと男女のカップルの付き合い方の違いについてです。

この記事を読んでいるかたの中にも、当事者には聞きにくいけれど疑問を抱いているかたがいらっしゃるかもしれません。

また当事者でも、こういったことをストレートに聞かれて、正直いやな気分を味わったかたもいるでしょう。

だからこそ今回は、検索さえすれば誰もが読むことができるこの場で、「身体の性が同性同士で付き合うって、異性と付き合うのとどう違うのか」という疑問について、僕個人として回答してみましょう。

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同性と交際する“メリット”?

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身体の性が同性のパートナーと、身体の性が異性のパートナーと交際することの違いを比較する際、違いを“メリット”として表現されることがあります。

実際に「女性同士だとこういうところが便利なんじゃない?」なんて言われることも多いのですが、挙げられるメリットのほとんどは異性と交際しても相手によっては叶うのでは?と、あくまで僕個人として感じます。

たとえば生理への理解について。たしかにお互いの身体が女性だと、パートナーと生理に関する不調に相互的な理解やサポートを得られやすいように見えるでしょう。

しかし生理の不調を単純に“パートナーの体調不良”だと捉えれば、男性であってもパートナーを気遣ったりサポートをすることができると思います。

ふたつめは、同棲時の家事について。女性同士のカップルだと、お互い家事ができて分担が楽そうだと感じるかもしれません。これも必ずしも当てはまるものではありませんよね。男性でも家事が得意なかたもいるし、女性でも家事が苦手なかたは多くいらっしゃいます。

家事の得意不得意は性別ではなく、ひとり暮らしやご実家での家事の経験、考え方によって異なるのではないでしょうか。

次に、服の貸し借りや共用、メイクついて。これも身体が同性であってもサイズや好みによってできない、しないことがあります。

僕と彼女の場合も、メンズ服が好きな僕とフェミニンな印象の服が好きな彼女とでは選ぶ服も全く違うことが多く、共用することはほとんどありません。

異性カップルであっても、パートナーの女性がメンズライクなファッションがであったり、お互いジェンダーレスなデザインの服を好んでいたらシェアをすると思います。コスメに関しても、肌質が異なれば共用しないかもしれません。

強いてメリットを挙げるならば、スパなどで一緒に“女性専用エリア”を利用できることだと思います。

スパも施設によっては水着を着用して男女一緒に楽しめるので、そこまでメリットとはいえないかもしれませんが、個人的にはスパや施設内の仮眠スペース、あまり行かないけれど漫画喫茶などにもある女性専用スペースを一緒に利用できるのは、唯一「メリットだな」と思います。

女性専用スペースがある場所には、「女性専用スペースがあったほうが女性が安心して利用できる」という理由があるのだと考えます。実際、スパの男女共有スペースで岩盤浴着(なかに下着をつけない場合がほとんど)の女性をじろじろ見る男性に気付いてしまうことは、残念ながら珍しくありません。

こうしたかたは男性のなかでも一部だとはわかっていますが、やはり女性専用スペースを利用できたほうが彼女が嫌な目に合うことを避けられる可能性が高いため、僕も安心です。

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異性カップルとの明確な違い

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メリット以外ならば、交際する際に相手の身体が同性か異性かで明確に違う点は、少なくありません。

すでに思い当たるかたもいるかもしれませんが、交際していることを周囲に話すことができない、カムアウトができない状況であることが多く、それが原因でさまざまな問題が起きます。

まずは、パートナーの存在を隠したり、偽ったりしなければならないこと。

愛するパートナーがいてもカムアウトをしない限り、彼氏、彼女の有無や結婚の予定について質問には「いない」としか答えることができません。もしくはパートナーを友だちだと話しているかたもいます。

僕も冒頭の通り社内では一部にしかカムアウトをせずに、そのほかの上司や同僚にはパートナーをルームシェアをしているとても仲のいい友人であると偽っています。

なのでカムアウトをしていない相手から見た僕は、結婚どころか8年以上恋人がいないことになります。実際はパートナーである彼女がいて、8年の間にフォトウェディングをしたりパートナーとして一緒に住宅を購入しているのに、です。

恋人の性別を同性ではなく異性だと誤魔化す場合もありますが、その場合相手との付き合いが長くなると、「長く付き合っているのに結婚をしない」と交際を不誠実に見られてしまうことがあります。結婚をしたくてもできないだけなんですけどね。

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フォトウェディングも住宅の購入も、当然ですがカムアウトをしていなければ周囲から公に祝われることはありません。

男女の結婚や住宅の購入であれば、勤め先からお祝いをもらったり日常会話の延長として周囲に報告し、「おめでとう」と言われたりするでしょう。

僕もこれまで何度か同僚の結婚などを祝ってきました。もちろんお祝いの気持ちに嘘はありませんが、僕が心を込めて言ってきた「おめでとう」は、僕と彼女に向けられることはないんだなと感じてしまいます。

祝われるためにフォトウェディングをしたわけではありませんが、やっぱり祝われないことはとても寂しいものです。

ほかにも、一緒に暮らしたい、同棲したいと思っても恋人として契約できるLGBTフレンドリーの物件はまだまだ多いとは言えません。

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いまは購入した住宅に住んでいますが、賃貸住宅に一緒に住んでいた際は、不動産屋や大家さんに自分たちの関係を友人同士のルームシェアだと話していました。

希望するエリアにLGBTフレンドリーの物件が少なく、かと言って同性カップルとして審査が通るとは思えず、そのことで嫌な思いをするかもしれないのであればルームシェアと偽るほうがいいと判断したのです。

→next page>> 女性同士で付き合うって、正直どんな感じなんだろう?

同性も、異性も、相手を思えば何も変わらない

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このように明確な違いもあるうえで、同性と交際することは異性と交際することと、気持ちのうえやカップルとしての日々の過ごし方は異性カップルと何も変わらないと僕は思います。

些細なことで喧嘩をしたり、相手の帰りが遅ければ心配をします。手料理を喜んでもらうと嬉しいし、一緒にする休日の朝寝坊も、特別な記念日のデートも、笑って隣にいてくれるときの安心感も、異性愛者のかたが異性とお付き合いするときと僕が彼女に感じるものは変わりません。同じようにただ好きでいるだけです。

だから僕の「女性同士で付き合うって正直どんな感じ?」への答えは、「異性カップルと同じだと思う」です。

本来誰かとお付き合いするメリットは、好きになった相手と恋人やパートナーとして隣にいる権利を得られることではないでしょうか。

ちなみに夜の営みの方法などに言及することは、異性カップルであっても同性カップルであってもデリカシーのない質問であることも同じです。僕の周囲だけだと思いたいですが、カムアウト後に聞かれることがよくあります。

同性カップルが身近にいる場合、純粋な疑問であってももし込み入ったことが気になったら「それはふたりが異性カップルであってもする質問だろうか」と、一度立ち止まってみてほしいのです。立ち止まることで、身近なカップルを傷つけずに済むかもしれません。

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椎名トキ

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