【吉田羊インタビュー前編】ジェーン・スーの役作りに失敗? 國村隼と“親子”になれた瞬間

【吉田羊インタビュー前編】ジェーン・スーの役作りに失敗? 國村隼と“親子”になれた瞬間

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  • 更新日:2021/04/08
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『生きるとか死ぬとか父親とか』第1話の場面カット(C)テレビ東京

テレビ東京「ドラマ24」の『生きるとか死ぬとか父親とか』が9日よりスタート(毎週金曜 深0:12~0:52※テレビ大阪のみ翌週月曜 深0:00~0:40)。ジェーン・スーの同名タイトルの小説を原作とした同作は、愛きょうはあるが自由奔放な父と、それに振り回される中年の娘のおもしろおかしくて、ときどき切ない家族の愛憎物語となっているが、ジェーン・スー自身をモデルにした主人公・蒲原トキコを演じる吉田羊が作品の魅力を語った。

【写真】ジェーン・スーが3人? ラジオブースで仲良く撮影

――台本を読んだ時の感想

テレ東さんの『きのう何食べた?』が大好きなので、その枠のドラマということで、相当ハードルを上げていたんですが、台本を読んだ時に「参りました!」ってなりました。チャーミングな親子の、何気ないけど、ちょっとだけ特別な日常を静かに淡々と、また、誰しもに思い当たる家族ならでは愛憎を、ユーモラスに、けれど、どこまでも誠実に描いている。こんな温かくて上質な大人のドラマのお話を頂けるなんて!と狂喜乱舞し、絶対に私にやらせていただきたいなと思いました。脚本は、原作をトレースした部分に加えドラマ用にアレンジされたラジオシーンもあります。これはスーさんが毎回監修されていて、相談内容、答えるトキコのコメントもスーさんが考えられたものなんです。それによって毎話ごとのテーマもわかりやすいですし、スーさんをモデルにしたトキコという別人格になっていますから、スーさんの現実の奮闘を生々しくではなくエンターテインメントとして、みなさんに楽しんでいただけるのではないかと思っています。

――トキコのビジュアルが公開された際には、スーさんと羊さんがそっくりという声も多く上がりましたが、どうやってスーさんになりきっていったのでしょうか?

実は当初、役作りに失敗しまして(笑)。ビジュアルとかスーさんのしゃべり方を、真似しようと思ったのですが、スーさんのスペックがあまりに高すぎて、挫折(ざせつ)しました(笑)。そこでスーさんを真似るんだったら、それはスーさんのラジオを聞いたり、本を読めばいいことだなと思い直して。そもそも、スーさんは理性的な方ですが、私は感情的な人間で、対極な私に話がきたというのは、そこに意味がある気がしたんです。

というのも、原作を読んだ時に、甘えの不在を感じたんですね。お父様の自由奔放さが産んだ家族の歪み。それにより失われた、本来あるべき、子としての甘え。現在スーさんはご自身の家族を俯瞰(ふかん)しておられますし、その結晶が原作な訳ですが、今回それを生身の人間が再現するときには、あの時こうしたかった、こうしてほしかったという娘の甘えを、きちんと感情を乗せて正直に表現したいなと。その結果、もしもスーさんがこのドラマをご覧になって、一瞬でも解放される瞬間があったとしたら、俳優としては本望です。加えて、私自身、母を4年前に亡くしておりまして、生前してあげられなかったことの後悔とか、父に対する思いとか、原作と重なるところもあって。トキコを演じながら、どこか自分の感情を整理するような、自分の人生を生きているような感覚になります。自分にないものを演じるとウソになってしまいますけど、そういったリアルな感情を重ねることで、原作の行間を伝える助けになったらうれしいです。

今回役作りで一番意識したことは、よどみなくしゃべること。特にスーさん監修のラジオシーンでは、スーさんの口達者ぷりのイメージが壊れないように、と注意しています。また、潤沢(じゅんたく)な語彙(ごい)量の中から、愛のある厳しい的確な言葉をリスナーさんに選んで話されている印象でしたので、アドリブですらもスーさんの思いを考えると、適当なことは言えないという緊張がありました。一発でうまくいった時は、現場から「フー!」って声が上がったりして(笑)。相談に答えながら、私自身のもやもやもスッキリしたことを付け加えておきます(笑)。

――そのほか、外見部分でのこだわりはありますか?

スーさんの代名詞である、ターバンとメガネはマストで真似させていただきました。衣装については、各キャラクターにテーマカラーがありまして、例えばトキコは青、お母さんは白となっているのですが、それぞれに意味があるんです。話が進んでいくにつれて、それが少しずつ変化していくのも見どころのひとつだと思います。衣装はスーさんの写真などを参考に、みんなで話し合いながら決めていきました。スーさんが見学にいらっしゃった際、私がつけているターバンを見て「私、それ持ってないから買いたいです!」っておっしゃって、すぐにネットで購入されていたのが印象的でした(笑)。私は私でスーさんに寄せようとしているし、スーさんはトキコに寄せようとしていて、結局主軸は誰なんだ!と不思議な気持ちです。ターバンについては、私たちはスーさんがつけていそうなものを選んでいるのですが、オンエアを見てスーさんが「あれ、ほしい!」と思ってくれたら大成功(笑)。

――父親役の國村隼さんの印象、撮影時のエピソードなど

柳のようにつかみどころのない感じは、スーさんのお父様ととてもよく似ているなと思いました。國村さんご自身は関西のご出身ということで、お話には必ずオチがあるし。いつも明るくおしゃべりをしてくださる本当に楽しい方でした。現場ではいつも口笛を吹かれていて、これがプロ級の腕前なんですね。よく通る口笛を吹かれながら、現場に入っていらっしゃるんですけど、選曲がいつも暗いんですよ(笑)。嘉門タツオさんの「鼻から牛乳―」でもおなじみの、J・S・バッハ作曲「トッカータとフーガ ニ短調」の口笛を吹いていたりするので「お父さんなんでその曲なんですか?」と聞くと「無意識だった」という返答でした(笑)。どうやら、その曲が吹きやすいらしく、いつもそれを吹かれているのが気になっていましたね。撮影に入ると、同じ釜の飯を食べるじゃないですけど、同じロケ弁を食べて密に時間を過ごしていたこともあって、自然と親子みたいになってくるんです。1話でファミレスのシーンがあるのですが、お互い打ち合わせもしてないのに、同じタイミングで「ふぅー」とため息をついたり、外を見たりして、意識しないシンクロの瞬間がいくつもあって、こうやって家族になっていくのかなと感じました。

――原作では、スーさんのお父さまの“かわいさ”のような部分も描かれていますが?

「これはモテるわ」と思いましたね(笑)。スーさんと、スーさんのお父様がポスター撮影の見学に来てくださっていたのですが、品があって、優雅で、やさしくて、ユーモアもあって…おまけに無邪気で他意もなくピュア。これは女性が放っておかないと感じましたね。その部分は國村さんも元来お持ちで、お芝居に説得力がありました。

後編では、ラジオパート、トキコの元カレ役を担当するかもめんたる・岩崎う大、本人役で登場するハライチの岩井勇気、アルコ&ピースの平子祐希との撮影秘話、吉田自身の家族観などを紹介する。

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