自宅で同居するおじを刃物で切りつけ殺害しようとしたとして、鯵ケ沢署、つがる署、県警捜査支援分析課、機動捜査隊は26日、殺人未遂の疑いで、青森県深浦町の無職男(31)を逮捕した。県警捜査1課は裁判員裁判対象事件として、認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は25日午後8時ごろ、自宅で建設作業員男性(63)の首などを刃物で切りつけ殺害しようとした疑い。男性は外に逃げ、自ら車を運転し、鯵ケ沢町の病院で治療を受けた。首と顔、後頭部に複数の切り傷があったが命に別条はない。
県警捜査1課によると、容疑者と男性は22日に同居を始めたばかりだった。当時、男性は1階居間でテレビを見ており「いきなり後ろから、おいに包丁で切りつけられた」と話しているという。
男性を診察した病院からの通報で事件が発覚。容疑者は現場から逃走し、県警は県内全域に緊急配備を敷き捜索した。26日午前5時40分ごろ、現場から約16キロ離れたつがる市のJR五能線越水駅付近を容疑者が一人で歩いているのをつがる署員が見つけ、身柄を確保した。発見時、刃物は所持しておらず、手には切り傷があった。職務質問に対し、当初は偽名を名乗ったという。県警は現場から徒歩で移動したとみている。
同課によると、容疑者は取り調べには応じているという。県警は今後、犯行に至った経緯や状況について捜査を進める。現場は鯵ケ沢町との町境に近い国道101号沿いの民家や水田が点在する地域。近くに住む男性(70)は「事件に全く気付かなかった。大変なことになった」と驚きを隠せない様子で語った。
容疑者が一時逃走したことから県警は深浦、鯵ケ沢町役場と周辺6自治体の教育委員会に事件を周知し警戒を呼びかけた。修道小学校(深浦町)の小島史靖校長は「容疑者が確保されなければ休校も検討した。登校時間までに身柄が確保されて安心した」と話した。