大スベリor大爆笑!? 小田原のフィリピンパブ初営業の思い出-連載:TAIGA晩成-

大スベリor大爆笑!? 小田原のフィリピンパブ初営業の思い出-連載:TAIGA晩成-

  • WANI BOOKS NewsCrunch
  • 更新日:2022/05/14
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モノマネ芸人の先輩にかわいがられ

新宿にあるショーパブの店員として働きながら、店の外ではステージに立ってエルヴィス・プレスリーのモノマネをしていた俺は、他の店員と比べたらやはり目立っていたのか、キサラに出演しているモノマネ芸人さんたちと、どんどん仲良くなっていった。

出番前に準備してる芸人さんから「ごめん、オレンジジュースをお願いしてもいいかな〜?」と気軽に声をかけられたし、頼まれた用事が終わったあとも、なんてことない世間話をするようになっていた。

その日、初めて新ネタを披露した芸人さんに「今日の新ネタ、めっちゃ面白かったです!」と声をかけると向こうも喜んでくれて、「終わったあとに、軽くメシでも行こうか?」と声をかけていただき、メシだけで済むわけもなく、酒をご馳走になったことも。

そのなかでも、石原裕次郎さんのそっくりさんとして知られるゆうたろうさんには、本当にかわいがってもらった。

日ごろから目をかけてくれて、食事や酒に連れて行ってくれたり、ゆうたろうさんのオンステージのときに、横に立たせてもらったこともあった。

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▲社員時代にゆうたろうのステージに上がったことも

やがて 俺がエルヴィスのネタをやっているという噂がモノマネ芸人のあいだでも広まっていき、ある日、田村正和さんの古畑任三郎や、美空ひばりさんのモノマネをするツートン青木さんから声をかけられる。

「知り合いがやってる小田原のフィリピンパブで、エルヴィスのモノマネできる人いないって聞かれたんだけど行ってみる?」

その日のショーパブの公演が終わり、楽屋出口付近を掃除していた俺に、ツートンさんは願ってもない話をもってきてくれた。

「行きたいです! でも俺なんてまだまだ下手くそだし、やり始めたばかりでレパートリーもそんなないのに、いいんですか?」

ツートンさんは「俺も知り合いにも『そんなに本格的じゃないよ』と伝えてあるから大丈夫だよ」と笑ってくれた。

詳しく聞くと、俺に求められていたのは、30分×2ステージ。レパートリーがたくさんあるわけでもない自分が、1人で引き受けて大丈夫なのかと不安がよぎったが、その日から、先輩たちのMCやネタを仕事中に研究しながら、自分なりに構成を考え始めた。

フィリピン人キャストに大ウケ

そして、記念すべき初営業の日。

小田原のフィリピンパブに着いてすぐ、衣装に着替えてスイッチを入れる。控室はないのでスタッフが着替える小さな更衣室でだ。たまにキャストが入ってきて「あ、すいません」と気まずい空気になる。

スナックに毛が生えたくらいの大きさのハコで、店内はいかにも田舎のキャバレーといった内装だ。俺は音源をスタッフに手渡し、進行などを伝える。やがて オープニング曲がかかり、MCが拍手を煽り、俺は満を持してエルヴィス・プレスリーの衣装で登場する。

すると、お店のフィリピン人の女性スタッフたちは大歓声を上げる。新宿とは比べ物にならないほどのノリの良さだ。手拍子に掛け声、時には踊り出すキャストもいた。ステージは盛り上がり、それに比例するかのように客からのチップも弾む。

とにかくフィリピン人はノリがいい。ほとんどのフィリピン人は英語をペラペラ喋れるから、エルヴィスの歌は日本人よりも詳しい。ヘタに日本の人気アーティストの曲を歌うより、洋楽のほうがウェルカムだったのだと思う。

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▲フィリピン人キャストには大ウケだった

ノリノリになった俺は、ツイスト踊ったり腰を振ったりと、いつもより派手なパフォーマンスを繰り出す。もちろん、彼女たちは大喜びだ。

第1部の大盛り上がりで気をよくした俺は、それまで以上にテンションを上げて2部のショーに挑んだ。勢いあまってツイスト踊ってる最中足を捻って捻挫したが、おかげで2部も大盛況。初めての営業は大成功で幕を閉じた。

営業終了後、終電が終わっていたので、オーナーが都内まで車で送ってくれた。細かい会話はよく覚えてないがオーナーは非常に喜んでくれていた。俺も1人で30分2ステージを盛り上げたことは大きな自信になった。

だがしかし、たまたまその店のフィリピン人のノリが良かっただけだということに気づくまでに、長い時間を必要としなかった……。

(構成:キンマサタカ)

TAIGA

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