『クロサギ』なぜ平野紫耀の顔は晴れない? 「これからが本番」と告げた本当の始まり

『クロサギ』なぜ平野紫耀の顔は晴れない? 「これからが本番」と告げた本当の始まり

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  • 更新日:2022/11/25
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『クロサギ』©︎TBS

毎週金曜に放送中の『クロサギ』(TBS系)は、黒崎(平野紫耀)が父を騙した詐欺師・御木本(坂東彌十郎)と直接対決をするクライマックスを迎えた。しかし、黒崎の顔は晴れない。ひとつの大きな目的を果たしたはずなのに、大雨の中、家族を思い出して泣き崩れる彼の姿に切ないものを感じた。

【写真】平野紫耀と黒島結菜が見つめ合う

知っての通り、クロサギは詐欺師を騙す詐欺師だ。その理想像として拍手を送りたくなるような華麗なスマートさを期待していたのだが、平野演じる黒崎は獲物に貪欲すぎる。たとえば第1話では、桂木(三浦友和)からの指示で起業セミナー詐欺を働く詐欺師をターゲットとする。はじめは桂木に言われた仕事を淡々とこなそうとする黒崎だったが、その男が家族の仇である御木本に繋がる手がかりになると分かった瞬間、目の色を変えた。その後、二手も三手も先を読んだ行動をしている黒崎は、もう、今のターゲットの向こうにある御木本を狙っていた。その姿は、空から地上の獲物を狙う“クロサギ”というより、グルルルと唸り声が聞こえてきそうな、腹を空かせた“クロヒョウ”を思い起こさせた。その中で、不意にちょっと困った顔やかわいらしい笑顔を見せ、ドラマの中に漂う不穏な雰囲気を和らげる平野の演技のバランス感覚は見事だった。

銃が目の前にある状況で、御木本と対峙した黒崎の心に、御木本を殺してしまおうという選択肢がなかったはずがない。それくらい黒崎の復讐心は強かったはずだ。それでも、銃と一緒に並べられていた御木本の部下である垣根(金井勇太)の形見であるメガネを手に取った黒崎。それはつまり、黒崎が究極の二択で「人を殺さない」選択をして、人の道に留まり、詐欺師として歩み続けることを決めたことを意味する。

銃かメガネかを選ぶその時、彼は何を思っていたのだろう。何度もフラッシュバックする家族のことだろうか、それとも御木本から「今の父」とまで言われた桂木のことだろうか。はたまた直前で言い合いをした刑事の神志名(井之脇海)や飼い猫を預けた氷柱(黒島結菜)の顔が浮かんだのかもしれない。黒崎に一線を越えることを思い留まらせた“何か”は、黒崎を闇から救い出した光と捉えることもできる。明かされるかはわからないが、その正体は、今後の展開の中で知りたい謎のひとつである。

第6話の予告で黒崎は、「これからが本番だよ」と告げている。これまでは御木本という明確な“的”があった。しかし、これからは違う。まずはあまり手がかりのない中、真の黒幕を探さなければならない。それに黒崎は自分の家族の死と御木本の死を背負っている。この先、また、さまざまな詐欺師を騙しながら、黒崎はこの目に見えない重さに耐えていかなければならない。自滅することなく、彼にそれができるだろうか。ここからが、本当の意味で黒崎の「クロサギ」としての力量が試されることになるだろう。

(久保田ひかる)

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