
"厚生労働省=東京・霞が関"
旅館やホテルでの客の宿泊拒否の基準に関する旅館業法の改正案が26日、衆議院厚生労働委員会で全会一致で可決した。感染対策に応じない客の宿泊拒否を認める内容は、与野党による修正で削除された。一方、業務を著しく阻害する「迷惑客」については、今後省令で具体例を示し、宿泊を拒めるようになる。
旅館業法では「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」は、事業者は客の宿泊を拒否できる。当初の改正案では、発熱などの症状がある客に感染対策への協力を求めることができ、「正当な理由なく応じない場合は宿泊を拒める」としていた。
だが、過去にハンセン病の元患者が宿泊を拒否される問題があったことから、元患者らが「差別を助長する」と改正案に反対。与野党の協議で、「感染対策への協力を求めることができる」と明記するにとどまった。(藤谷和広)