「もう少し期待したい」大谷翔平、米メディア大絶賛も現地記者から漏れ始めた不安の声

「もう少し期待したい」大谷翔平、米メディア大絶賛も現地記者から漏れ始めた不安の声

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  • 更新日:2021/05/01
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大谷翔平選手(Masterpress /Getty Images North America )

米メディアによる大谷翔平の報道は日々加熱している。現地時間4月30日(以下同)、マリナーズ戦で「2番・指名打者」で先発出場。3回の第2打席で4試合ぶりの8号ソロを放った。

4月26日にはテキサス・レンジャースから1072日ぶりの白星を挙げた。大手『ABCニュース』は「大谷翔平、ベーブ・ルース以来の偉業を成し遂げる」という見出しで、本塁打数リーグトップの選手が投手として登板することはベーブ・ルースが記録した1921年以来100年ぶりであると紹介し、投げては5回3安打4失点、打っては3打数2安打2打点の活躍を大々的に報じた。

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他のメディアも大谷が成し遂げた偉業をこぞって取り上げた。4月27日に放送されたメジャーリーグ専門局『MLBNETWORK』内の人気番組「The Rundown Live」では、大谷を大きく特集した。投打でチームに貢献する姿に出演者は「彼こそ本物のスターだ」と大絶賛。大谷はここまで代打を含め全試合に出場している。先発登板後の27日の試合でも「2番・指名打者」としてスタメン出場を遂げており、このように積極的に試合に出場する姿に米メディアも驚きを隠せない。「日本の登板間隔は大体週1回ですが、メジャーは間隔が短く調整も難しい。それにもかかわらず、打者として毎日のように出場する彼のフィジカルは一体どうなっているんだ」と脱帽した。

今季の大谷はエンゼルスの地元でも大きな話題になっている。ロサンゼルス・エンゼルスの専門メディア『HALO HANGOUT』のアルフォンソ・セルナ記者は、試合中の大谷のある様子に着目する。「今季の大谷選手は本当に表情が豊かですね。まさかここまで熱い選手だとは思わずびっくりしました」。確かに今季の試合中の大谷を見ていると、昨季とは大きく違うところがあることに気づかされる。三振を奪った時は雄たけびをあげたり、ヒットを打った時には塁上でガッツポーズをしたり、ホームランを放ったら指を突き出す、というようなパフォーマンスを行っているのだ。

また、4月5日のヒューストン・アストロズ戦では、死球を受けた大谷が、ぶつけた投手に向かって睨みつけるような場面もあった。このように感情をあらわにする大谷の様子に、セルナ記者は、「大谷選手は本当に野球を楽しんでいるようにみえます」と語り、同時に「少なくとも30本塁打、おそらく40本以上の本塁打を打つと思います」とも予想する。前出の番組「The Rundown Live」でも「エンゼルスがポストシーズンに進んでも、大谷がいれば間違いなく勝つことができる」と断言されており、大谷の躍進に大きな期待をかけていた。

大谷の報道が米メディアでも連日のように取り上げられている今の様子は、大谷がメジャーデビューを果たした2018年のとき以上にも見える。例えば、「飛距離○○mのホームランを放った」や「打球速度は○○kmだった」といったプレーに関するものから、ファンや他の選手へ対応など、日によっては普段ニュースにならないような些細なことですら記事になっていることもある。打者・大谷の評価は最高潮に達しているといえるだろう。

しかし、米メディアの全てが大谷を評価しているわけではない。特に投手としては、若干の不安点があることも現地のメディアは指摘している。前出のセルナ記者も「制球力にはもう少し期待したいです」と釘を刺す。特に大谷の与四球の多さが気になっている模様だ。米メディアがよく参考に使う9イニングでいくつ四球を与えているかを示す指標で見ると、大谷の記録は8.6 BB/9だ。これはほぼ毎イニングに1回は四球を与えている計算となっている。実際の成績上でも大谷はここまで13回2/3を投げて、13与四球を与えている。また、大谷は与四球によって自らピンチを招く場面もあった。例えば、今季投手として初戦の4日の試合では4回と5回に、続く20日と26日の試合では初回に連続で四球を与えている。大谷は先発した試合後、「0点ですね」や「5点くらい」と自らの投球を厳しく評価しており、毎試合制球力の向上に取り組んでいる。

「先発機会が増えれば増えるほどコントロールは戻るはずだ」とセルナ記者はいうが、それもなかなか実行できない状況にもある。前述の大谷の制球難のほとんどは、右手中指にできるマメが原因だ。そして、大谷のマメはフォーシームを投げる時に起こっていると現地メディアは報じている。大谷のフォーシームは100マイル(約161キロ)を超え、強力な武器の一つだ。伝家の宝刀ともいわれているスプリットとの組み合わせで、打者から空振りを奪う場面を幾度となく目撃してきた。事実、大谷は9イニングでいくつ三振を奪っているかを示す指標で見ると15.1 K/9という高い数値を出している。そんな魅力溢れるフォーシームの多投ができなくなることは、大谷だけではなくチームとしても是非とも避けたい事態であろう。しかし、エンゼルスはマメに対する有効な治療法をいまだ見いだせていない。

大谷はマメができやすい体質のようで、日本時代もマメによって登板を回避したことがあるほど、長い間悩まされている。エンゼルス首脳陣も大谷を慎重に扱ってはいるが、実際は状況を見守ることだけで根本的な解決にはなっていない。

メジャー4年目で大きな躍進を遂げ、米メディアやファンを盛り上げている大谷。「今季は必ず良い結果を出せるだろう」と誰もが信じているが、今後、少しでも調子を落とすことになればメディアの評価はすぐに変わってしまう。現に、これだけ活躍をみせていても、制球については多少なりとも指摘され始めてきている。大谷への評価は、全てエンゼルスのチームとしての対応に掛かっているともいえる。ベーブ・ルース以来の100年ぶりの逸材をエンゼルスはどの様にケアしていくのか、全てはチームの判断次第となりそうだ。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)

澤良憲/YOSHINORI SAWA

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