国立劇場『令和5年2月文楽公演』は、近松門左衛門の傑作3作品『心中天網島』『国性爺合戦』『女殺油地獄』を上演

国立劇場『令和5年2月文楽公演』は、近松門左衛門の傑作3作品『心中天網島』『国性爺合戦』『女殺油地獄』を上演

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  • 更新日:2023/01/25
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2023年2月4日(土)~2月21日(火)国立劇場 小劇場にて、『令和5年2月文楽公演』が行われる。初代国立劇場さよなら公演のひとつである本公演は、現在の国立劇場小劇場公演としては最後の『近松名作集』として、近松門左衛門の円熟期に書かれた傑作3作品を上演する。

近松門左衛門(1653年~1725年)は、偉大な浄瑠璃作者であるにとどまらず、日本の近世文学を代表する人物。今回上演するのは『心中天網島』『国性爺合戦』『女殺油地獄』。

『心中天網島』は近松が浄瑠璃作者として最も充実していたころの作品。享保5年(1720年)12月に竹本座で初演され、同年10月に大坂・網島の大長寺(大阪市都島区中野町)で起きた心中事件を元に書かれた。近松の心中物の代表作である『曽根崎心中』や『冥途の飛脚』のように、若い恋人同士が切羽詰まった状況に追い込まれ、まっすぐに心中に邁進していく物語とは異なり、本作品で描かれるのは「避けようとしても避けられなかった悲劇」。特に、紙屋治兵衛を愛する二人の女、紀伊国屋小春と妻おさんが、「最悪の悲劇」を避けるために、互いに“義理”を果たそうとする姿が本作品の大きな見どころ。本作品は“女たちの物語”でもある。

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『心中天網島』天満紙屋内の段

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『心中天網島』北新地河庄の段

『国性爺合戦』は正徳5年(1715年)11月に竹本座で初演。中国人の父、日本人の母を持ち、台湾で清朝に抵抗した明の遺臣鄭成功を題材に、日本と中国大陸を股にかけた壮大なスケールの物語が繰り広げられる近松の時代物の代表作。主人公の和藤内と巨大な虎が大立ち回りを演じる「虎狩りの段」に続く、「楼門~獅子が城の段」が本作品の眼目で、初演以来絶えず上演される名場面となっている。

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『国性爺合戦』紅流しより獅子が城の段

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『国性爺合戦』千里が竹虎狩りの段

『女殺油地獄』は、『心中天網島』初演の翌年、享保6年(1721年)7月に竹本座で初演された。『天網島』同様、実際に起こった殺人事件をもとに脚色したといわれている。『女殺油地獄』の主人公河内屋与兵衛は、遊ぶ金欲しさによる借金で首が回らなくなり、ついに殺人を犯す。忠義や義理のため、やむにやまれず人に手をかけることが多い浄瑠璃のキャラクターの中でも、与兵衛の造形は特に異質。人間では表現することが難しい、人形ならではの激しい動きで、油にまみれながら繰り広げられる凄惨な殺し場は作品随一の見どころで必見だ。

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『女殺油地獄』豊島屋油店の段

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『女殺油地獄』河内屋内の段

いずれも日本文学史に燦然と輝く名作を、人形浄瑠璃文楽座の一同が精力を傾けて上演する。

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