阪神・平田勝男2軍監督(61)が鳴尾浜球場で行われている新人合同自主トレを視察に訪れ、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)のティー打撃に熱視線を送った。終始、フルスイングで快音を響かせる和製大砲候補に太鼓判を押し、ソフトバンク・柳田悠岐外野手(32)級の活躍に期待を寄せた。

打撃練習で汗を流す阪神・佐藤輝(代表撮影)
ドラフト1位・佐藤輝の豪快なフルスイングを目の当たりにした平田2軍監督は、ごく自然に球界屈指のスラッガーを引き合いに出した。それだけ、大きな期待をしているということだ。
「佐藤輝にしても豪快なスイングをしている。頼もしいというか力強い。柳田を意識しているかは別として、そこ(柳田)を求めてやってほしいよね」
新人合同自主トレ第2クール初日。ティー打撃に取り組む佐藤輝がすべての球に対してフルスイングする姿に見ほれた同監督は「うちにはティー打撃のときから100%、120%でスイングするというタイプはあまりいないので(他の選手にも)いい刺激になる」と目を細めた。トリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)を記録するなど球界を代表する選手に成長した柳田が、2軍生活を送っていた頃も知る平田2軍監督。佐藤輝に「共通点」も見いだした。
「柳田のようなスイングで、気持ちいいよな。力の強さというか、ツボにきたら一発というスイングの力というのを感じるよね」
近大ではリーグ記録を更新する14本塁打を放ち、将来的に「本塁打王」を目標に掲げる猛虎の和製大砲候補。自慢のフルスイングを貫いた先に、柳田級の活躍が見えてくる。
その前に立ちはだかる“難敵”と言えば、甲子園特有の浜風だろう。右翼から左翼方向に吹く風には、これまでも名だたる左打者たちが手を焼いてきた。佐藤輝も大学時代に甲子園でのプレー経験があるが、本塁打を放ったことはない。攻略は至難の業。それでも平田2軍監督は「浜風なんかに負けないスイング力というのをね。それを期待されて入ってきている」と背中を押す。現時点ですでに、圧巻のスケールを感じているからだ。
この日はティー打撃に加えキャッチボールやウエートトレーニングなどで汗を流した佐藤輝。まずは春季キャンプに向け、着実に歩みを進める。(長谷川 凡記)