【ケリー被告初公判詳報】(6完)退職後業務にか、取締役時代の後払いか 争点は「対価」

  • 産経ニュース
  • 更新日:2020/09/15

《金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われた日産自動車元代表取締役、グレゴリー・ケリー被告と法人としての日産の初公判は、ケリー被告の弁護人による冒頭陳述に入った。ケリー被告のための司法通訳に合わせ、時折言葉を止めながら原稿を読み上げていく》

ケリー被告の弁護人「虚偽の記載はないし、ケリー被告が共謀した事実もない。被告人は無罪である」

《ケリー被告の弁護人は、有価証券報告書で報告された金額が役員として受けた報酬であり、その他に受け取った報酬は存在しないと強調。日産と(日産自動車元会長、カルロス・)ゴーン被告の間に、有価証券報告書で報告した報酬額より多くの金額を支払う合意は存在しないなどと主張した》

《ケリー被告の弁護人によると、2011年ごろ、日産社内では、同社を立て直し、敏腕ともてはやされたゴーン被告が、同社の取締役を退いた後に競合社に行かないよう、どう引き止めるか検討が重ねられていた》

《退職後のゴーン被告に対する高額な報酬を合法的に支払うには、どんな名目での支払いとするかも重要事項だった。その上で、ケリー被告と西川広人前社長が作成に関わったという、ゴーン被告が退職後に受け取る報酬について書かれた文書について説明する》

ケリー被告の弁護人「書面に記載されている『対価』とは、ゴーン氏が退職後に日産に提供する業務に対する対価であり、ゴーン氏が日産の取締役であった間に果たした業務に対する『後払い』ではない。有価証券報告書において報告すべき報酬の対象にはならない」

《ケリー被告の弁護人は、ゴーン氏との間に共謀関係がないことを念押し、こう結んだ》

ケリー被告の弁護人「よって、被告人は無罪です」

《ケリー被告の弁護人による冒頭陳述が終わると、下津健司裁判長が公判前整理手続きの結果を発表する。大型の裁判を円滑に進めるため、事前に裁判官、検察官、弁護人の3者で今回の公判の主な争点を確認し、裁判の流れなどに関して打ち合わせる手続きだ》

裁判長「争点について。被告人日産については、量刑です」

《金融商品取引法違反に問われている法人としての日産は、この公判で起訴内容を認めている》

裁判長「被告人ケリーについて、最も重要な争点はケリー被告がゴーン氏や当時の秘書室長との間で共謀したか否か、になります」

《同じく金融商品取引法違反に問われているケリー被告は、起訴内容を否認し、共謀していないと主張している》

裁判長「その上で、前提問題として、日産が検討していたゴーン氏への財産上の利益が、ゴーン氏が取締役であった間に果たした業務に対する後払いだったか、退職後の日産に提供する業務に対する対価としての支払いだったのか。その検討に被告人ケリーはどのように関与したのか」

《裁判長は今後の公判の審理計画について説明。裁判所が採用した検察側の証拠調べを実施した後、合計17人の証人尋問を行い、ケリー被告への被告人質問を行うとした。検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論、判決の期日は未定とした》

《ここでいったん休廷となり、午後3時10分から再開。堂々とした足取りで入廷したケリー被告は被告人席に座ると、耳に司法通訳の機械を装着した》

《検察側は、採用された証拠について説明を開始。日産自動車の2009~2017年の有価証券報告書やゴーン被告の報酬計算書、1999~2017年までの取締役会の議事録などについて説明していく》

《ケリー被告はこの間、指を組んで説明を聞いたり、用意したレポート用紙のようなものにメモを取るなどしていた》

《検察側の証拠読み上げがいったん終わり、この日の審理は午後4時13分ごろに終了。15日は午前10時から、引き続き、検察側の証拠調べが行われる予定だ》

=おわり

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