【玉ノ井親方 視点】集中出来ていた照ノ富士 苦しんだ末、強い頃の状態に戻った

【玉ノ井親方 視点】集中出来ていた照ノ富士 苦しんだ末、強い頃の状態に戻った

  • スポニチアネックス
  • 更新日:2020/08/03

◇大相撲7月場所千秋楽(2020年8月2日 両国国技館)

No image

<大相撲七月場所千秋楽>八角理事長から賜杯を渡される照ノ富士(左)(右奥は伊勢ケ浜親方)(撮影・西海健太郎)

千秋楽の照ノ富士は、強い頃の状態に戻った感じだった。勝てば優勝が決まる一番。プレッシャーはあったはずだが、自分の相撲に集中できていた。勝因は最初の当たりと左上手を取るのが早かったこと。得意の右四つではなく、右は上手だったが、浅いところを引き付けながら前に出た。立ち合いに圧力があり、御嶽海に付け入るスキを与えなかった。

膝のケガから復活して相撲が変わった。以前はもろ差しに入られても、両かいなできめてそのまま持っていくような強引な取口が見られた。しかし、今は確実に組みにいく。まわしの取り方も切るのもうまくなった。野球で例えるなら150キロを超える速球を決め球にしていた投手が、変化球を交え制球力で勝負するようになった感じだろうか。序二段まで落ちて、引退を考えたこともあったと聞くが、もがき苦しんだ末にここまで戻ってきたのだから、たいしたものだ。

朝乃山は立派に新大関の責任を果たした。ただ終盤に横綱、大関が休場し、余計な重圧がかかってしまったようだ。13、14日目の相撲には若干硬さがあった。

正代は照ノ富士の優勝が決まって気が抜けてしまったようだ。仕切りのときの表情からそれが伝わってきた。11勝を挙げ来場所以降は大関獲りの期待も高まる。ただ、次は両横綱に貴景勝も戻ってくる。朝乃山も大栄翔も遠藤も御嶽海も元気だ。厳しい勝負になるのは間違いない。もう一度自分の課題を見つめ直し、下半身から攻めることや立ち合いの鋭さ、中に入る速さをもう少し身に付けることができれば、もっともっと怖い存在になれるはずだ。(元大関・栃東)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加