手取り20万円...忘れられた非正規の「団塊ジュニア」これから始まる、日本への復讐

手取り20万円...忘れられた非正規の「団塊ジュニア」これから始まる、日本への復讐

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2022/08/06
No image

2025年、「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、日本がさらに超高齢化社会となるとされ、「2025年問題」と騒がれています。良くも悪くも存在感を発揮してきた団塊の世代ですが、その子ども世代である「団塊ジュニア」は、ボリュームは多いわりに話題に上ることは少なく、「忘れられた世代」と称されることも。しかし彼らは今後日本に起こる、さまざまな問題の元凶となる世代でもあるのです。みていきましょう。

50代に達する団塊ジュニア…その影で一度も報われることのなかった非正規社員が

厚生労働省『令和3年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、東日本大震災が発生した2011年以来、平均寿命は縮みました。とはいえ、日本が長寿国であることは変わらず。そして長寿国であるからこそ、日本の高齢化はさらに加速しているといえるでしょう。

2022年版の『高齢社会白書』によると、日本の高齢化率は28.9%。そして2022年は、戦後の第1次ベビーブームで誕生した「団塊の世代」が後期高齢者となる起点の年と言われています。

日本の人口構造を人口ピラミッドで見ていきましょう。

No image

出所:総務省『人口推計』より作成

日本の場合、ピラミッドとは名ばかりで、つぼのような形をしています。そしてちょうど一番のボリュームとなっているのが団塊の世代。800万人を超える人たちがいるとされています。そしてもうひとつのボリュームゾーンが、団塊の世代の子ども世代にあたる「団塊ジュニア」です。

1971年から1974年に生まれた人たちで、2022年に47歳から51歳になる人たちです。各年代90万~100万人強もいるので、その存在感は大きなものがあるでしょう。

ちょうど団塊ジュニアの第1陣は50代を迎えていますが、50代は人生史上、収入が最高値に達するタイミング。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒・男性・正社員の50代前半の平均月収は53万3,200円。推定年収は841万円に達します。

まさに会社員としてのピークに達するわけですが、全員がそれを体験できるわけではありません。社会に出てから一度も報われたことのない人たちが多いのも、団塊ジュニアの特徴です。

団塊ジュニアは、バブル後の就職氷河期のまさに走りの世代。それまでは、内定者を他の会社に取られるまいと、「企業から豪華な食事をプレゼントされた」というような景気の良い話を聞かされていました。そしていざ自分たちの番となったら、一気に就職難に。「大学を卒業したのに職無し」というのも珍しくありませんでした。

仕事をしないと生きていけませんから、非正規社員でもいいからと、多くの人が苦渋の決断をして社会へと出ていったのです。「いずれ景気が良くなったら……」。そんな思いもあったのでしょう。しかしその後も雇用環境は改善されず、気づけは50代、一度も正社員になったことがない......そんな人が大勢いるわけです。

同じ大卒でも、正社員でなかったら。50代前半での月収は27万円、手取りで20万円たらず。そんな給与で暮らしている人も多いわけです。

【大卒・男性、正社員の給与の推移】

20~24歳:255,100 円(211,100 円)/3,415,500 円(2,590,500円)

25~29歳:307,400 円(241,400 円)/4,518,400 円(2,992,500円)

30~34歳:358,000 円(246,000 円)/5,335,200 円(3,057,600円)

35~39歳:411,700 円(251,300 円)/6,252,200 円(3,139,900円)

40~44歳:446,200 円(256,100 円)/6,844,800 円(3,225,300円)

45~49歳:483,500 円(262,300 円)/7,480,400 円(3,320,600円)

50~54歳:533,200 円(273,500 円)/8,418,800 円(3,446,700円)

55~59歳:533,200 円(264,900 円)/8,334,000 円(3,385,400円)

60~64歳:446,400 円(290,700 円)/6,497,600 円(4,101,600円)

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

※数値「/」より左、月収、右、推定年収。(かっこ)内非正社員の数値

必要な支援が届かなかった団塊ジュニア…これからツケを払うことになる日本社会

就職難のなか、これといった支援を団塊ジュニアは受けることができませんでした。現在、しきりに「就職氷河期のへの支援」などと言われていますが、すでに50代となった団塊ジュニア第1陣には特にこれらの支援が届くことはないでしょう。

ボリュームが多いにも関わらず、どこか社会から見捨てられてきた団塊ジュニア。しかしこの世代を無視してきたつけが、これから日本を襲うといわれています。

すでに団塊ジュニアを無視してきたことの弊害は、企業で起きているという指摘も。当時、極端に新卒採用を絞ったことで、会社組織も歪な形となり、中間マネージメント層が不足。上層部からの指示が直接若手社員に下りてきて、その若手社員が疲弊する……世代間ギャップを埋められず、退職者が続出、という事態に陥っている企業が増えているといいます。

さらに、加速する日本の少子高齢化も、団塊ジュニアの無視してきたことのツケだという声も。先ほどの人口ピラミッドをもう一度見てみましょう。ボリュームゾーンが団塊の世代でひとつ、団塊ジュニアでもうひとつあるのなら、その下にも膨らみがあっていいはず。しかし実際は存在していません。

その理由は、団塊ジュニアは低収入がゆえに結婚できなかった、子どものことを考えられなかったから。子育て支援なども、本腰を入れ始めたのは、団塊ジュニアには遅すぎました。結局、人口の膨らみをつくることはできず、高齢化を加速させることになったのです。

さらに弊害は続きます。いわゆる「2040年問題」。2040年ごろには、団塊ジュニアが高齢者となり、日本の人口のボリュームゾーンとなります。社会を支える側から支えられる側になるのです。それによって、2040年の医療・介護費は2025年と比較して、それぞれ1.4倍、1.7倍に膨れ上がり、約190兆円にもなると予測されています。このとき、日本にそんな余力はあるでしょうか。このときには、今と同じような医療や介護などのサービスを受けられないと考えるのが自然です。

支援を必要としながらも、一度も救われることのなかった団塊ジュニア。これから日本にふりかかる諸問題は、ある意味、ずっと無視され続けてきたことに対する彼らからの復讐ととれるでしょう。時すでに遅し、といった状況。私たちもまた、ただ耐えることしか選択肢はないかもしれません。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加