
鳥取市の鳥取城跡で大量に発生している「ヒシ」。鳥取県立博物館の清末さんは、「有機物を豊富に含む水質になったこと」「お堀の水深が何らかの影響で浅くなりヒシが好む1.5メートル前後に変化したこと」が関係しているとみている。
鳥取市の中心部に位置する鳥取城跡。復元計画も進み、観光客への人気スポットとなっているが、いま、ある異変が起きている。
三ツ國陽介記者:
「水面を見ると水草のようなものが大量に浮いているのが分かります」
水面を埋めつくすように生い茂っているのは、水草の一種「ヒシ」。一体なぜ、大量発生しているのか―。
鳥取県立博物館 清末幸久学芸員:
「ヒシが増える条件は2つあって、1つは栄養分が増えたこと、もう1つは水深が変わったのではないかということ」
植物の生態に詳しい鳥取県立博物館の清末さんは、「有機物を豊富に含む水質になったこと」、また「お堀の水深が何らかの影響で浅くなりヒシが好む1.5メートル前後に変化したこと」が関係しているとみている。
そして驚きなのが、その繁殖スピード。
鳥取県立博物館 清末幸久学芸員:
「面積が明らかに1か月前より広がっていますし、密度も高くなっています。おそらく10倍くらいになっている」
ヒシは日光を好むため日照時間が長いこの時期、成長が早いという。この状況にまちの人は…。
まちの人:
「だんだん増えているなと見ていました。(ヒシが)ないほうがすっきりとして石垣が水にうつってきれい」
「あそこまで増えると異常かなと。景観が損なわれるのではと思いました」
ヒシの大量発生、実は2010年にも鳥取市の湖山池で起きていた。ヒシには水質改善の効果もあるというが、枯れた際の悪臭などが問題となっていた。
今年初めて確認されたお堀でのヒシの大量発生。今後、どうなるのか―。
鳥取県立博物館 清末幸久学芸員:
「今、たくさん花が咲いていてこの花が実になる。ですから一年草ですが、来年の命のバトンタッチは、されていて減ることはなかなかない、競合している植物もいないので」
管理する鳥取市によると撤去などの対策については、検討中としている。