コロナ禍で奮闘する北海道ラーメン業界 期待の新店も続々と

コロナ禍で奮闘する北海道ラーメン業界 期待の新店も続々と

  • 日本食糧新聞電子版
  • 更新日:2020/11/22

5月25日に緊急事態宣言を全国で解除してから約半年が経過し、北海道では7月22日から始まった経済回復政策「GoToトラベル」効果で徐々に人出が戻りつつあり、各物産展やイベントが再開し始めた。道内グルメを代表するラーメン業界でも自粛期間の2~6月は大苦戦だったが、地元客をはじめ観光客も戻りつつあり「今は約9割まで売上げが回復してきた」と大手ラーメンチェーン幹部は期待をふくらませる。コロナ禍での道内ラーメン業界の現状とコロナ対策、新店、新トレンドの動きを聞いた。

北海道では10月時点で、札幌すすきの、釧路の特養老人ホームなど55件目のクラスターが発生し総感染者数は2500人を超えるなど、新型コロナウイルス感染拡大の懸念は払しょくしきれない。2019年度はゴールデンウイークの10連休効果やラグビーワールドカップ開催もあり5277万人(北海道調べ)が観光に訪れた道内だが、新型コロナウイルス感染拡大を受け2020年4~9月までの来道者は207万8732人(北海道観光振興機構調べ)と大幅減。北海道経済に大きな影響を与えている。

昨年12月、札幌に人気スープカレー店プロデュースの新店が進出したことでスパイス系ラーメンが注目され、今年1月23日にはとんこつラーメンの人気店「一蘭」の北海道1号店もオープンし話題となった道内ラーメン業界。しかし2月28日に道が緊急事態宣言を発令、観光客のみならず地元客に愛される店も多い中、外出自粛傾向が強まり集客に苦戦する店が相次ぐ。客足減から立ち直るため、店内の換気やアルコール消毒液の設置はもちろん、宅配サービスやテークアウトの導入、営業時間短縮、ソーシャルディスタンスを保つため席数を減らすなど各店が新型コロナ対策に追われた。

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各店がコロナ禍の生き残り策を講じた

6月19日には都道府県をまたぐ人の移動が全国で原則解禁され、道内でも経済活動が再開。札幌では麺屋幸咲、麺屋菜々兵衛すすきの店、旭川では平和あさひかわラーメン村店、函館ではRAMEN ROOM18など、開店のタイミングをうかがっていた期待のラーメン新店が姿を現す。また6月以前にも、3月に寅乃虎(札幌)、4月に仙龍(同)、5月に純麺食堂(旭川)、麺屋真打(函館)がオープンするなど、コロナ禍にありながら新たな出発を果たす店も見られた。

札幌、旭川、函館の製麺会社は10月時点でのラーメン業界について「街中店はまだ苦戦中、郊外店は回復傾向。東京のオフィス街需要は壊滅的で、売上げも全体的に前年割れ」(札幌)、また「緊急事態宣言時より客足は戻りつつあるが、中心部で苦戦。郊外店はコロナ対策で生き残っている」(札幌)とみている。

一方、旭川の製麺会社は「店舗により良い悪いがさまざま。三密を警戒する動きはまだ続いているが、消費は7割ほどまで回復しているのではないか」としており、また函館の製麺会社も「観光客が戻らなければ厳しく、売上げも減っている。コロナで店をやめたという話は聞かないので、各店が対策を講じて頑張っている」(函館)と語り、コロナ禍で苦戦しながらも各エリアで奮闘しているラーメン店の姿が垣間見えた。

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地元客・観光客ともに人がまばらな元祖さっぽろラーメン横丁(8月中旬)

ラーメン業界に詳しい関係者は「量販店向けの市販麺は10~20%上向きに回復、元気が良いのはスーパーだけ。10月になり人が動き始めたことで地方や郊外は回復に向かっているが、まだ昨年と比較にもならない」と分析。

一方、道内に40店以上を展開する大規模チェーン店は「緊急事態宣言直後は街中・郊外とも影響を受けた。すすきのや狸小路付近は観光客減でまだ戻りきれていないが、地方や郊外は地元客をしっかりつかんでいるため回復の強みとなった。今後は新型コロナウイルス感染が悪化しなければ問題なさそう」と安堵する。

ただ、10月13日にラーメン業界で大型M&A(企業の合併・買収)として、「味の時計台」を展開する大手チェーン時計台観光の志釜利行社長が退任。外食やゲーム関連事業を手掛けるトイダック(神奈川県)の鴨田誓一社長が10月8日付で全株式を取得、同社社長職と時計台観光全店舗と70人の従業員を引き継いだと発表された。

年内に札幌市内の1店舗をトイダックのラーメン部門主力業態である家系ラーメンに転換する予定で、道内ラーメン業界からは「道内の家系ラーメンとの競合も考えられる」や「札幌は地域に根付いたラーメンが多くあるので影響はないだろう」「転換店の立地次第で状況が変わる」といった意見が見られた。

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地元客や修学旅行生も再開し人が戻り始めた札幌ら~めん共和国(10月中旬)

北海道観光振興機構によると7月の来道者は42万9713人、8月は55万2775人、9月は58万7472人と徐々に回復の兆しを見せている。8月には新千歳空港の国際線が5ヵ月連続旅客数ゼロとなるなど観光業界への不安もあったが、新北海道スタイルが浸透した今では札幌のラーメン観光名所「札幌ら~めん共和国」に団体旅行の学生や出張サラリーマンで昼時に行列ができるなど、元気を取り戻しつつある。景気回復の波に乗ることができるか、今後の道内ラーメン業界に期待が高まる。

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