オイル、クリーム、乳液...。秋の肌は“油分”で立て直す。

オイル、クリーム、乳液...。秋の肌は“油分”で立て直す。

  • クロワッサン オンライン
  • 更新日:2021/10/14

エイジングが進んだ大人の肌をケアするとき、必要なのが〝油分〟。ベタつくと敬遠されがちな油分の大切さ、見直してみませんか。

撮影・久々江 満 イラストレーション・津村仁美 構成と文・入江信子

大人の肌には油分が不可欠です!

「潤いを与える」というと、「化粧水をたっぷりつけておけばいい」と思う人は少なくない。

「でも、単に水分を与えても、すぐ蒸発してしまいます。本当の保湿とは、水分と油分をバランスよく与えること」と岡部美代治さん。つまり真に肌を潤わせるには、水分を補う化粧水だけでなく、クリーム、乳液、美容オイルなどの、油分を補うケアも必須だという。

肌の最上層にある角層は、ほこり、花粉、細菌といった異物から肌を守るとともに、肌の内側の潤いを蒸発させずに守る、バリアの役割を果たしている。

「ところが年齢を重ねるにつれて、バリア機能は弱まって、肌は潤いを保ちづらくなってきます」

そこで必要なのが油分。

「油分をチャージすれば、肌の上で蓋になって中からの水分蒸発が抑えられるうえ、時間が経つにつれて油分が角層に浸透。バリア機能が強化されて、潤いキープ力がアップします。また、バリア機能が高まれば、炎症が起こりにくく、細胞の代謝もスムーズになって、老化ダメージも少なくなるのです」 さらに油分にはツヤを与える、しなやかにするといった働きも。

「油分を正しく理解して、正しく補うことで、エイジングは抑えられます。年齢を重ねるほど、〝油断〟は禁物と思ってください」

〈 油だからできること 〉

潤いを逃さない。

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角層内には細胞が整然と並び、その間を細胞間脂質という油が埋め、”ラメラ構造”を形成。その構造がバリア機能を担っている。スキンケアで油分を与えると、角層に浸透して細胞間脂質になじみ、バリアが強固に。水分が蒸発しにくくなる。

しなやかで柔軟に。

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油分が不足した肌は硬く、ごわついているが、きちんと油を補えば、しなやかになり、柔軟さを増してくる。やはり革小物のお手入れを思い出せば、納得感あり。

つややかさをもたらす。

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スキンケアの油分によって肌表面に薄い膜ができ、光を反射するので、ツヤが出る。バッグや靴などの革小物に油を塗ると、つややかになるのと同じ理屈だ。

美容成分を豊富に与える。

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油分が多く含まれる化粧品には、油溶性の成分を配合しやすい。レチノール、ビタミンEなどのエイジングケア成分は油溶性だから、老化防止に期待が持てる。

クリーム、乳液、美容オイルはこう違う。

油分を多く含むケア製品にはクリーム、乳液、美容オイルがあるけれど、どう使い分ければいいかわからないという声を耳にする。特に違いがわかりにくいのがクリームと乳液だ。どちらも本来溶け合わない油分と水分を〝乳化〟技術で混ぜ合わせた〝エマルション〟といわれるものだが、

「クリームは固形、乳液は傾けると流れる形状で、一般的には乳液のほうが、クリームより油分が少ないつくりです。そのため、つけたとき、クリームは〝油〟が強く、乳液はやや〝水〟が強く感じられます。とはいえ、実は2つに明確な違いはなく、メーカーが独自に定義していることも多いのです」

手応えとしては、潤いキープ力が高く、ハリや柔軟性が出やすいのはクリーム、水分と油分をバランスよく与えられるのは乳液、即効的にツヤをプラスし、肌にソフトに蓋をするのは美容オイル。

「年齢を重ねた肌におすすめなのはクリームですが、正解はひとつではありません。選ぶ際にはまず、感触や香りが好みであることが第一。また3日以上使ってみて、メイクのりがよくなるなど、変化の兆しが出てきたら、肌に合っていると判断していいでしょう」

〈 バリエーションいろいろオイルケア 〉

ひと言で油分を含むケアといっても多種多様。テクスチャーの好み、目的に合わせて、自分に合うものをセレクト。

クリーム

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コクのあるテクスチャーで、乳液より油分多め。肌にしっかり蓋をして、水分を逃さないうえ、エイジングケア成分をたっぷり補給できるため、年齢サインが気になる人向け。

乳液

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クリームと同じエマルションでも水分多めだから、なめらかで肌なじみがよく、油分ケア初心者でも使いやすい。水分と油分を素早く補い、柔らかく、キメの整った美肌に導く。

美容オイル

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数種類の植物オイルを混ぜて、美容成分を加えたものが基本形で、“油”そのもののテイストをダイレクトに味わえる。マッサージに、導入スキンケアにと用途が広い。

今の〝油モノ〟がベタつかない訳。

クリーム、乳液、美容オイルを嫌っている人に理由を尋ねると、「ベタつくから」と答えることが多い。でも、それは大間違い。今の〝油モノ〟は、昔とは違って、ベタつきにくいものが主流だ。

「化粧品の原料となる油には、たくさんの種類があります。以前はベタつく油がよく用いられていましたが、20年ほど前から、サラサラした感触の油が登場し、製品の感触も変化していきました」

そしてもうひとつ、感触のポイントとなるのが、原料の配合量、混ぜ方といった、料理でいえばレシピに当たる部分だ。

「多くの油の中から何を選び、どう組み合わせ、どう配合するかはブランドの腕の見せどころ。その技術が、肌への浸透性、後肌などを大きく左右します。たとえばベタつく油の代表であるワセリンも、うまく配合すると、リッチ感やハリを出すのに役立つことも」。またクリームや乳液の製造時に、油と水を混ぜる技術=乳化法も進化し、それに伴って感触も進化している。

「敬遠している人も、一度先入観を捨ててトライしてみてほしいですね。今は数多くのテクスチャーがあるので、探せばきっと自分好みのものと出合えます」

〈 感触は乳化で決まる 〉

油と水系成分を混ぜる乳化の仕方によって感触は違ってくる。下の2つが基本だが、最近はさらに複雑な乳化法も出現し、感触のバラエティに貢献。

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O/W(オイルインウォーター)型。水系素材の中に油の粒が散らばっている。さっぱり感触に。

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W/O(ウォーターインオイル)型。油系素材の中に水系成分の粒が分散。こっくりした感触に。

【厳選! 目的別オイルケア。】クリーム編

肌の老化が気になる大人が、まず取り入れたいのはクリーム。
エイジングケアに役立つ油溶性の美容成分を豊富に配合しやすく、また、しっかりした膜で肌を包み込むから、ハリ、シワ、くすみといった悩み解消がスピーディ。さらにたっぷりの油分で肌を保護し、肌温度が下がらないようキープするので、潤い持続力も高い。

肌の上でとろけて一体化する感覚は、〝油モノ〟ケアの醍醐味。一度味わったら虜になるはず。

\ こんな人には クリームを! /

● とにかく肌が乾く。

● エイジングケアを重視したい。

● 包み込まれる感触が好き。

がっちりエイジングケア。

老化に働きかける美容成分をたくさん入れられるのが、クリームのいいところ。一品でたちまち肌が立ち直る。

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(右)睡眠不足で起きる“過労肌”をケア。肌の細胞を再生し、エネルギーを高めて酸化を防ぎ、小ジワや毛穴の目立たない明るい肌に。コクがありつつ肌どけのいい感触。ピュアショット リッチクリーム 50ml 1万4300円(イヴ・サンローラン・ボーテ TEL.0120・526・333)

(左)肌に柔らかくなじんで、豊かに保湿する夜用クリーム。大気汚染、精神的ストレスなどの刺激でダメージを受けた肌を鎮静し、ふっくらとしたハリを取り戻す。ル リフト クレーム ドゥ ニュイ 50ml 1万8700円(シャネル カスタマーケア TEL.0120・525・519)

徹底的に保湿を極める。

密度の高い膜で肌を覆うクリームは、乳液に比べて、より潤いを逃しにくい。これからの季節、乾燥に悩む人はお試しを。

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(右)天然成分が肌の水分保持に必要なタンパク質に働きかけ、バリア機能を上げ、自ら潤いを蓄えられる肌をつくる。ベルベットのような洗練質感。イドラ リソース ベルベット 50ml 8,800円(パルファム ジバンシイ TEL.03・3264・3941)

(左)水分を抱え込んだクリームがとろけて、濃密な潤いをチャージ。バリア機能をサポートすると同時に、潤いバランスを整えて、しなやかに弾む肌を約束する。バランシング クリーム R 25g 9,900円(THREE TEL.0120・898・003)

軽やかテクスチャー。

「クリームはベタつく」と思っている人におすすめの2品をご紹介。重さがないから、クリーム入門編としてうってつけ。

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(右)ヨーグルトを思わせる、プルンとした感触。肌になじませると、さっと浸透してベタつく心配はなし。肌の健康の鍵を握る酵素にアプローチし、透明感を。クラリフィック プランプ ミルキークリーム n 50ml 1万3200円(ランコムお客様相談室 TEL.0120・483・666)

(左)「バーム」という名前なのに超ライト。ジェル様の質感が肌上でほどけてなじんで、手触りスルスル。でありながら、潤い補給力は高く、翌朝しっとり。アクアレーベル マルチアクアバーム 100g 1,078円(資生堂お客さま窓口 TEL.0120・81・4710)

【厳選! 目的別オイルケア。】乳液編

いきなりクリームを使うのはハードルが高い。もっと気軽に〝油モノ〟を取り入れたいというなら、乳液がベスト。みずみずしく、なめらかに肌に浸透し、潤わせる使い心地は、デイリーなスキンケアにぴったりだ。

でも、軽やかなだけが乳液のメリットにあらず。硬くなった肌をときほぐして柔らかくしたり、肌のバリアを即効的に補って乾燥を防いだりと、乳液ならではの効用もお見逃しなく。

\ こんな人には乳液を! /

● 肌が硬くて、ゴワゴワする。

● バリア機能を回復したい。

● みずみずしい感触が好み。

乳液でもハリアップ。

今季、大人の肌のことを考えた、高機能な乳液が続々と登場。しぼんだ肌をほぐし、ふくらませ、若々しい活力を。

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(右)カルシウムやビタミン豊富なケルプ(海藻)、脂肪酸などを含むソイ プロテインで肌力を底上げして、ふっくらと。エアリーな感触も心地よい。ザ・ハイドレイティング インフュージング エマルジョン 125ml 3万3000円(ドゥ・ラ・メール TEL.0570・003・770

(左)厳選された植物成分がエイジングに作用。硬くこわばった肌が和らいでなめらかになり、乳液ならではの柔肌感が味わえる。清々しい精油の香り。エレメンタリー フェイシャルエマルジョン 75ml 2万2000円*9月16日発売(ITRIM TEL.0120・151・106)

〝乳液先行″でバリアケア。

洗顔直後の肌にコットンでつける、先行型乳液は弱った肌の味方。バリアを素早く修復して乾燥を防ぎ、柔らかさも高める。

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(右)ハリと美白の一挙両得。肌に乳液がなじむに伴って、ふくふく度が増し、透明感までも注ぎ込まれる。リフトディメンション エバーブライトプランプ エマルジョン[医薬部外品] 200ml 7,700円(コスメデコルテ TEL.0120・763・325)

(左)肌の弾力に関係するベビーコラーゲンに着目。コクのあるテクスチャーが肌に浸透して、バリアを整えながらしなやかに。もっちりとしたハリのある肌を叶える。アンフィネス ダーマ パンプ ミルクS 200g 7,700円(アルビオンTEL.0120・114・225)

濃密に潤いチャージ。

油分と水分をバランスよく与えられるのが乳液の強み。潤いをスピーディに入れ込み、慢性的な乾燥状態から抜け出して。

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(右)しっとり感が高いから、乾きが激しい肌でも大満足。肌のエネルギーに関わる冬虫夏草と、めぐりを高める高麗人参の力で、キメのひとつひとつまでふくよかに。インテンシブ スキン セラム ラディアンス エマルジョン 150ml 9,240円(ボビイ ブラウンTEL.0570・003・770)

(左)オランダガラシ、ヒメフウロといった植物由来成分が肌内の水分を保ち、乾燥によるくすみを解消。みずみずしさとまろやかさが同居する使用感。アクフォンス リプレニッシング フルイド125ml 1万6500円(SUQQU TEL.0120・988・761)

【厳選! 目的別オイルケア。】美容オイル編

油の本質をそのまま生かした美容オイルは、クリーム、乳液とは少し違う位置づけにあるアイテム。液体で流れやすいため、塗るときややコツがいるのに加え、肌になじませるだけのもの、多目的に使えるもの、後のケアの手応えを高める導入系など、製品によって目的が異なるので、「自分が何を求めているか」を見極めてセレクトしたい。初心者だったら、クリームや乳液を使ったうえで、プラスアルファの一本として活用して。

\こんな人には 美容オイルを! /

● いつものお手入れが物足りなく感じる。

● マルチに使い回せるアイテムが欲しい。

● 後のケアの効果を高めたい。

ふっくらエイジングケア。

オイルの中に潤沢に美容成分を閉じ込めて、エイジングケア。弾力、ツヤ、明るさがすぐに感じられるのが頼もしい。

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(右)主役はハチ由来成分、ハチミツとロイヤルゼリー。肌を奥深くから立て直し、湧き上がるようなハリ、光沢、なめらかさ。肌なじみも抜群。アベイユ ロイヤル アドバンスト ウォータリー オイル 50ml 1万8810円(ゲランお客様窓口 TEL.0120・140・677)

(左)美容液にオイルの粒を混ぜているので軽やかな使用感。肌のキメ密度を高め、引き締まった印象に。プレステージ マイクロ ユイル ド ローズ セラム 30ml 3万800円*9月25日発売(パルファン・クリスチャン・ディオール TEL.03・3239・0618)

マルチな用途に大活躍。

「ひと工夫ありのケアをしたい」人は、多目的に使えるオイルを選択。アイデア次第で、マッサージにも、全身ケアにも。

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(右)手でなじませれば潤いケア、コットンで拭き取れば、帰宅後のほこりや花粉オフにと、保湿、汚れ除去の両方できるのがユニーク。手肌の乾燥対策にも。DEW 白色オイル 180ml 1,980円*編集部調べ。9月16日発売(カネボウ化粧品 TEL.0120・518・520)

(左)化粧水後に使う、マッサージする、髪や体につけると万能。2層を混ぜて使うタイプだから、ベタつくことなく、肌のハリ、ツヤが復活。インフィニティ スキンインテグレーション オイル 40ml 5,500円*編集部調べ(コーセー TEL.0120・526・311)

洗顔後すぐの導入に。

化粧水の前につける導入オイルは、後に使うスキンケアのなじみをよくして、手ごたえをアップ。乾きを防ぐ効果も高い。

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(右)マカデミア種子油など、厳選した植物油をブレンド。洗顔後すぐ使用することで、ゆらいだ肌のバリアをリペアし、潤いを浸透させやすくする。ドゥーナチュラル コンディショニング オイル 18ml 2,420円(ジャパン・オーガニック TEL.0120・15・0529)

(左)後から使うアイテムの手応えを格上げ。“永久花”イモーテルの成分が肌に厚みを出し、小ジワが目立たず、つややかさも。イモーテル ディヴァインインテンシヴオイル 30ml 1万3530円(ロクシタンジャポン カスタマーサービス TEL.0570・66・6940)

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岡部美代治さん(おかべ・みよじ)
ビューティサイエンティスト

大手化粧品ブランドで商品開発などを担当後、美容コンサルタントに。肌や化粧品に関する知識で信頼を集め、多方面で活躍中。

『クロワッサン』1053号より

croissant-online.jp

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