2006年頃に Google の広告について話をしていたときの記録(時事通信広告テクノロジーセミナーより)

2006年頃に Google の広告について話をしていたときの記録(時事通信広告テクノロジーセミナーより)

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  • 更新日:2023/09/19

※上記のGoogleロゴは当時のものです。

たまに昔のインタビューや記事をネット上からサルベージしておかないと、気づいたら無くなってしまうので、時間があるときに粛々と過去の仕事を集めてます。

今回は湯川鶴章さんらによって開催された、『時事通信広告テクノロジーセミナー』にてGoogleの広告について話をしたときの内容。増田さんの管理している TechWave のほうはまだありますが、湯川さんのほうの『湯川鶴章のIT潮流』が無くなってしまったのは残念。今となっては資料的価値がめちゃくちゃあるのに。

https://techwave.jp/archives/51366610.html

新しい広告とは

広告プランニングのシニア・マネジャー

ペタろうと電子年賀状。自分たちでビジネスを作っていくおもしろさを忘れられずに、グーグルに

「新しい広告への挑戦」

広告、「広く告知する」というのがこれまでの広告ビジネス。広告という言葉をとらえなおさなければならない時代になっている。

「消費者の役に立った広告コンクール」。広告が常に消費者の役に立っているのであれば、こうしたコンクールはなりたたないはず。広告は消費者の役に立っていないのだろうかと感じた。

「最近TVCMが見られなくなった」というが、昔からCMの流れる時間を「トイレタイム」と言っていたのではないか。だからこそクリエーターは、もっと見られるように広告製作にがんばってきた。

こうした熱い広告業界の歴史の中で、広告はなぜ今変わりつつあるのか。

https://techwave.jp/archives/51366611.html

グーグルの企業理念

グーグルの哲学。「No constraints」。制約というものを設けない。最初あまり考えないこと=CPUのパワー、ハードディスクの容量、通信帯域。こういうのは将来、解決されるから。ユーザーに焦点を当てれば、お金はあとからついてくる。

「確かに高広の言っていることは正論だけど」とさえぎられた経験がある。でもグーグルでは「正論ならそれを進めよう」

グーグルの企業ミッションは、「世界中の情報を整理し、だれでもが簡単にアクセスし利用しやすくする」

いろんな情報の中にも広告がある。そうであるならば、情報としての広告も整理されるべきだ。

グーグルが発見した10の事実。「悪事をはたらかなくても金儲けはできる」「グーグルは営利企業です」

https://techwave.jp/archives/51366612.html

枠買いの広告から消費者の興味を狙った広告へ

「グーグルは広告というものはユーザーが必要としている情報と関連性がある場合のみ役立つと考えています」

「クリック数が高いということは広告がユーザーの興味にあっていることを意味するからです」

今まではクリエイティブで興味を引かせる。

企業の規模に関係なくだれもが広告出稿に参加できる枠組みだと、広告市場はもっと大きくなるはず。民主主義的な広告ビジネス。

中小企業や、大企業の事業部が広告出稿できるようにする。

グーグルの広告に対する考え方。Useful(役に立つ)、ターゲティングがしやすい。簡単に使える、Accountable(結果を説明できる)。

従来の広告ビジネスは、企業が商品、サービスに合った消費者を探す。今の広告ビジネスは消費者が自分にあった商品、サービスを探している。そんな消費者にうまく情報を提供しようというのが、グーグルのやっていること。

世界中には500万テラバイトの情報があり、グーグルが整理したのはそのうちの170万テラバイト程度。

消費者の興味、関心のあるところに広告を出す、というのがグーグルの広告ビジネス

「おたくの広告、効いてませんよ」

https://techwave.jp/archives/51366613.html

民主主義的なモデルで広告市場を拡大

クリック率が、グーグルの広告をすべての広告主に開く

検索連動型広告の表示順位はオークションで決まるが、グーグルの場合、単純な入札価格の順位ではない。

上限CPC(1クリック当たり、広告費を幾ら支払えるか)CTR(クリック・スルー・レート)を組み合わせた計算式でCPMという値を出し、それに基づいて掲載順位を決める。

入札金額が高くてもクリックされない企業の広告は、掲載順位が下がる。反対に入札金額が低くてもクリック率の高い(消費者の興味に広告がマッチした)広告は上位に掲載される。企業の規模に関係なく、あらゆる企業がこの広告を利用できる。

広告費はGRPの1%といわれる。既存の広告ビジネスのモデルは、大きなメディアに対して大きな広告費を投下するというもの。そのモデルでは広告主の数は、必ずしも増えない。

企業の規模にかかわらず誰でも参加できる広告モデルだと、中小企業の広告、大企業内の事業部が出稿する広告を取り扱える。日本の広告費はGRPの1%以上になる。

広告主のことを考えていれば、レベニューはついてくる。

https://techwave.jp/archives/51366614.html

グーグルの広告哲学

役に立つ、ターゲティングがしやすい、簡単に使える、自分自身で計算ができる、説明責任が可能
大きな広告ビジネスの変化
従来の広告ビジネスは、企業が商品にあった消費者を探すというもの。今の広告ビジネスは、消費者が自分にあった商品を探す、というもの。その探しているということに対して、うまく情報を提供しようというのが、グーグルの考え方。
「世界中の情報を整理する」という企業ミッションと、広告ビジネスが結びついている。
グーグルは単なる検索エンジンの会社ではないし、インターネットの会社だとも言っていない。あえていえば、情報整理の会社。
これまでの広告ビジネスとは、まったく違う観点で広告ビジネスを提供している。
将来的にインターネット以外のビジネスを行うとしても、消費者の興味、関心の起こるところに出すことのできる広告を提供していく。

音声ファイルも発見しました →mp3(https://www.dropbox.com/scl/fi/wq787jx3lztdo5m4o3suv/200610.mp3?rlkey=x4gnq9if2wnqdviw5vt3ou37w&dl=0)

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高広伯彦(Ph.DofManagerialScience)

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マーケティング&事業開発アドバイザー。実務家教員。社会構想大学院大学特任教授。同志社大学修士(社会学)、京都大学博士(経営科学)。学術関係のプロフィールはこちら ⇨  https://researchmap.jp/noritakahiroかつ、登山ガイド。

高広伯彦(Ph.DofManagerialScience)

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