山之内すず、“負のループ”の転機「ネガティブで自己肯定感が低かった」

山之内すず、“負のループ”の転機「ネガティブで自己肯定感が低かった」

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/11/21
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●仕事との向き合い方が変わったきっかけ

山之内すず「あと何人亡くなれば…」 誹謗中傷の“愚かさ”語る

「人生観や価値観が、めちゃくちゃ変わった現場だったんですよ。それまで本当に暗い性格で」

本格的な演技初挑戦となる映画『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(シネマート新宿・心斎橋ほかにて上映中)について、山之内すずはラジオ番組で興奮気味に語った。2019年にAbemaTVの恋愛リアリティーショー『白雪とオオカミくんには騙されない』出演を機に芸能界入りし、今では数々のバラエティ番組にもひっぱりだこな「ティーンのカリスマ」。羨望の眼差しが注がれるパブリックイメージの中で、等身大の姿がそこにはあった。

今回の取材でその真意を探ったところ、「自分で自分を認めてあげられないのがコンプレックスでした」と明るく話してくれた山之内。当時18歳の彼女にとって決して大げさではなく、同作は劇的な変化をもたらしたターニングポイントだった。

○■目標は「自分を好きになる、自分に自信を持つ」

――本格的な演技初挑戦となる『人狼ゲーム デスゲームの運営人』。出演は、オーディションで決まったそうですね。

手応えなかったんですけど、すごく良い緊張感の中だったので楽しくて。「次はがんばろう」と諦めの気持ちになっていると、マネージャーさんから「『人狼ゲーム』決まったよ」と言われて。それがすっごくサラッとだったので、悪質なドッキリなのかなとも(笑)。衣装合わせでみんなで本読みをした時にやっと、「この作品に関われるんだ」と思えて。演技を長くやっていらっしゃる方もいて、泊まり込みの現場もなかなかないので、不安でもあり、楽しみでもあり……いろいろな感情でした。

――9月に放送されたTOKYO FM『澤本・権八のすぐに終わりますから。』で、「人生観や価値観が、めちゃくちゃ変わった現場だった」とおっしゃっていましたね。それほどまで大きな転機だったんですか?

昔から自己肯定感がすごく低くて、歳を重ねるにつれて、それがさらに低くなっていて。自分で自分を認めてあげられないのが悩みとコンプレックスで、そんな自分も嫌いで、ずっと負のループでした。芸能もプライベートも、最終的な目標は「自分を好きになる、自分に自信を持つ」。私の中では、そこに直結すると予感したのが演技のお仕事で、オーディションを受けさせて頂きました。

――そして、見事に末吉萌々香役を射止めた。

めちゃくちゃ素敵な現場で、本当に良い方々、作品に巡り会うことができました。初めて演技をした時、「今の自分、めっちゃ好き」と思って。クランクアップして、「『人狼ゲーム』の現場にいる自分が好き」とより強く思えたというか。終わってしまうのが嫌で、泣いてしまったんです。演技をしている時からクランクアップを迎えるまで、「幸せ」という言葉ではおさまりがつかんくらい幸せで(笑)。こんなに幸せと思えることってあるんだと。

これまでネガティブだったり、自己肯定感が低かったというのもあって、自分のマイナスな感情ばかりに目を向けてしまっていました。観たり読んだりする作品も重たいものが多くて、ネガティブな感情ばかり育ててしまっていて。なかったわけではないんですけど、ポジティブな感情にやっと目を向けられるようになりました。「自分って全然嫌な人間じゃない」「こんな感情を持っている自分って素敵」って本当に心の底から思えた。そういう新しい感情に出会えたことが一番大きくて。終わってからも、ポジティブな感情に目を向けることができているので、その他のバラエティやCMのお仕事との向き合い方も変わりました。

人ともちゃんと関わるようになったし、友達からも「笑顔がちゃんと笑顔になったね」「明るくなったね」と言われるようになって。ネガティブになることが本当に少なくなりました。批判の声や自分の見た目、周りの声もあまり気にならなくなった。過去のことばかり考えてネガティブになってたけど、そんなことをいくら考えたって変わらん(笑)。今の瞬間を楽しめるようになって、撮影が終わってから半年以上経っていますが、今でもその感情が残ったまま。自分のことを受け入れられるようになりました。

●バラエティや雑誌を見返すことができなかった理由

――SNSのフォロワーやファンが増えていくにつれて、自然とポジティブな声もたくさん届くようになりますよね。それでも自己肯定感は高められなかった。

そうですね、ネガティブな感情は意外と埋められないんですよね(笑)。みなさんが知っている「山之内すず」は、「メディアに出ている山之内すず」。もちろん、着飾らずに自然体でお仕事をさせて頂いているつもりですが、昔経験したことや、心の奥に思っていること、いろいろな感情がある中で、ファンの方がステキな言葉をかけてくださっている部分は、私にとっては「表面の部分」というか。

でも、自分から醜い部分をあえて出すことはしません。いちばん変な方向に考えていたときは……「山之内すずはポジティブ」と感じている人が大半だと思うんですけど、そうやって思って応援してくださっているのにこんなにネガティブな自分が申し訳ない……とか(笑)。そういう時は批判的な声に耳を傾けてしまったり。

今はステキな言葉をかけられると、素直に受け止められるようになりました。自己肯定感が低いと、ポジティブな言葉をそのまま受け入れられないんですよ。そこで拒絶してしまうから、自分の心には届かない。「そんな自分が嫌だ」というループ……。『人狼ゲーム』の現場を通して、幸せな感情に目を向けられたことが、すごく大きかった。今はすごく良いメンタルだと思います。

――マイナス感情の自分とそうやって向き合うことも大切なんですね。

マイナスな感情は、決して悪ではないとも思うんです。絶対に自己肯定感を高くしないといけないわけでもない。低いからこそ自分とちゃんと向き合えて、自分のダメなところにも気づくことができる。調子に乗ったり、天狗にならないようにするための感情でもあるのかもしれない。

批判やマイナスな感情も、今の自分にとってはすごく良いことだと思います。感情は人それぞれ、共通する部分も違うところもきっとあるはず。人と自分を比べて自分がどうかなんて本当に関係ないし、マイナスな感情を持っているからこそマイナスな感情を持っている人に寄り添って支えることもできる。今振り返ると、これまで悩んでいた自分もそんなに悩む必要なんてなかったんじゃないかなと思えるようになりました。
○■人生の中では学生時代は本当に短い時間

――「乗り越えてみると、そんなに大した悩みじゃなかった!」なんてこともありますよね。

そうですね。特に学生時代は学校がすべてじゃないですか。でも、人生の中では学生時代は本当に短い時間。そこで嫌なことがあったとしても、今はどうってことない。離れてみたら、関わらない人たちばっかり。自分は、合わない人と無理に合わせようとするタイプはないので、自ら一人でいることを選んだりしていたんですけど、そんなに無理しなくてもいいのかなと思います。

――『人狼ゲーム』では、「共演者と友達にならないようにしよう」と心掛けて現場に臨まれたそうですね。他の現場でも、そうなんですか?

仲良くなる人もいるんですけど、もともとプライベートで出歩くタイプではないので、仲良くなろうと思っても結局はそんなに会わなかったり……。今回は泊まり込みの濃い現場。学ぶ場であり、仕事は仕事。友達なんてできるはずがないと思っていたら……終わって戻って来たら、「みんな好き!」となっちゃって(笑)。こんなに全員のことが大好きになる現場ないなぁと。「人のことを知ろう」と自分が思えたことが、何よりもうれしかった。大人数が苦手なのに、みんなと一緒に行動することもできて、とにかく居心地が良くて。不思議な出会いってあるものなのですね。

○■「あっ! 今、できた!」演技で手応えを感じた瞬間

――クランクアップで泣いてしまって、ご自身でも驚かれたんじゃないですか?

そうですね。こんなに、「終わってほしくない」と思うことってあるんだと。睡眠時間も限られた中で、本当にハードなスケジュールではあるのに、それでもこの現場から離れたくない、ずっと毎日この生活でいいから続けていたい、終わってほしくない……と。自分でもびっくりです(笑)。

クランクアップした次の日、とりこぼしがあることが分かって。あるシーンの音声だけを次の日に録ったんですけど、その時が自分の中では「一番、萌々香になれた」と思えた。殻を破ることができた瞬間。だから、めちゃくちゃ悔しくて。音声だけの演技、しかもセリフも用意されてない中で「自分の思うようにやって」と言われたところで、初めて「あっ! 今、できた!」と。でも、そのシーンを映像として撮り直すことはできない。それが、めっちゃ悔しくて。この気持ちで最初からやらなきゃダメだなと。萌々香と向き合うことができたうれしさと、そういう悔しさもありました。

実は、今まで大きい画面で自分を見ることができなかったんですよ。バラエティやCMも。雑誌も自分で買って、見返すこともなくて。『人狼ゲーム』で初めて自分の顔がスクリーンにドアップで映った時、目をそらさずに見ることができたんです。作品として見ることができた。「作品の中に自分が入ることができたんじゃないか」と感じつつ、そういう悔しさがあって……その悔しい気持ちを次に生かさなきゃなと思います。

●「自分のために生きてもいいんだ」と実感

――クランクアップしてホッとして。その後に、「取りこぼしがあった」と聞いた時、率直にどう思いましたか?

うれしい反面、「もう1回終わらなあかん!」と(笑)。でも、最後にちゃんとやり切ることができたので良かったし、感動が何倍にもなりました。2度目のクランクアップでも泣いて。監督さんやプロデューサーさんに、「どんだけ泣くねん」と思われてるでしょうね(笑)。試写の時、監督さんにも「すずがずっと泣いてて」と言われて、すごく泣き虫キャラになっちゃって(笑)。そんなことないんですけどね。『人狼ゲーム』の現場では、うれし泣きしすぎました。

――もともと、涙もろいタイプではなかったんですか?

地元にいるときはそうでもなかったんですけど、こういうお仕事をさせてもらうようになってから。表現する仕事だからなのか、やたらと泣くようになりました。つらくて泣くのと何かの作品に感動して泣くのは全然あったんですけど、こんな幸せで泣くのって……誕生日のサプライズの時くらいじゃないですかね(笑)。「幸せ」という言葉では表しきれんくらいの幸せだったので、なんと言っていいのか本当に分からないんですけど、帰って来てからマネージャーさんと撮影現場でのことを話して、また泣いて。メイクさんと話しても泣いて。しばらく泣き続けて、それくらい自分の中では大きく変わった出来事だったのかなと思います。半年ちょっと経って、やっと落ち着いて話せるようになりました(笑)。

○■「自分を好きになる」を経た職業観

――先ほどもおっしゃっていた「自分を好きになる」という目標。今回の経験を経て、かなり近づけたんじゃないですか?

こんなに早く実感できる場所と巡り会えるなんて思ってなくて、10年、20年先じゃないと叶えられないことと覚悟していたんですけど、十代のうちに叶えられてしまいました(笑)。今、自分のこと全然嫌いじゃないですもん(笑)! 人とも楽しく話ができるようにもなりましたし、自分のことも悲観的にならずに考えられるようになったので。ただ、目標にはしていましたが、ゴールはそこじゃない。こういう気持ちになれたからこそ選択肢が広がったとも思いますし、これからまだまだ人生何十年もあるので、いろいろなことにチャレンジしていきたいです。

――デビューされて様々なことに取り組んで、仕事や働くことに対するイメージは変わりましたか?

デビューしたばかりの頃は、将来のビジョンとかも考えたことがなくて。地元の高校に通っているときも、大学に行くのか、専門に行くのか、就職するのかも考えていなかった。とにかく、今を生きることに精一杯で。学校に行って、バイトに行っての繰り返しの日々で考える余裕もなかったんですけど、一人で生きていける道が見えて。

東京に出てきて一人暮らしをしながら、友達もいないので仕事に行って帰っての毎日だったんですけど、毎日見たことないものを見ることができる仕事がすごく楽しくて。仕事のために生きるのもステキですけど、ほかの幸せのために生きることもステキなことだとやっと最近気づくことができました。

だから、自分の時間も大事にしようと。家に帰って、ご飯を作って、ゆっくり過ごして。そういう時間があるからこそ、仕事を前向きにがんばれる。そうやって、余裕を持てるようになったというのがすごく大きくて。もちろん、仕事はこれからも大事にしていくんですけど、誰かに見られていない時の自分も大事にしようと。自分のために生きてもいいんだなってすごく思えた。仕事でいっぱいいっぱいにならずに、余裕をもっていきたいと思います。

人って根本的なものは何も変われへんと思ってました。もともと元気ではあるんですけど、病むようなこともなくなったし、変に考え込んでしまうこともなくなって、すごく前向きになりました。現状維持にすることでいっぱいいっぱいで、前を向くことだけでギリギリでしたが、ちゃんと将来のことを考えられるようになった。今だけじゃなく、先のことも見据えて。それから客観的に自分を見られるようになった。私の中では、本当にすべてが変わりました。言葉の受け止め方も。もっともっと勉強して、いろいろなことに前向きに挑戦していけたらいいなと思います。

■プロフィール
山之内すず
2001年10月3日生まれ。兵庫県神戸市出身。TikTokなどで人気を博し、2019年、AbemaTVの恋愛リアリティーショー『白雪とオオカミくんには騙されない』の出演をきっかけに芸能界デビュー。「ティーンのカリスマ」として注目を集め、2020年は『ヒルナンデス!』水曜シーズンレギュラー(2020年4月~6月)をはじめ、数多くのバラエティ番組でも活躍している。

水崎泰臣

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