「栄養は食事でとるが一番?」足りない栄養素を足して元気になるサプリメント【医師が解説】

「栄養は食事でとるが一番?」足りない栄養素を足して元気になるサプリメント【医師が解説】

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  • 更新日:2023/03/19
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欧米では若さや健康を保つためのサプリメントの活用は、ごく当たり前です。病気を予防したり、健康を増進したりする働きがあります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)で解説します。

サプリメントで病気を予防し、健康を増進する

▶サプリメントを足す

■食事だけでは足りない栄養素がとれ元気になるのがサプリメント

サプリメントは、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素や、動植物から抽出した成分など、体に有効とされる物質を含む「健康食品」に分類され、病気を予防したり、健康を増進したりする働きがあります。

欧米では若さや健康を保つためのサプリメントの活用は、ごく当たり前になっています。日本でもドラッグストアやネットショッピングでサプリメントを購入する人が増えてきました。

「栄養は食事でとるのが一番。サプリなんてダメだ」という考えもあります。しかし、精神科医の立場から言わせていただくと、動脈硬化予防にDHAをとろうとして、魚嫌いの人がいやいや魚を食べるのは強いストレスになり、かえって健康を害します。それなら、サプリメントで手軽にDHAを補うほうがはるかに体にいいと思います。

薬は元気になることより異常値を下げることを目標として使われます。サプリメントの多くは、足りない栄養を足して元気になることを目標にしているという点で、薬よりサプリメントを活用するほうがいいのではないでしょうか。サプリメントは万能ではありませんが、元気に老後を送る一助になります。

■飲んで調子がいいかどうか、「体の声」を聴いて選ぶ

私自身15年来、抗加齢医学の国際的権威として知られるクロード・ショーシャ博士の指導でサプリメントを活用しています。朝晩に分けて、体の機能を調節するビタミンやミネラル、老化の元凶となる活性酸素を消去する抗酸化物質など、十数種類のサプリメントを常用しています。

サプリメントのアンチエイジング効果というのは、今より若返るのではなく、今の状態をキープすることにあります。私の実感としては、サプリメントを飲みはじめた48歳からあまり年をとらなくなったような気がしています。

ショーシャ博士は、私にとって抗加齢医学の師匠ともいうべき存在です。私のクリニックで実施しているホルモン療法や個々の体質検査に基づいた食事療法、サプリメントの活用等はショーシャ博士から学んだものです。

自分に必要なサプリメントを知るためには、血液検査や尿検査で自分に足りないものを調べて選ぶのが理想ですが、「そこまでできない」という人のほうが多いでしょう。ショーシャ博士はサプリメントを選ぶ基準として、「それを飲んで調子がいいか悪いか、体の声を聴きなさい」とおっしゃっています。

■効果を実感できたら続け、感じられなかったらやめる

人間の体はうまくできていて、足りないものをサプリメントで足すと、気分がよくなったり元気が出たりします。サプリメントが「効く」というのは、その栄養が自分に足りていないという可能性が高いのです。効果が感じられないという場合、足す必要がないか、体質に合っていないということです。

サプリメントをとりはじめて2週間から1カ月ほど様子をみて、「疲れにくくなった」「元気になった」「肌の調子がよくなった」「便通がよくなった」など体調の変化を感じたら、「効果あり」と判定していいでしょう。効かないものを続ける必要はありません。

インターネットにはおびただしいサプリメントの情報があふれています。購入する際は、複数のサイトで注意喚起情報などをチェックし、安全性や有効性を確認することが大切です。

通常の薬でも高齢者に特有の副作用もある

■高齢者の不眠にはセロトニンを増やす抗うつ剤が有効

不眠症に使われるベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、神経の興奮を抑える薬で、寝つきをよくする効果があり、高齢者の不定愁訴にもよく効くというメリットがあります。

しかし、高齢者に特有の副作用として物忘れや、筋弛緩作用による足のふらつきを起こし、転倒や骨折のリスクを高めます。またベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、神経細胞の活動をダイレクトにブロックする作用により、活力を落とすというデメリットもあります。

さまざまな副作用を考慮して、高齢者にはベンゾジアゼピン系の睡眠薬を使わない方向になっています。その代わりとして、脳内の神経伝達物質であるセロトニンを増やす(SSRI)抗うつ剤を使うと、夜中に目覚める回数が減り、元気も出てきます。

私の臨床経験では、セロトニンを増やす抗うつ剤は、不眠の治療に有効なことが多いという印象があります。

■痛みには消炎鎮痛剤ではなく足し算系の薬がいい

セロトニンは、喜びや快楽にかかわるドーパミンや、恐怖にかかわるノルアドレナリンの働きをコントロールして、脳の興奮にブレーキをかけ精神を安定させます。

加齢によりセロトニンが足りなくなってくると、痛みに敏感になり腰痛などを引き起こします。

これまで痛みにたいしては、痛みを抑える消炎鎮痛剤を用いるのが一般的でしたが、2016年、セロトニンやノルアドレナリンを増やす(SNRI)抗うつ剤(サインバルタ)が、慢性腰痛症(発症から3カ月以上痛みが続いる腰痛)の適応となりました。腰痛がつらい人は、整形外科で相談してみるといいでしょう。

■アルツハイマーの進行を抑制する薬「アリセプト」も足す系

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の進行を抑制するアリセプト(ドネペジル塩酸塩)は、あまり効果がみられないといわれますが、私の臨床経験では「少しは効いている」といえます。

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、記憶や思考にかかわる神経伝達物質のアセチルコリンが減少し、物忘れや思考力が低下すると考えられています。アリセプトはアセチルコリンを足す作用があります。認知症が治癒するわけではありませんが、アセチルコリンが増えることで脳が少し元気になるし、使っていない脳が使っている状態になるので、私は使う価値があると考えています。

和田 秀樹
ルネクリニック東京院 院長

和田 秀樹

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