久保建英がジダンに引導を渡すか。不調レアルはビジャレアル戦が大一番

久保建英がジダンに引導を渡すか。不調レアルはビジャレアル戦が大一番

  • Sportiva
  • 更新日:2020/11/22

11月21日、ビジャレアルの久保建英は、ホームでレアル・マドリードを相手に、その力を示すことができるだろうか。

今シーズン、ビジャレアルで準レギュラーの座に近づきつつある久保にとって、所有先であるレアル・マドリードとの一戦は、今後の試金石となる。来シーズン、戦力として迎えられるか――。久保と同じように、他のクラブにレンタルで出されているブライム・ディアス(ミラン)、ボルハ・マジョラル(ローマ)、ダニ・セバージョス(アーセナル)、レイニエル(ドルトムント)ともども、実績と成長が求められるのだ。

【連載】レアル・マドリード栄光の歴史

もっとも、世界に冠たるはずのレアル・マドリードのほうが、よろよろと足元がおぼつかない。もしビジャレアルに敗れた場合――。ジネディーヌ・ジダン監督は窮地に立たされるだろう。

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ビジャレアル戦に敗れると立場が危うくなるジネディーヌ・ジダン監督(レアル・マドリード)

今シーズンのレアル・マドリードは開幕4試合まで、3勝1分けでリーガ・エスパニョーラ王者の面目を保っていた。しかし、昇格組のカディスにホームで敗れた後、暗雲が立ち込める。チャンピオンズリーグ(CL)開幕戦のシャフタール・ドネツク戦も、本拠地で2-3と黒星。大一番のクラシコで、宿敵であるバルセロナを敵地で1-3と打ち負かしていなかったら、ジダン監督の立場は危うかった。

その後は、CLでボルシアMGに引き分けたものの、インテルに勝利し、ウエスカにも白星をあげて一息ついた。しかし、直近のバレンシア戦はアウェーで4-1と、屈辱的な敗戦となった。

結果は低調だが、それ以上に内容が悪い。

ジダン監督は、もともと堅固な守備をベースに、相手を誘い込んでのカウンターを得意としてきたが、今シーズンはプラスアルファがない。欧州3連覇を果たした時のエースであるクリスティアーノ・ロナウドはとうの昔に去り、カリム・ベンゼマ、ルカ・モドリッチ、マルセロ、セルヒオ・ラモスなど、主力は確実に年を取った。チームをアップデートできていないのだ。

センターバックは不安定さの象徴だろう。

セルヒオ・ラモスは、勝負どころの攻守では欠かせず、リーダーシップも出色である。しかし、フルシーズンを戦う余力は残っていない。ラファエル・ヴァランは格下相手には盤石だが、昨シーズン最後の試合となったマンチェスター・シティ戦で見せたプレーで、セルヒオ・ラモスから独り立ちできておらず、クラブを背負う選手ではないことが明白になった。エデル・ミリトン、ナチョはあくまでバックアッパーだ。

「来季に向けてはセンターバック獲得が急務か?」

スペインの大手スポーツ紙『マルカ』のWebアンケートでは、92%がイエスと答えている。それほど、人材難なのだ。バイエルン・ミュンヘンのダビド・アラバと交渉中と伝えられるが、ジダンは同胞のダヨ・ウパメカーノ(ライプツィヒ)にご執心か。

そして深刻なのが、ストライカーだろう。たしかに、ベンゼマは頼りになる。前線のプレーメーカーとして、カウンターも発動させられる。しかし、彼しか選択肢がないのだ。

セルビア代表では得点を重ねるルカ・ヨビッチも、マドリードでは実力不足。そこでビジャレアル戦は、マリアーノ・ディアスの抜擢もあると言われるが、バレンシア戦でようやく今シーズン初めてプレーしたばかりだ。

ヴィニシウス・ジュニオールを「ロナウドの再来」と期待する声もあったが、ブラジル人アタッカーは技巧には優れても、ゴールに近づくほど精度が落ち、決定力が足りない。

「PEGADA」

それは相手をノックアウトする打撃を指す。レアル・マドリードの強さの伝統だったわけだが、今や風前の灯だ。

◆「連載・レアル栄光の歴史」>>

守り切れず、得点が奪えない。直近のバレンシア戦は、ベンゼマのゴールで先制したが、その後は総崩れとなった。守備の要と言えるカゼミーロが新型コロナウィルス感染で欠場を余儀なくされたこともあって、4失点で沈んだ。

ジダンはパワー&スピードをベースに、チームを作り替える考えを持っているという。ウパメカーノ、エドゥアルド・カマビンガ(レンヌ)、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)など、獲得候補選手はいずれもそのラインだ。

左サイドバックで、マドリードの下部組織育ちで総合力の高いスペイン代表セルヒオ・レギロン(トッテナムに移籍)を好まず、フランス代表で爆発的な走力を売りにするフェルランド・メンディを好んだのは、最たる例と言える。

しかし、チーム編成は進んでいない。今シーズンは大改革の予定だったが、コロナ禍で補強が進まなかった。新戦力はレンタルバックのマルティン・ウーデゴールのみ。ハメス・ロドリゲス、ガレス・ベイルは放出しているだけに、戦力ダウンは避けられない状況だ。ベイルの年俸の半分、1500万ユーロ(約18億円)を肩代わりしており、財政も圧迫されている。

ビジャレアル戦も厳しい陣容になるだろう。ジダンが重用するウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデは右足の脛骨(けいこつ)のケガで、1カ月の戦線離脱を余儀なくされている。右サイドバックは、ダニエル・カルバハル、アルバロ・オドリオソラの2人がケガで欠場。バレンシア戦で内転筋を痛めたベンゼマは思ったよりも軽傷で、出場濃厚と言われているが、今度はセルヒオ・ラモスがスペイン代表のドイツ戦で右ハムストリングスを負傷し、欠場が決まった。

ジダンに引導を渡すのが、もしかすると久保になるかもしれない――。

小宮良之●文text by Komiya Yoshiyuki

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