【試乗】いまや貴重な純ガソリンエンジンモデル! マイチェンした新型VWポロの絶妙な「痒いところに手が届く感」

【試乗】いまや貴重な純ガソリンエンジンモデル! マイチェンした新型VWポロの絶妙な「痒いところに手が届く感」

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  • 更新日:2022/06/23
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この記事をまとめると

■マイナーチェンジしたフォルクスワーゲン・ポロに中谷明彦さんが試乗

■意匠変更でスポーティな外観になり、ミラーサイクルの直3エンジン搭載でWLTC燃費向上

■道路事情に適したサイズ、実用性の高さ、軽快な走りなど、ポロは価格設定も併せて魅力的

スポーティな外観とミラーサイクル直3エンジンがキモ

フォルクスワーゲン・ポロは、これまでに世界累計で2050万台以上が販売され、日本国内においても30万台以上の販売台数を誇る非常に人気の高いコンパクトカーだ。今回のモデルは6代目まで進化してきた同車をマイナーチェンジしたもので、主にフロント/リヤまわりのデザイン変更、装備関係とエンジンの変更を受けたという。エンジンはミラーサイクルの3気筒1リッターエンジンを採用し、可変ジオメトリーターボチャージャーと組み合わせたということで、その辺りも注目のポイントだ。

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クルマに乗り込んだ感じは、インストゥルメントパネルにモダンな液晶表示が採用されており、デザインを一新、操作性も向上している。センターコンソール中央には左右独立型クライメートとなったエアコンスイッチが配され、表示も見やすく操作性にも優れている。

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さらに、上方のダッシュボード中央には大きな液晶モニターが備わり、さまざまなインフォテイメントが表示されるようになっている。メーターパネルも同じく液晶化され、フォルクスワーゲン/アウディの最近モデルと等しいものとなり、メーターパネル上にナビゲーション画面を表示することも可能だ。

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インテリアの質感は、第一印象の見た目ではプラスチッキーでチープさを感じたが、実際に乗り込んで触ってみると、ダッシュボードの大部分はソフトパッドで覆われていて弾力があり、遮音や吸音などにも優れており、走行時の質感は高いものだった。一方、ドアパネルは非常にプラスチッキーだ。ドアまわりとダッシュボードのシボが同一化されているので、一瞬ダッシュボードの表面もプラスチックに見えてしまうのが少々残念である。

センターコンソール上にはドライブモードスイッチが備わる。モードは、エコ、ノーマル、スポーツ、カスタムと3段階に分かれていて、デフォルトはノーマルの設定になっている。

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スイッチを押すとセンターモニター画面上にエコ、あるいはノーマル、スポーツ、カスタムといったイラストが表示され、差別化を認識させているようだ。また、メーターパネル上の右上部分にモード名の表示が出る。

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各モードの違いは、主にシフトプログラムに集約されていて、とくにシフトアップ時の回転数が異なる。しかし、スポーツを選択してもブレーキング踏力に応じたブリッピングを伴うようなシフトダウン制御は行われない。そのあたりの特性は、すでに本国では登場しているポロGTIとは異なるようだ。

サイドブレーキはレバー式が採用されている。近年ではレバー式は珍しくなってきているが、だからといってサイドブレーキターンが行えるような単純な仕組みではない。サイドブレーキの利かせ方もしっかりモニターされており、ホイール転動中の操作ではロックしない。

また、シフトレバーの上の部分には置き型の携帯充電器とタイプCのUSBポートなども装備されている。

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後席に乗ってみるととても広く余裕があり、車体のコンパクトなサイズ感からは想像できないゆとりあるスペースが確保されている。シート形状や足もとの広さ、ヘッドクリアランスなども十分で、非常に実用的な後席が備わったクルマである。また、センターコンソールの最後部にも後席用のタイプC USBポートがふたつ備わっていた。

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トランスミッションは7速DSGを継承し、Dレンジ、S(スポーツ)レンジ、マニュアルレンジの3モードが選択できる。ポロは乾式のツインクラッチDCTトランスミッションをいち早く採用したモデルであり、熟成度も高まっている。それは、登場初期からクリープ制御や変速タイミング制御、減速時の変速プログラムなど非常によくキャリブレーションされており、違和感もなく扱いやすいクルマであった。そのあたりは、今回ミラーサイクルとなったエンジンとの相性も良く、キビキビとした走りを実現している。

軽快感のあるハンドリングはフォルクスワーゲンらしい乗り味

一方、エンジンはミラーサイクルで、現行「ゴルフ」など、マイルドハイブリッド化されたモデルのエンジンと同じような燃焼方式となっている。トヨタのハイブリッドモデルなど、ミラーサイクル化しているクルマも多くなっているが、今回のポロは第一段階としてミラーサイクルのガソリンエンジンを採用。今後、たとえばこれをベースにマイルドハイブリッド化するということも考えられるだろう。

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燃費性能は、ミラーサイクルエンジンを搭載したことによってJC08モードは数値的には若干落ちているものの、WLTCモードにおいては向上している。

今回試乗したグレードはRラインだったのだが、17インチタイヤを装着したことによって軽快感のあるハンドリングが得られている。実際、電動化モーターなどの重たい重量物がない3気筒エンジンであり、ノーズが軽く、クルマ全体も軽快でアジリティに優れている。ライントレース性も自由自在で、フォルクスワーゲンが従来もっている乗り味が生かされている印象だ。

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サスペンションは少し硬い設定でロールが少なく、フロントはストラット、リヤはトレーリングアームということで、非常に熟成されたサスペンションだといえる。Rライン専用サスペンションは、コツコツとした乗り心地こそあるが決して不快なものではなく、収斂に優れていて路面のコンディションをドライバーによく伝えながらも不快感は残さないという乗り味に仕上げられている。

一方で、車体のコンパクトさゆえに最小回転半径は5.1mと小さいのだが、新型「ゴルフ」も同じ5.1mとなっている。新型ゴルフはサスペンションのリンク機構に新しい工夫がなされ、大きな転舵角度を実現して5.1mを達成しているのに対し、ポロのフロントサスペンションは、まだコンベンショナルな仕様なので、車体の外寸から感じるほど小まわり性に優れているとは言い難い。

今回のマイナーチェンジでは、主に外装のデザイン、フロントグリルにピンストライプ状のLEDをインサートし、見た目の印象でワイド感を持たせてスポーティに仕上げられ。リヤのコンビネーションランプもデザインが新しくなっており、より近代的で高級感とスポーティさ、存在感を引き立たせるデザインになっているといえるだろう。

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ただ、リヤバンパー下にある左右分割排気管口はイミテーションで、実際にはほかのポロと同様に排気管はバンパーの内部に隠れていて外から見えない。排気管口を左右分割排気管口っぽく見せることでスポーティグレードであることを強調している訳だが、国産車によく見られたような手法をスポーティグレードであるはずのRラインにおいても取らざるを得なくなってきたのかと少々寂しさを感じた。

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ただし、現行モデルの2リッターエンジンを搭載するポロGTIは、2本出し排気管口のエキゾーストを持っており、本国でデビューしている新型ポロGTIも本来のエキゾーストを備えたモデルとなっているので、こちらには大いに期待したい。

エンジンは6500回転まで吹き上がるが、決してシャープな回転特性ではなく、高回転域ではトルクの落ち込みも感じる。中低速域ではフラットなトルク感とスムースで振動の少ない滑らかな乗り味である。ただ、エンジンサウンドは3気筒特有のもので、いささか物足りなさを感じてしまう。

電動モデルが増える中で純ガソリンエンジン仕様を選択できる機会は今後限られてくると思うので、そういう意味で新型ポロは、最新技術で仕上げられた純ガソリンエンジンモデルという点にも価値を見出すことができるかもしれない。

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なお、右ハンドル仕様のポロは南アフリカで生産されており、昨今の半導体不足の影響で運転機能アシストの一部をレスオプションにするなどして納期を早めるという販売手法も今回から取り入れられたという。日本の道路事情に適したボディサイズ感、そして実用性の高い使い勝手、キビキビとして軽快な走りなど、ポロは価格設定も併せて魅力的な存在であり、今後もゴルフと並んでフォルクスワーゲンの主要モデルであり続けるといえるのではないだろうか。

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中谷明彦

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