厳しい環境だった2022年でパフォーマンスの良かったバランスファンドを紹介

厳しい環境だった2022年でパフォーマンスの良かったバランスファンドを紹介

  • Finasee
  • 更新日:2023/01/25

2022年のバランスファンドの運用成績は悪化

バランスファンドとは、国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)などに分散投資する投資信託である。1つのファンドで投資対象の分散や地域分散が期待でき、単一資産のファンドと比較すると、分散効果によりリスクが低減されるため、リスクあたりのリターン(投資効率)が高まるというメリットがある。また、定期的にリバランス(銘柄入れ替え)を行うファンドが多いため、資産配分が当初の想定から大きく外れることがない。一方、コストが高いことや仕組みがわかりにくいことがデメリットである。

また、バランスファンドは、特定の投資対象に特化したファンドとは異なり、様々な投資対象が含まれているため、株価や為替、REIT価格など様々な要因の影響も受ける。バランスファンドは様々な投資対象に分散投資しているが、これだけで絶対に安全というわけではない。バランスファンドを購入する前に、どのような投資対象にどれだけ投資しているのか、きちんと確認する必要がある。

2022年はバランスファンドの運用も苦戦を強いられた。2020年3月のコロナショック後に大きく上昇してきた成長株(グロース株)は、FRBが金融引き締めを進めたために年初から大きく値下がりした。また、歴史的な高インフレで各国の中央銀行が利上げをしたことから債券価格が下落するなど、多くの資産が下落したことが、複数の資産に分散投資するバランスファンドにも逆風となったからである。

バランスファンドの種類

2つ以上の資産に投資し、リバランスによって比率を維持する「4資産バランス」「8資産バランス」などの伝統的な「配分比率固定型」のバランス型ファンド以外に、以下のようなバランスファンドがある。

アロケーション・ファンド

「配分比率固定型」のようにあらかじめ決められた資産配分を維持するのではなく、市場環境、目標リスク、目標リターンの水準に応じて、各資産の配分を柔軟に変化させながら運用するバランスファンド。たとえば、市況がいい場合は株式などのリスク資産の割合を増やし、悪化した場合は債券などの守りの資産を増やす。このようにアロケーション・ファンドは、市場環境に応じて配分比率を変えることで、ファンドのダウンサイドリスクを抑えつつ、運用成果の向上を期待するファンドである。

ターゲット・イヤー・ファンド

ターゲット・イヤー・ファンドは、あらかじめ目標年度(ターゲットイヤー)を設定する。そして、運用開始当初は株式などのリスク資産の比率を高めたアクティブ運用を行い、目標年に向けて徐々にリスク資産の比率を下げながら、債券などの安定資産の比率を高めていくのだ。資産配分はファンド内で自動的に切り替わるため、投資家が資産のリバランスを行う必要はない。

バランスファンドの2022年リターンランキングと注目ファンド

バランスファンドの2022年リターンランキングは、以下の通り。

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出所:三菱アセット・ブレインズ提供のデータを基に編集部作成

この中から、注目ファンドを2つ紹介する。

BNPパリバ・ブラジル・ファンド(バランス型)

ブラジルの株式と、ブラジルの債券に50%ずつ投資するバランスファンド。株式の部分はブラジルに本社を置く企業またはブラジルで主に事業活動を行っている企業が発行する株式に投資し、原則として、為替ヘッジは行わない。バランスファンドではあるが、ブラジルの株式や債券に投資するのでリスクとリターンは高い。たとえば、ポートフォリオの債券の平均格付けはBBで、平均利回りは12.70%である。格付けBB以下の債券は「ハイイールド債」とも呼ばれ、発行体の信用力が低いため利回りは高いものの、債務不履行(デフォルト)の可能性が高いことから流動性が限られており、価格変動が大きいというリスクがある。また、ブラジルなどの新興国で特有のリスクとして「カントリー・リスク」がある。新興国は政治・経済・社会情勢の変動が先進国と比較して大きく、政治や経済、社会不安が証券市場に大きな影響を与える可能性がある。高いリターンを期待できるファンドではあるが、リスクも高いので分散投資の一部として投資するべきであろう。

■BNPパリバ・ブラジル・ファンド(バランス型)
基準価額 5785円
信託報酬 1.87%(年率・税込)
純資産残高 20億円

<騰落率>
1カ月 -4.5%
3カ月 -6.6%
6カ月 -0.9%
1年     29.1%

※12月末時点

アムンディ・サステナブル・インカム・ファンド

「アムンディ・サステナブル・インカム・ファンド」は、世界の株式と債券に投資するバランスファンドである。ただ、株式ではMLP(エネルギー事業を主な収益源とする共同投資事業形態)やREIT(不動産投資信託)、債券ではハイイールド債券や新興国債券など利回りの高い商品に投資するので、同ファンドのポートフォリオの利回りは8.40%と高い。2022年は216.52億円の資金流入があり、純資産残高は365.32億円となった(2022年12月末時点)。高い利回りが期待できるファンドとして、2023年も資金流入が続くかどうかに注目している。

■アムンディ・サステナブル・インカム・ファンド
基準価額 1万4077円
信託報酬 1.58%(年率・税込)
純資産残高 350.9億円

<騰落率>
1カ月 -2.12%
3カ月 2.59%
6カ月 6.29%
1年     22.45%

※11月末時点

バランスファンドの2022年資金流入額ランキングと注目ファンド

バランスファンドの2022年資金流入額ランキングは、以下の通り。

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出所:三菱アセット・ブレインズ提供のデータを基に編集部作成

のむラップ・ファンド(普通型)

国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、世界各国(日本を含む)のREIT(不動産投資信託)を実質的な主要投資対象とするバランスファンドで、リスク水準の異なる「保守型」「やや保守型」「普通型」「やや積極型」「積極型」の 5 つのファンドで構成されている。各資産への投資配分比率は、各資産の期待リターン、推定リスク、各資産間の相関係数を基に決定。リスク資産(国内株式、外国株式、グローバルREITの合計)の投資比率は、原則として、保守型は50%以下、やや保守型は60%以下、普通型は75%以下、やや積極型は85%以下、積極型は制限なしとする。2022年12月末時点のリスク資産の比率は、「普通型」で51.5%となっている。「普通型」には2022年に761.48億円の資金流入があり、純資産残高は2254.72億円となった。2022年の年間リターンは-6.37%となったものの、2010年3月15日から2022年10月14日までの設定来騰落率は126.5%、年率6.7%と安定的なリターンをだしているので、2023年も資金流入が続く可能性は高いだろう。

■のむラップ・ファンド(普通型)
基準価額 2万1835円
信託報酬 1.353%(年率・税込)
純資産残高 2254.72億円

<騰落率>
1カ月 -4.7%
3カ月 -1.7%
6カ月 -3.7%
1年     -6.4%

※12月末時点

山下 耕太郎

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