【歩いてしか行けない超秘湯】百名山・那須岳を越えて目指す“三斗小屋温泉の極上湯”とは<日帰りよし宿泊よしの夏山温泉ハイク・前編>

【歩いてしか行けない超秘湯】百名山・那須岳を越えて目指す“三斗小屋温泉の極上湯”とは<日帰りよし宿泊よしの夏山温泉ハイク・前編>

  • BRAVO MOUNTAIN
  • 更新日:2022/08/06
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存在感のある茶臼岳の山容。この一帯が通称「那須岳」と呼ばれる北関東の名峰である(撮影:大内征)

栃木県と福島県にまたがる活火山・那須岳とその一帯は、登山も下山後も楽しいこと間違いなしの贅沢な“遊べる山域”である。

関連:【画像】”歩いてしか行けない”山中の秘湯「三斗小屋温泉」の風情溢れる佇まい

というのも、東北自動車道からアプローチしやすい東麓の那須高原はリゾート開発が進んでおり、火山活動の賜物たる素晴らしい温泉に加えて、林間に佇む洒落たカフェやレストランが軒を連ねる。さらにJR東北本線・黒磯駅の周辺にまで足を延ばせば、ゲストハウスやアウトドアショップなどが集中していて、感度の高い旅人を刺激するのだ。

山に目を向けると、個人的には那須岳とその西麓に秘された名湯・三斗小屋温泉ははずせない。なかなか山深いため、寄り道はハイカーならではの特権となる。せっかくなら、山で寄り道、下山後も寄り道という、このうえない贅沢な山旅を楽しみたいところだ。

■那須岳の主峰「茶臼岳」は、火山の迫力と360度の大展望が魅力

那須岳とは、いくつかの山岳が連なる那須連山の一部のこと。3,000m級の山々に囲まれた日本アルプスとは異なり、山頂から望む波打つように立ち並んだ低山から関東平野にかけた果てしない眺めが魅力の2,000m前後の山々の集まり。その中でもドシンと風格ある山容の茶臼岳、反るように屹立した朝日岳、たおやかに三方へと尾根をのばす三本槍岳の三山。これらを総称して「那須岳」と呼ぶ。隣接する東北南部や上越の雪稜をも見渡すことができるのは、まさに関東北端に位置する山ならではの展望だといえる。

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2022年7月25日現在の気象庁の噴火予報は「噴火警報レベル1、活火山であることに留意」。事前に調べてから訪れたい

岩石のむき出す荒々しい山肌の主峰・茶臼岳は標高1,915m。現在も噴煙を上げる活火山であり、山頂の西側にある無間地獄ではゴウゴウと音を立てて噴出する白い煙を間近に見ることができる。その迫力と絶景からファンの多い山であり、とくに夏山シーズンは高所ゆえの涼しさが後押ししてか、登山客のみならず、ロープウェイを利用した手軽な観光登山を楽しむ人も目立つ。

山頂はもとより、登山道からして絶景の切れ目がない。とにかくどこでどのように風景を切り取っても絶景なので、ハイカーも観光客もついつい足を止めがち。あっちこっちにカメラを向けること間違いなしだから、所要時間は余裕をみておきたい。

とはいえ、茶臼岳から先は鎖で補助された岩場や爆風が名物の稜線が続く。登山経験と装備がなければ立ち入ることは難しいエリアだ。しかしながら、そこを越えて谷間に佇む三斗小屋の秘湯を目指せば、極上の温泉を楽しむことができる。健脚なら日帰りが可能だけれど、個人的には山小屋の雰囲気か、テント泊のどちらかを楽しむ1泊コースをおすすめしたい。

■三斗小屋温泉で神の湯のパワーにどっぷり浸る

三斗小屋温泉には、ふたつの宿がある。その風情ある建築ともてなしにファンの多い大黒屋と、露天風呂とテント場をセットで楽しめる煙草屋だ。前者は旅館、後者は山小屋のような雰囲気だから、好みで選択するとよい(どちらも完全予約制)。

ぼくはテント泊と露天風呂を楽しみたいために、重い荷物を背負って煙草屋を度々訪れたけれど、これが本当に気に入っている。今年はすでに2回行ってしまったほど。もしかしたら、秋ごろにもう1回……とも考えていたりして。

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暑さが過ぎると徐々にリンドウが咲き始める

ところで、かつて茶臼岳の山腹にある源泉を御神体とする「高湯山」と「白湯山」なる信仰があったことをご存じだろうか。山と名に付くものの、どうやらお湯の出る山域そのもののことを指すらしい。那須高原の湯本に鎮座する那須温泉神社から登拝することを高湯山信仰といい、会津側の三斗小屋(跡)から登拝することを白湯山信仰といい、いずれも信仰の源流は同じだそうだ。

ずいぶん昔のことだけれど、湯本の鹿の湯の近くにある那須温泉神社にて高湯山大権現の碑を見たことがあり、気になって調べたのだ。茶臼岳に登って三斗小屋温泉に泊まることがなければ、その意味を知ることはなかったかもしれない。そう考えると、登山とは学びの手段としてとても優れた行為だなと、ぼくは思う。

■自分の足で登るもよし、ロープウェイでもよし!

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峠の茶屋駐車場からの登山道。序盤は緑の濃い樹林だが、ほどなく森林限界を超える

那須岳は、綺麗なトイレの備わった「峠の茶屋駐車場」から茶臼岳を目指して登るルート取りが、もっともポピュラーだ。スタートから「峰の茶屋跡避難小屋」まで1時間弱、さらに小一時間で茶臼岳の山頂まで到達することができる。よく整備されており、道を間違えるリスクは低い。とはいえ、天候が急変しやすい山域なので、地図はもちろん登山用の装備は必要だ。

ロープウェイを利用する場合でも、山頂直下の駅から茶臼岳山頂までは少なくとも30分強の登りが待っている。背後に広がる関東平野の絶景に励まされながら、一歩一歩着実に登っていきたい。

もし三斗小屋温泉に寄り道するのなら、山頂を経由せずに牛ヶ首に向かい、姥ヶ平を経て片道90分ほど歩くコースもよい。煙草屋の露天風呂で日帰り湯を楽しむファンも多いそうだし、チャレンジしてみてもいいだろう。

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ロープウェイを使うのも選択肢

日帰りにしても宿泊にしても、下山したら那須高原でお土産を物色したり、黒磯周辺で買い物を楽しんだりと、寄り道ネタには困らない。

そうそう、手軽ではあるものの活火山には違いないので、ロープウェイ駅で入手できる最新情報には注意を払っておこう。個人的には、出発前に那須ロープウェイのツイッターアカウントをチェックすることをおすすめする。“中の人”の楽しいつぶやきが旅気分をあげてくれる。

<低山トラベラー厳選。那須岳周辺の立ち寄るべきスポット>
・【ツイッター】@nasuropewayのTwitterで最新情報をチェック
・【1泊】三斗小屋温泉煙草屋ならテント泊が◎。大黒屋ならのんびり旅館ステイ
・【温泉】麓の立ち寄り湯は鹿の湯が鉄板だけど、北温泉も好き。IC近くの那須山温泉も◎
・【買い物】黒磯の「リュネッツ」は必ず立ち寄りたいアウトドアショップ
・【コーヒー】黒磯エリアは「SHOZO COFFEE」をはじめ、いいカフェの激戦区!
・【定食】がっつりいくなら「こまつや」で、おなかいっぱいの定食を!

【地図】歩いたものだけが辿り着ける秘湯「三斗小屋温泉」の場所

大内 征

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