女性の年金「ひとりで月15万円超」の人はどれ程いるの?

女性の年金「ひとりで月15万円超」の人はどれ程いるの?

  • LIMO
  • 更新日:2021/10/14
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いきなりですが、男性の厚生年金の平均受給額は16万4770円です。それに対し、女性の平均受給額は10万3159円。

女性の働き方も多様化してきている昨今。

例えば、従来女性の少なかった保安職(自衛官,警察官等,消防員)の女性割合についても、昭和60年と平成22年を比較すると、自衛官は2.1%から6.0%、警察官は3.1%から7.5%、消防員は0.5%から1.8%へと増加しているというデータもあり、多様な分野で女性が活躍していることがわかります。(※内閣府「男女共同参画白書 平成28年版」)

そんなデータを単純にふまえると、男性と同じような立場で仕事をし、収入面でも男性と肩を並べる女性も増えてきているのではないでしょうか。

ちなみに「いまの給与収入」は「老後の収入」となる年金受給額に大きく影響します。厚生年金に加入するサラリーマンの場合、現役時代の給与収入が多ければ、老後の年金収入も上がるということです。

【関連記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合

冒頭にお伝えした、厚生年金の平均受給額ですが、男性と同程度の厚生年金額を受給できる女性はどれくらいいるのか気になるところですね。

私は以前、生命保険会社に勤務しファイナンシャルプランナーとして多くのみなさんのお金にまつわる相談を受けてきました。その経験もふまえ、今のシニア世代のデータを参考に、女性の年金受給額事情を紐解きながら、老後へのお金の備え方についてお話したいと思います。

年金制度のしくみ

まずは、日本の年金制度のしくみについておさらいしていきましょう。

2階建ての公的年金制度

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厚生年金は、老後の年金も「2階建て」で受給

国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳の人を加入対象としています。

年金保険料は定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)をとっており、20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れます。納付期間が足りない場合はその割合を満額から差し引く計算方式をとっています。

一方、厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。

そのため、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額に大きく響くしくみなのです。

上記のことから、日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれています。

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国民年金「みんなの受給額はどのくらい?」

参考までに、1階部分にあたる、国民年金の平均受給額を確認します。

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」から、年金受給額を詳しく見ていきます。

国民年金(基礎年金)の月額平均は5万円台

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全体的に少なめです。

国民年金・平均年金月額全体…5万5946円(男性…5万8866円・女性…5万3699円)

国民年金【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数~1万円未満…1万2693人・1万円以上~2万円未満…6万803人・2万円以上~3万円未満…22万1983人3万円以上~4万円未満…70万6206人・4万円以上~5万円未満…134万5582人・5万円以上~6万円未満…312万4529人6万円以上~7万円未満…849万4551人・7万円以上…38万1323人

国民年金【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数~1万円未満…6万6247人・1万円以上~2万円未満…24万4695人・2万円以上~3万円未満…74万63人3万円以上~4万円未満…226万4161人・4万円以上~5万円未満…336万406人・5万円以上~6万円未満…454万1337人6万円以上~7万円未満…598万7227人・7万円以上…144万306人

国民年金の受給額にはさほど男女差はないようです。

これは前述したように、納付期間に応じて未納分を満額から差引く計算方式をとっているためと考えます。

厚生年金「みんなの受給額はどのくらい?」

では、ここからが本題です。同資料から、厚生年金保険(第1号)の年金月額をみていきましょう。

※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、基礎年金(国民年金)部分を含みます。

民間企業の会社員が受け取る「厚生年金」受給額事情

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男女差・個人差がかなり大きいようです

厚生年金保険(第1号)平均年金月額全体…14万4268円(男子…16万4770円・女子…10万3159円)

厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人30万円以上:1万7626人

厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人30万円以上:379人

平均受給額の男女差は約6万円。この差は非常に大きく感じますね。

女性に特化して見ていくと、厚生年金受給額のボリュームゾーンは「5万~10万円未満」。そして約半数が「10万円未満」となっています。

男性の平均受給額並の15万円以上を受給する割合は、女性全体の約10%という結果となりました。ちなみに男性の15万円以上受給の割合は男性全体の約65%です。

やはり、今のシニア世代でみると結婚や出産、育児などで家庭に入る可能性の高い女性の受給額が低くなっていると考えられるでしょう。

働き方が多様化してきているとは言え、仕事と家庭とのバランスをとっていくことはまだまだ課題も多いようです。

「仕事」と「家庭」のどちらか一方を選ぶ、もしくは選ばざるを得ないケースもあると考えると、現在のシニア世代の数字を参考にしてみるのもよさそうですね。

まずは年金額の確認を

ここまで、厚生年金と国民年金の受給額をみてきました。

男女問わずして、いざ年金を受取るタイミングで「こんなはずじゃなかったのに…」とならないように、ねんきん定期便やねんきんネットなどを活用し、「今から」年金額を確認することをおすすめします。

公的な年金だけに頼らず、自助努力で「今から」準備できれば、安心してセカンドライフを迎えることができるでしょう。

ただ、銀行などの預貯金だけでは、どれだけ時間があっても、効率よくお金を増やしていくことは難しい時代となっています。

そこで皆さんに検討いただきたいこと。それは、お金にも働いてもらう=資産運用を活用してみることです。

資産運用には「長期・分散・積立」という3つのキーワードがあります。

貯蓄とは異なり、資産運用には元本保証はありません。そのため、集中的に投資をするのではなく、リスクを分散しながら積立を長期間で行えるかどうかがカギを握ります。

つまり、時間を味方にできれば、資産運用の結果も期待できる可能性が高まるといえるかもしれませんね。

老後のお金は自分でつくる

金融商品や資産運用には様々なものがあります。また、効率よくお金を育てていくためには、その中からご自身に合うものを見極める目が必要となるでしょう。

投資初心者の方の場合は、まずは情報収集からスタートしてみましょう。リスクやメリットをしっかり理解したうえで、資産運用のはじめの一歩を踏み出せるとよいですね。

自由気ままな退職後のセカンドライフを過ごすために、「お金の育て方」を見つけていきませんか?

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参考資料

内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 平成28年度版」

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」

熊谷良子(LIMO)厚生年金「ひとりで月20万円超」の女性はどれ程いるの?

吉田 奈都子

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