日本百名月に気比神宮 市街地活性化の起爆剤に

  • 福井新聞ONLINE
  • 更新日:2021/11/25

【論説】日本各地から見ることができる美しい名月の魅力を国内外の観光客にアピールする「日本百名月」に、福井県内では初めて敦賀市の気比神宮が選ばれた。登録名は「氣比神宮にのぼる月」。認定第61号の登録で、2024年春の北陸新幹線敦賀開業を控え、夜間観光の目玉の一つとして、知名度アップを図ってもらいたい。

「日本百名月プロジェクト」として一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローなどが16年から認定。月の魅力を観光視点から捉え、今後100年続く新たなブランドとしての確立を目指すものだ。

魅力ある名月を夜間も安全に楽しめる場所・観光施設であること、選出された場所・施設における運営管理主体が明確であることなど、一定基準の基に認定登録する。国内の名月観賞地をまとめた試みは日本初のプロジェクトで、主催者側は作家・深田久弥の「日本百名山」の名月版と自信をのぞかせる。

認定登録第1号は「宇奈月の月」(富山県黒部市)。温泉地として有名で冬の時期に名月が望める地としての魅力を発信しようと地元では名月をテーマとした夜間イベントを展開しているという。登録第2号からは「宇治の月」(京都府宇治市)、「藻岩山から望む月」(札幌市)、「稲佐山から望む月」(長崎市)と続く。市街地のネオンなどと月を重ね、写真映えする夜景をPRしている。

中でも登録9号の「あべのハルカスから望む月」(大阪市)は面白い。超高層ビルの360度見渡せる展望台は、一年中楽しめることから名月観賞としては最適なポイントで、大阪都市部の大パノラマとの競演は現代を象徴する夜景の一つといえる。

敦賀市中心部にある気比神宮の国指定重要文化財(重文)の大鳥居は日本三大木造大鳥居の一つ。松尾芭蕉ゆかりの地としても知られており、芭蕉像と句碑も建立されている。1689年には「おくのほそ道」の旅で参拝し「月清し遊行のもてる砂の上」と詠むなど名月との関わりは深い。

日本百名月のホームページでは、地元の人々からは親しみを込めて「けひさん」と呼ばれているなどと紹介。月光により神々しく照らされる気比神宮が見どころで、芭蕉も眺めたであろう景色を今に伝えていると評価している。

敦賀商工会議所などは早速、日本百名月認定を祝い、気比神宮の大鳥居からの参道沿いにガラス灯籠を設置して参拝客を境内へと導く演出で記念イベントを実施。敦賀観光協会も好機と捉え、関連催しを検討している。今後、観光客誘致と市街地活性化の起爆剤となりえる可能性もあり、注目していきたい。

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