「ツール・ド・北海道」死亡事故、協会が初めて会見して謝罪も「事故車が入った時間などは調査中...今後の安全対策は第三者を含めたチームで検討」

「ツール・ド・北海道」死亡事故、協会が初めて会見して謝罪も「事故車が入った時間などは調査中...今後の安全対策は第三者を含めたチームで検討」

  • HBCニュース
  • 更新日:2023/10/02
No image

自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」の死亡事故は、発生から10日余り…大会を主催、運営する協会は19日午後、初めて会見したものの「事故車がコースに入った時間などは調査中」とし、今後の安全対策などは「第三者を含めた検討チームで進める」と説明するにとどまりました。

8日午前11時37分ごろ、上富良野町の道道で、国内最大規模の自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」に出場していた中央大学の4年生、五十嵐洸太(いからし・こうた)さん21歳が反対車線の乗用車と正面衝突し、死亡しました。

この事故を受け、今年(8~10日)は、37回目となる大会史上、初めて中止となりました。

警察によりますと、現場はカーブが連続する片側1車線の山間路で、自転車の走行車線は、警察が公式に規制、乗用車が走行の反対車線は、大会側で警備、規制していました。

また、大会を主催、運営する公益財団法人「ツール・ド・北海道協会」は、現場のコースについて「監督会議などで反対車線への自転車のはみ出しを禁止していた上、反対車線は車両の通行を規制していた」と説明してきました。

現場のコースの通行規制は、午前10時40分~午前11時45分…その後の警察の調べで、事故は、通行規制の時間内だったものの、規制終了が迫る中で発生していたことが特定されました。

・警察への通報 午前11時51分
・消防への通報 午前11時43分
・事故発生 午前11時37分

五十嵐選手の自転車と衝突した乗用車を運転の63歳の男性は、警察に対し「(コース内にある)吹上温泉に向かうため、規制前だったので、そのまま通行した。現場近くの駐車場で、レースを見た」などと話しているということです。

事故発生から、10日余り…協会の山本隆幸理事長らが19日午後、初めて会見し、これまでの調査結果などを下記のように説明しました。

<冒頭 山本理事長>
「五十嵐選手のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げます」
「多くの皆様にご心配、ご迷惑をおかけしたこともお詫びを申し上げます」
「誠に申し訳ございませんでした」
「今、原因、聴き取りをしています。それらを進めて、今後の安全対策に向けては、第三者を含めた検討チームを結成します」

Q.事故発生は規制時間内?
「はい」

Q.事故車がコースに入った時間は?
「まだ確認していません」

Q.事故車以外にコースに入った車は?
「その点につきましても現在、調査中です」

Q.選手団の前にバイクなどでの先導もあったと思うが、車両の侵入に気づけなかった?
「通常、この区間でなくても隊列の前に先導する車両、あるいはバイクが走りながら『1番先頭で選手が参ります、よろしくお願いします』というような広報をやっています」
「一般的には、対向車に気がつけば『後ろから来ますよ』というアピールはしてきている」

Q.それでも気づくことはできなかった?
「調査中です」

Q.進入車を発見した場合は、どう対応する予定だった?
「早い時間にコースの中に入って応援していただいてる皆さんがいれば『選手の集団が来ますので』とお伝えしながら走っております」

Q.事故にあった選手の出場歴は?
「初めて」

Q.今回のコースは、これまでの大会でも使用?
「直前では、2019年。それ以前も使っていた」

Q.反対車線での走行は控えるような指示は?
「片側走行を原則としていた。どんな場合も片側で通行」

Q.実際に走る選手への大会ルールの説明や資料配布は?
「チームの参加の打診をしている段階からしている」
「前日の説明でもしている」

Q.反対車線にはみ出しての追い越しなどは常態化?認識ある?
「基本的には片側を走る」
「完全にゼロとは言えない。隊列の中で」

Q.大会を重ねるごとに、各集団につくバイクの台数や看板の減少などが見られるという指摘は?
「毎年、毎年、大会後に事後の検討、反省をしている」
「走る状況に対して強化してきたし、リードビークルなども入れた」

Q.去年、鹿児島で死亡事故…審判団との話し合いなどは?
「お互いの情報伝達を確認していた」

Q.UCI=国際自転車競技連合の規定では、ロードレースの場合、全ての一般車両通行を止めるべきの明文あるが?
「500キロもの長い区間を使うので、必要なところに規制など、UCIの中で認められている」

Q.追い越しのペナルティは?
「設けてない。一般的なペナルティない」

Q.チームの中で、反対車線にはみ出して良いの指示はあったのか?
「今回の選手が追い越しに伴う事故だったのかは、わかっていない」

Q.先導する車両は気づかなかったのか?
「先導車両が気づけば、必要な処置をしている」
「当日どうだったかは、調査中」

Q.追い越そうとした選手は何人?
「追い越しをしてたのかどうかは、わかっていない」

Q.大会側の過失の程度は、どう考えている?
「そこも含めて検討、調査している」

Q選手から「危険性がある」という声を聞いたことは?
「聞いたことがない」

この事故をめぐっては、警察も、五十嵐選手が反対車線に出た状況、協会の安全対策の問題など、事故の実態解明をすすめる方針ですが、幹部は「かなり時間がかかる」などの認識を示しています。

HBC北海道放送

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加