
Apple Pencilは、ふだんからペン先が露出したままになっているため、持ち歩きにあたっては痛むことがないか気を使います。キャップをするほどではなくとも、何らかの保護機構が欲しいと感じる人も少なくないのではないでしょうか。
今回紹介するエレコムの「TB-APE2KCWH」は、第2世代Apple Pencilをノック式のボールペンのように使えるようにするユニークなハードケースです。

製品パッケージ。ホワイトのほかブラックもラインナップ

本体。Apple Pencilをまるごと収納するためかなり巨大

側面がスライスされて中が見えるのが特徴

90度回すとノック式のボールペンとそっくり
本体は、中身のないノック式ボールペンといった体裁。後部のレバーを外して内蔵のスプリングを取り出し、中にApple Pencilを入れたあと、元通りに組み立て直せば完成です。
ふだんはApple Pencilの先端が、本体に収納された状態になっていますが、後部のキャップを押し込むことによって、Apple Pencilが前方へとスライドし、ペン先が露出した状態になります。使い終わったらレバーを押してストッパーを解除することで、ペン先が引っ込む仕組みです。これならば、バッグなどに入れてもペン先が傷つくことなく、またペン先によってほかの荷物が傷つく心配もありません。
ボディには滑り止めのグリップが搭載されており、Apple Pencilのホールド感を上げることができます。Apple Pencilが細くて持ちにくいという理由で、ふだんから持ち手の部分にテープを何重にも巻くなどしている人にとっては、本製品を導入することで持ちやすさも改善され、一石二鳥と言えます。

分解した状態。下に並べているのが第2世代Apple Pencil

後部からApple Pencilを挿入してキャップをかぶせる

完成。見た目にはノック式のボールペンそのもの

側面がスライスされておりグリップの一部が露出する

使用中はApple Pencilのペン先が露出した状態になる

未使用時はこのようにペン先が引っ込んで保護される

後方から見たところ。ここを押し込むとペン先が露出する

ホルダー部の後部を押し込むとペン先が引っ込む仕組み
このように、Apple Pencilの保護性能を高めるのに最適な本製品ですが、実際に使った限り、気になる点は2つあります。
ひとつはやや重量があること。本製品自体は限りなく軽量なのですが、それでもApple Pencilと合わせると32gと、Apple Pencil単体(18g)の約2倍の重量になります。これまでボールペンだったのがサインペンに変わるイメージと言えばわかりやすいかもしれません。重心も先端寄りではなくやや後方寄りなので、どうしても好き嫌いは出そうです。

Apple Pencil単体だと18g

本製品をセットした状態では32gとほぼ倍増する
もうひとつは、iPadの保護ケースによっては、充電が行えないことです。本製品は側面がスライスされた形状になっており、そのままiPadの側面に吸着させて充電が行えるのですが、これはあくまでiPadがケース無しの状態での話。サードパーティ製品によくある、iPadの側面まで覆ってしまう保護ケースを取り付けた状態では、iPadに吸着させられず、充電が行えません。
Apple Pencilのペン先の保護に気を使う人が、iPad本体を保護ケースに入れずに裸で使っていることは考えにくく、場合によっては保護ケースを探し直さなくてはならなくなる可能性はあります。Apple純正のSmart Folioのように、保護するのは表裏のみで側面は空いたままのケースならばおそらく大丈夫と考えられますが、このあたりは製品の性質上やむをえない部分で、どうしても引っ掛かります。

iPad Airがケース無なら吸着させての充電が可能

ケース有の状態だと後部が浮いて充電できないことも
以上のように、メリットが十分にありつつも、またデメリットも少なからずあり、特に手持ちの保護ケースによって、評価は大きく影響されるイメージです。
Apple Pencilをこまめに出し入れするのが難しい構造ということで、充電する時だけ本製品から取り出すのも現実的ではありません。本製品とともに使い続けられるiPad用の保護ケースを見つけられるか否かで、製品の評価は大きく変わってくると言えそうです。
DATA
製品名:TB-APE2KCWH
実売価格:2,231円
発売元:エレコム
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CC8KXJTX/