徳川慶喜「長寿」の秘訣は引退後のストレス解消? 「子だくさん」「在位期間」など徳川家解剖!

徳川慶喜「長寿」の秘訣は引退後のストレス解消? 「子だくさん」「在位期間」など徳川家解剖!

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  • 更新日:2021/05/03
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イラスト/さとうただし

江戸に幕府を開いた徳川家康以来、幕末の慶喜に至るまで計15人の将軍を生んだ。ここでは週刊朝日ムック「歴史道 Vol.14」から、歴史研究家の河合敦さんが「長寿&早逝」「在位期間」「子だくさん」などで徹底評価。ベスト3とワースト3は?

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【長寿&早逝将軍は誰だ?】

慶喜(享年77)は31歳で将軍を引退しストレスが解消されたこと、ミルクや豚肉など洋食が大好きで、狩猟やサイクリングで身体を動かしたのが長寿の秘訣かも。家康(享年75)は鷹狩や乗馬など運動を好み、粗食で温かい食べ物を好み、自分で調合した薬を飲むなど健康に留意したのが長生きの要因だろう。家斉(享年69)が風邪も引かず健康で性豪だったのは、オットセイの陰茎でつくった薬のお陰かも……。

家継(享年8)は、兄3人も夭折しているので、遺伝的に身体が弱かったのかも。肺炎にかかり、あっけなく死去してしまった。家茂(享年21)は、ビタミンB不足から脚気 で死んだというが、大の甘党でほとんどの歯が虫歯だというから、食生活に偏りがあった可能性がある。家定(享年35)は生まれたときから病弱で、身体が常に震えていたといわれ、先天的に何らかの障害があり、健康を害していたようだ。

【在位期間ベスト&ワースト3】

長州軍に敗れる危機的状況で将軍となった慶喜は、幕政改革で復権を目指すが、後援者の孝明天皇が急死したこともあり、倒幕運動を抑えきれずに1年で政権を投げ出した。家康(在位2年2カ月)は政権の世襲を示すため、あえて短期間で息子に職を譲っただけで、その後も大御所として権力を握り続けた。江戸時代は伝染病で死ぬ幼児は多く、家継の在職期間(在位3年)の短さはやむを得ないだろう。

家斉(在位50年)は15歳で将軍に就任し、松平定信に政治を一任したが、大人になると定信と対立して罷免。以後は放漫政治を進め、大御所になっても権力を握り退廃的な世相をもたらした。御三家から将軍になった吉宗(在位29年1カ月)はリーダーシップを発揮し、長期間の改革で財政再建に成功。家綱(在位28年9カ月)は幼くして将軍になったので在位が長いだけ。何もせず無能で、政治が安定したのは家臣のおかげ。

【若くして&高齢で就任したベスト3】

兄3人が夭折し父も51歳で死去したため、家継(5歳)は幼くして将軍に。家綱(11歳)は家光が38歳で得た待望の男児。すぐに跡継ぎとなり5歳で元服、病弱な家光が48歳で死ぬと11歳で将軍職を継承した。自分を推す一派が慶喜との後継争いを制し、家茂(13歳)は紀伊家から宗家を継いだ。

家康(62歳)は、苦労と我慢を重ね、還暦を過ぎてようやく江戸に幕府(武士政権)を開いた。家宣(48歳)は、伯父の綱吉が世嗣ぎの誕生に期待してなかなか将軍職を譲らず、襲封が遅れた。家慶(45歳)は父の家斉が若くして(21歳の時)できた子なので、結果として将軍就任が45歳となった。

【子だくさんベスト3】

家斉(55人)は驚異的な数の子どもを強引に大名の養子や嫁に入れ、大藩の多くは家斉の血筋に変わった。家慶(27人)はこれだけ多くの子に恵まれながら、成人したのは2人だけ。子を沢山つくった家康(18人)だが、関ヶ原合戦後に誕生した3人は御三家の祖となり、政権の長期化に貢献。

【側室の人数ベスト3】

側室数ダントツの家斉(40人)に寵愛されたお美代はやりたい放題で、重臣もその顔色を窺った。家康(15人)は子孫を残すため経産婦の後家を多く側室に抱えたが、晩年は10代の若い側室が増えた。女性に興味がなかった家光(7人)だが、晩年は多くの側室を抱え、立て続けに男児を産ませた。

【大御所として政務をとったベスト3】

家康(11年)が短期間で秀忠に将軍職を譲ったのは徳川政権の永続を誇示するため。しかし大御所として死ぬまで権力を手放さず。秀忠(9年)も父を模倣し、家光に将軍を譲り、大御所として君臨した。家康を崇拝していた吉宗(6年)も大御所政治をしようとしたが、中風発作のため十分には実行できず。

◎監修・文

河合 敦/1965年東京都生まれ。歴史研究家。青山学院大学文学部史学科卒業。早稲田大学大学院修士課程(日本史専攻)修了。多摩大学客員教授。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)他、テレビ出演多数。最新刊『逆転無罪!日本史をザワつかせた悪人たち』(KAWADE夢文庫)他、『禁断の江戸史 教科書に載らない江戸の事件簿』(扶桑社新書)、『殿様は「明治」をどう生きたのか』(扶桑社BOOKS文庫)、『繰り返す日本史 二千年を貫く五つの法則』(青春新書)など著書多数。

河合敦

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