
無意識さんの力でぐっすり眠れる本
著者:大嶋信頼
出版社: (ダイヤモンド社)
価格:1400円
出版日:2023/06/27
レビュー
これは世にも不思議な本である。読んでいるうちに、なんだか眠くなってしまうのだ。
良質な睡眠を得るための指南書は多くある。よく聞かれる方法は、「寝る前にスマホを見ない」とか、「朝起きたらすぐに朝日を浴びる」「適度な運動をする」など、人間の身体的な仕組みに注目したアプローチだ。ところが本書では、眠りに心理学的な視点からアプローチする。なんと、自分に催眠をかけるというのだ。
「催眠術」と聞くとなんだか怪しいものを思い浮かべるかもしれないが、心理カウンセラーである著者によれば、催眠はれっきとした心理療法のひとつである。
本書によれば、人間には「意識」と「無意識」がある。私たちは意識的に生活しているつもりになっているが、呼吸をしたりまばたきをしたりなど、実は無意識の行動がとても多い。睡眠も無意識に行われる行為のひとつだ。
不安なことがあると、私たちは「自分でなんとかしなければ」と、意識を使って解決しようとする。すると、考えすぎてどんどん眠れなくなってしまう。意識を手放して無意識に身を委ねることで、ぐっすり眠ることができ、さらには不安や人間関係など抱えている問題の解消にもつながるのだというのが本書の主張だ。
本書では無意識を働かせるための「暗示フレーズ」や、「意識的に無意識を働かせる」テクニックなどが紹介されている。眠りに悩んでいる人は、だまされたと思ってぜひ一度試してほしい。驚くほど簡単に意識を手放すことができ、深い眠りへと誘われるだろう。
本書の要点
人間には「意識」と「無意識」がある。睡眠は無意識に行われることだ。ところが、眠れないと意識的に何とかしようとしてしまう。すると、無意識がさらに働きにくくなり、眠れなくなってしまう。
眠っている間に、無意識によって記憶や感情が適切に整理される。嫌なことや不安なことがあっても、ぐっすり眠りさえすれば、無意識がすべて解決してくれる。無意識に身を委ねれば、問題は自動的にすべて解決する。
無意識を働かせよく眠るためには、「暗示フレーズ」や「意識的に無意識を働かせる」テクニックが有効である。
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千葉佳奈美/フライヤー