
集中力が高まり、処理能力が上がり、先延ばしがなくなる……。そんな「要領がいい人」になれたらと、誰しも思うものだろう。ビジネスパーソンのメンタルケアの専門家で、著書に『努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』がある菅原洋平氏は、自分の「作業の走力」を把握することがきわめて重要だと指摘する。「作業の走力」とはどういうことか? 菅原氏にくわしく解説してもらった。
締め切りを決めても守れない人は……
「自分が決めた日までに作業を終えることができません。締め切りを設けることが大事だと聞いてから、できるだけ自分で締め切りを決めるようにしているんですけど、守れたためしがないんです」(20代男性)

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ゴールに向かって実行するには、「締め切りを設ける」ことが有効です。
ゴールが明確になり、いま自分がどの地点にいて、どのくらいのペースで作業しなければならないのかがわかります。
ただ、この男性のように、締め切りを設けても守れない場合があります。
原因は、「締め切りまでの道のりが遠すぎるから」。
予測は、時間のスパンが長いほど難しくなります。
たとえば、フルマラソンを走るとしても、ゴール地点のタイムだけを設定して走ったりはしませんよね。5km、10km、20km、30kmなど細かく目標タイムを設定し、ペース調整をするはずです。
自分の「作業の走力」を把握しよう
締め切りを決めるときも、これと同じ。まずは、「自分の作業の走力」を知ることから始めましょう。
「作業の走力」を把握することで、所要時間の見積もり精度が高くなります。

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「スケジュールどおりに終わらず、本当はやるはずだった作業を先延ばししてしまった……」という事態を避けられます。
みなさんも、「5分でなにができるのか」「30分でどのくらいのことができるのか」という短距離、中距離、長距離の走力を測ってみてください。
【調べてみよう!】
・5分で終わる作業……スケジュール確認
・10分で終わる作業……メールチェック
・30分で終わる作業……ブログ執筆
※人それぞれなので実際に測ってみましょう。
スキマ時間を有効に使えるようになる
また、「作業の走力」がわかれば、空いた時間にピッタリはまるものを選ぶことができます。

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たとえば、パソコンのデスクトップがアイコンで散らかっている人、多いのではないでしょうか? いまは使わないフォルダ、作成途中のファイル……デスクトップ上が散らかっていると、必要なものを探すときに時間がかかりますよね。
とはいえ、整理しようと思っても「なんか面倒だから、また今度でいいや」と先延ばししがちです。
でも、いざ実践してみれば、想像以上に短時間で終わらせられるかもしれません。実際、私の担当編集者が打ち合わせ前にデスクトップを整理してみたところ、2分できれいになったそうです。
2分でできることがわかれば、だいぶ精神的なハードルが低くなりますよね。ちょっとした隙間時間ができたときも、「あっ、この時間にデスクトップを整理しておこう!」と思えるはずです。
「時間がかかりそう」「面倒くさそう」と思って手をつけていない作業は、まず時間を測ってみましょう。
それだけで「意外とすぐに終わること」がわかり、「だったら、○分空いたからこれをやろう」と気持ちが変わるかもしれません。
