オリンピックが無観客試合になるとファンのエンゲージメントにどう影響する?

オリンピックが無観客試合になるとファンのエンゲージメントにどう影響する?

  • @DIME
  • 更新日:2021/06/12
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ニールセン デジタル「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2021 Vol.3」

東京オリンピック・パラリンピックの開幕が間近に迫っている。本当に予定通りに開催されるのかなど、不確定要素が多いことから、どのようなスタンスで楽しんだら良いかわからない人も多いのではないだろうか。

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタルではこのほど、視聴者のスポーツコンテンツに関するメディアと広告の視聴行動と意識に関する調査の第3弾である「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2021 Vol.3」を実施。

本調査では、消費者のスポーツコンテンツ視聴状況や、オリンピック・パラリンピック関心層の無観客試合に対するニーズなどを調べている。詳細は以下の通り。

無観客でも、多くのファンは観戦する

スポーツイベントでは、観客の歓声や掛け合いがないと物足りなく感じてしまう人も多いのではないだろうか。

実際に多くのスポーツで、「ファンがいない風景が寂しかった」、「応援の音・声がなくて寂しかった」と感じる人も多く、各スポーツの無観客や縮小された試合をメディアなどを通して観戦した約20%の人は、試合が無観客/縮小されたことが要因で、以前に比べて観戦頻度が減っていたことがわかった。

一方で、無観客試合を観戦した人の中には、打球音や選手の声が聞けることを新鮮に感じたり、選手のプレイに集中できたりと、新しい楽しみ方の発見もあり、多くは無観客であっても観戦し続ける意向があることもわかった。

実際に過去1年に、インターネット利用者の32%が無観客、または縮小して実施された試合をメディアなどを通して観戦しており、観戦者数上位3つのスポーツを見ると、観戦者の約80%が、観戦頻度は変わらない、もしくは増えたと回答していた(図表1)。

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では、オリンピック・パラリンピックにとってこれは何を意味するのだろうか。

今年のオリンピック・パラリンピックがどのように開催されるのかは定かではないが、来日予定だった海外のファンは入国できなくなり、多くの人は旅行することに対してまだ不安を持っていることから、過去と比べると縮小された大会になることは間違いないだろう。

そのような中、オリンピック・パラリンピックが無観客で開催された場合、インターネット利用者の83%、スポーツ関心層の81%の人が「大会への関心は変わらない、もしくは高まる」と回答しており、共に高い水準となっていた(図表2)。

スタンドが無観客になった場合でも、他の多くのスポーツイベントと同様に、オリンピック・パラリンピックはファンからのサポートが期待できるのではないだろうか。

ソーシャルディスタンスが推奨されている中で、今までとは異なる形の応援が定着しつつあり、今まで通りの楽しみ方ができないからこそ、数多くのファンは従来のテレビを始めとするメディアでの観戦に加え、自身のニーズに合わせた観戦ができるデジタルコンテンツに観戦スタイルをシフトしていく可能性が高いだろう。コンテンツを提供する企業としては、ファンのデジタル体験を最適化する施策を検討することが重要になる。

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デジタルでファンのエンゲージメントを高める

ファンの熱心な歓声が響き渡る大会とそうでない大会の観戦の体験は、大きく異なる。ファンの多くが、無観客で実施される大会に対して興味が変わらない、もしくは増加すると答えた一方で、一部の人では大会が無観客で実施された場合には興味が減る可能性もある。それらのファンのエンゲージメントを維持するには、無観客試合にファンが何を期待しているかを理解することが重要だ。

ファンの無観客試合に対してのニーズは、様々なスポーツを通して共通している。オリンピック・パラリンピック関心層の29%が、「好きなカメラアングルを選んで観ることができる」ことで無観客観戦をより楽しむことができると回答していた。

次いで多かったのは、「打球音や選手の声が強調される」で19%、「応援音声あり・なしを選んで観ることができる」で16%となっており、ファンはカスタマイズされた体験を重要視していることがわかる。オリンピック・パラリンピックが無観客で実施された場合、コンテンツを提供する企業としては、オリンピックコンテンツの配信に対する制限が多く、カスタマイズできる余地が限られている中で、なるべくファンの期待に応えることが重要になる。

デジタル上のコンテンツは、ファンが何をどこで観るか、誰と共有するかなど、自身で選択することが可能だ。そのため、試合の最初から最後まで全部観るのか、一部だけを観戦するのか、それとも観戦はせず結果だけを確認するかなど、自身に最も都合の良い内容とタイミングを選択し視聴することを、デジタルは可能にする。デジタルコンテンツとしての展開は、ファンに寄り添い、期待に応じたコンテンツを提供するための一つの鍵となるだろう。

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ニールセン デジタルのアナリスト・コヴァリョヴァ・ソフィヤ氏は、次のように述べている。

「オリンピック・パラリンピックは、世界中から人々が集まり、コミュニケーションを取り、交流することを目的とする人も多いですが、今年の大会は大きく異なるものとなるでしょう。健康や安全に対する不安要素が多く、対面でのアクティビティの多くが制限されている中で開催されるオリンピック・パラリンピックでは観戦だけでなく、ファン同士の交流もオンラインにシフトするでしょう。コンテンツを提供する企業としては、ファンのニーズのシフトを把握・理解し、エンゲージメントを維持するためにファンの期待に応えるコンテンツを提供することが不可欠となるでしょう。」

出典元:ニールセン デジタル株式会社
https://www.netratings.co.jp/

構成/こじへい

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