料理研究家・村上祥子さん(80才)が暮らす小さくても快適な住まい5つのポイント

料理研究家・村上祥子さん(80才)が暮らす小さくても快適な住まい5つのポイント

  • 介護ポストセブン
  • 更新日:2022/08/06

“家の大きさは富の象徴”といわれたのは昔のこと。「子供が独立して夫婦だけの生活になった」「年をとって足腰が弱ったときに、いまの家は持て余してしまうかもしれない」などの理由で、「老後はコンパクトな家に住みたい」と考える人が増えている。そんな中、“広い家に住んでいる”と思われがちな有名人にも、いち早く小さな家に住み替えて快適に暮らす人が多い。料理研究家の村上祥子さん(80)もそのひとり。「仕事に精を出すなら住まいは狭く」という村上さんに、お話を聞きました。

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料理研究家の村上祥子さん(80)のお住まい。居住スペースは6畳のキッチンと寝室のみとコンパクト

シニア世代は平屋か、マンション住まいが理想

「理想の住まい」の調査結果を見ると、ワンフロアで暮らしが完結する平屋やマンションに50~60代の関心が高まっているのがわかる。

同調査によると平屋を選んだ理由として、「階段の上下移動がない」(51.8%)、「ワンフロアで生活できる」(49.2%)、「コンパクトな間取り」(38.7%)が挙げられた。

■理想の住まい(世代別)

平屋(1階建て)/ 戸建て(2階建て以上)/ マンション / その他

30代 16.7%/52.7%/25.9%/4.7%
40代 17.6%/48.3%/29.2%/4.9%
50代 28.8%/25.7%/36.6%/9.0%
60代 27.2%/18.0%/41.7%/13.1%

出典:住環境研究所「平屋住宅に関する調査2016」より

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理想の住まい(世代別)

最近、著名人の間でもその傾向は広がっている。以前は部屋の数が多い豪邸に住んでいたものの、その家を手放し、ワンフロアでコンパクトな間取りに住まいを変える人も少なくない。

60才を過ぎて家をコンパクトにして成功した人たちは、「これからは終活を見据えて、荷物を減らし、住まいを小さくするのがいい」と話す。また、住まいを小さくすることで生まれるメリットとして、「掃除がしやすく、メンテナンスにかかる費用も削減できる」「固定資産税も安くなり、家にかかる経費が抑えられる」「部屋の模様替えがしやすい」「引っ越しをすることで、荷物の整理ができ、身軽になる」などを挙げつつ、「引っ越しや荷物の整理となると、高齢になってから行動を起こすのは体力や気力面で厳しい。早めに着手した方がいい」と口をそろえる。

家をコンパクトにする際、実際にどんなことを考えたのか。料理研究家の村上祥子さんの住まいを紹介しよう。

村上祥子さん「6畳のキッチンと寝室のみ、無駄な家事から解放されました」

村上祥子さん(80才)が住まいをコンパクトにしようと考えたのは65才の頃だ。

「ちょうど3人の子供たちが独立し、夫婦ふたりだけになり、居住スペースを縮小した方が便利になるだろうと考えたのです」(村上さん・以下同)

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料理研究家の村上祥子さん。以前は東京と福岡の2拠点生活をしていた

村上さんは、当時、東京と福岡の2拠点生活をしていた。福岡では3階建ての戸建て住宅に住みながら、仕事のときだけ東京のキッチンスタジオに出向くという、行ったり来たりの生活を長らく続けていた。

「いずれ福岡の家を終の住処にしようと考えていましたし、夫婦ふたりになり、広いキッチンやリビングはいらないと思いました。それで、子供たちの自立を機に、娘が使っていた6畳の部屋をリビングキッチンにリフォームしたのです」

キッチンはシンプルに「見える化」を

キッチンは「とにかくシンプルに」をモットーにした。

「キッチンの収納はすべて“見える化”しています。しまい込んで、“どこにあるかしら?”となると、探す時間がもったいない。そこで、鍋もフライパンもすべて見えるところに出しています。“人生は、探しものの時間がなくなるだけで、3倍有効に使える”と言った人がいますが、まさにそう! 年をとると時間も労力ももったいないですから、必要なものだけを手元に残し、すべて取り出しやすいところに出しておくと、快適ですよ」

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数年前に134Lの冷蔵庫に買い替えた。ストックも見やすくちょうどいい大きさ

新しい暮らし方を始めてから、7年ほど経ったとき、大きな悲しみが村上さんを襲う。2014年に最愛の夫が、80才でこの世を去ったのだ。

「しばらくは喪失感の中で生きていました。ただ生前、夫は私の仕事をいつも応援し、サポートしてくれていたので、『彼がいなくなっても仕事は私の生きがいだから頑張ろう!』と、前を向くことにしました。ちょうどその頃から社会的に潮目が変わり、時代はネット社会に。『これならば福岡だけでも仕事ができる』と、夫が亡くなった翌年、東京にあった家やスタジオを引き払いました」

福岡の自宅を改装し、1階は駐車場、2階は料理教室用のキッチンスタジオに、3階を生活空間にした。

「仕事は2階のキッチンスタジオでしています。私がプライベートな時間を過ごすのは、3階にある6畳のリビングキッチンです」

リビングキッチンの隣には寝室がある。

「寝室にはベッドではなく、お布団を敷いて寝ています。お布団を片付けると寝室も有効的に使えますからね。寝室にトランポリンを置いて、毎朝、お布団を片付けた後、100回くらい跳んで、足腰を鍛えているんですよ」

小さな住まいで家事を減らす

居住スペースを狭くしたことで、家事の時間がカットできたのも利点だともいう。

「掃除は息子夫婦からもらったお掃除ロボット『ルンバ』を使用しています。『ルンバ』はとっても働き者で、時々ドアにぶつかりながら、キコキコ床を掃除してくれます。私は『ルンバ』が掃除できないところを絞った雑巾で拭いています。狭いスペースだから、これで充分。便利なものはありがたく使って、家事の働き方改革をしています。それと、家事の時間が減った分、私は仕事に精を出しています。掃除にしても移動にしても、ムダな動きをしなくても済むので、自分の時間を大切に使うためにも、特にシニアは小さな住まいが正解だと実感しています」

村上祥子さんのこだわりポイント5

コンパクトな住まいにするにあたって、村上さんがこだわったポイント5つを教えてもらいました。

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村上さんのリビングキッチンの配置図。リビングキッチンには、小さな仏壇を置き、朝、「おはよう」と声をかけるのが日課

【1】食器は2個ずつ残し、あとは処分。壊れたら買い足す

「キッチンの壁に棚板を2枚つけ、下の棚にフックをつけて計量カップとマグカップをかけています。小鉢や豆皿、洋皿、タンブラー、ワイングラスは2個ずつ。これですべての料理がまかなえます」(村上さん・以下同)

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キッチンの壁に棚板2枚を取り付けて食器や料理用品をまとめた

【2】対面式キッチンカウンターで“見えるキッチン”に

「リビング全体が見渡せるよう対面式にしています。シンクは幅70cm×奥行き56cmと大きめ。コンロは手入れがしやすいIHクッキングヒーター1つです。これで煮る、炒める、揚げる、のすべてをしています」

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対面式キッチンカウンターはスッキリ!

【3】衣類は年間通して、クローゼットに全30着

「引っ越して以降、繰り返し着ても飽きないことを基準に、洋服は厳選して購入するように。30年前に買ったお気に入りのジャケットは、いまも大切に着ています」

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クローゼットには厳選した全30着だけを収納

【4】リビングキッチンは“おふたりさま用”に改装

夫の生前、子供が独立し、夫婦ふたり暮らしになった際に改装。白い壁を基調とした清潔な空間。食卓、椅子もふたり用。

「いまは、私のおひとりさま用の生活拠点です」

【5】冷蔵庫も高さ113cmと小さめに。冷蔵庫の上のスペースもフル活用

「数年前に134Lの冷蔵庫に買い替えました。その上の電子レンジでいろんな料理を作っています。冷凍庫にはカット済みの野菜、肉、魚を各5セットくらいストックしています」

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冷蔵庫の上のスペースもフル活用

【小さくしたポイント】

●キッチンは夫婦だけのおふたり用に

●道具や食器は最低限のものにする

●コンロは安全なIHクッキングヒーターに

●掃除はお掃除ロボットにお任せ

●寝室はベッドではなく布団を敷いて有効活用

教えてくれた人

料理研究家 村上祥子さん

1942年福岡県生まれ。管理栄養士の資格を持ち、電子レンジ調理やシニア向けの1人分のレシピを考案。現在は福岡女子大学客員教授として教鞭をとる。近著に『村上祥子さんの 食べると生きる 人生最高のレシピ』(PHP研究所)。

取材・文/廉屋友美乃 イラスト/オオノマサフミ *写真はすべてご本人より提供。

※女性セブン2022年8月4日号
https://josei7.com/

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