舞鶴市西部に位置する農漁村エリアの加佐地域でも、昼夜の寒暖差が大きな気候を生かして上質な米や野菜が生産されている山手のロケーション。合計500坪余りの田畑が付く物件は、母屋も離れも比較的コンパクトな間取りで少人数の家族でも暮らしやすい。
日本海に近い山手の農村地域!田畑約500坪付きの古民家4K【京都府舞鶴市】の画像一覧
2023年9月上旬の情報です。
すでに契約済みの場合があります。
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掲載:田舎暮らしの本2023年11月号

近隣に511坪の田畑がある。「万願寺とうがらし」は舞鶴市発祥。上質なものは「万願寺甘とう」(写真:舞鶴市)として出荷されている。
移住者も増えている のどかな山里の古民家

「日当たりのよい開放感あふれる敷地です」と、移住・定住促進課の福田奈帆さん(左)と布川裕子さん(中央)、加佐地域活性化センターの木村奈奈さん(右)。
舞鶴市西部の加佐(かさ)地域は、肥沃(ひよく)な土壌と寒暖差のある気候を生かした農業が盛ん。米のほか舞鶴市発祥の京のブランド産品「万願寺甘とう」や、品評会で高評価の「かぶせ茶」など上質な作物を生産し、新規就農する移住者も多いという。その北部、岡田川最上流域の上漆原(かみうるしばら)地区に、150万円の古民家がある。「山に囲まれた小さな集落ですが、以前から移住者さんの受け入れに積極的です。建物が密集していないので子育て世帯ものびのびと暮らせます」
と、加佐地域活性化センターの木村奈奈(きむらなな)さん。
母屋は東側に和室4部屋、西側に水回りと土間スペースという構成。独立した個室はないものの、離れに和室が1部屋あり、ゲスト用の宿泊部屋や趣味の空間として使えそう。全体に構造や内装の顕著な傷みは見られず、大がかりな改修は不要と思われる。田2筆と畑1筆で511坪の農地は、マイペースで米や野菜を育てるには無理のない広さだ。一方、マイナス点について木村さんはこう説明する。
「冬の積雪が多い傾向にあります。駐車場がない点については、近隣で借りられると思うのでご相談ください」
市街地から離れた山里とはいえ、北側の峠を越えれば宮津市(みやづし)に出られ、新鮮な魚介類が買える漁港へ車で15分ほど。近くには丹後由良海水浴場や神崎(かんざき)海水浴場などもある。

【物件データ】
京都府舞鶴市
150万円
土地:42坪・142㎡
延床:26坪・86㎡
菜園:511坪
改修費補助:最大180万円
●4K●宅地●ひな段地●都市計画区域外●築年数不詳●簡易水洗トイレ●京都縦貫自動車道舞鶴大江ICより約11.9㎞●木造草葺きトタン屋根。2021年11月から空き家。西側に幅約7mの舗装公道。田、畑、山林あり。京都丹後鉄道宮津線栗田(くんだ)駅より約5.5km。スーパーへ約8.5km、小学校へ約11.9㎞、中学校へ約12.3㎞。土砂災害警戒区域(急傾斜)。
●問い合わせ先:舞鶴市役所 移住・定住促進課 ☎️0773-66-1085


「万願寺とうがらし」の栽培がオススメ!

玄関。元馬小屋スペースが併設されているほか、土間が奥へ深く続く。

掘りごたつのある6畳の和室。ここを含めて西側の和室2部屋は天井が高い。

南側にはともに6畳の和室が2部屋。庭に面して掃き出し窓が広く設けられている。

田の字形に配置した伝統的な間取り。

キッチンの隣の土間スペースは昔ながらの炊事場の趣。天窓と太い梁が印象的。

簡素な板張りの床、モルタルとタイル風シートの壁など、シンプルな装いのキッチン。

平屋の離れは築75年。屋根裏倉庫もあり、多目的に活用できる。

離れには床の間付きの和室が1部屋あり、庭に面する縁側付き。

補修が必要
浴室はこぢんまり。内装の状態はそれほど悪くないがボイラーの修理が必要。

周辺環境
加佐地域の医療を支える市立舞鶴市民病院加佐診療所へ車で約10分。同じく車で約10分のところに宮津武田病院もある。
担当者に聞く 舞鶴市平屋物件 Q&A
Q 物件が比較的多い地域は?
A 平屋以外も含めて物件が比較的多いのは加佐地域。平屋もたびたび出てきます。
Q 菜園・農地付き物件は多い?
A 平屋に限定しなければ、空き家バンク物件のおよそ半分が菜園や農地付きです。
Q 平屋物件の価格の目安は?
A 100万~600万円。たいていは補修が必要ですが、特にDIY好きの方に人気です。
担当者に聞く 舞鶴市菜園の楽しみ方
「積雪がある12月~翌2月は耕作できませんが、寒暖差のある気候や清冽(せいれつ)な山水などの環境に恵まれた舞鶴市は、菜園を楽しむには最適です。お米や舞鶴市発祥の『万願寺甘とう』のほか、一般的な野菜もよく育ちます」(木村さん)
移住・定住促進課 福田奈帆(ふくだなほ)さんに聞く! 舞鶴市 オススメスポット&“農”グルメ
見どころも特産品も多種多彩
「海軍ゆかりの『赤れんがパーク』や戦後の歴史を伝える『舞鶴引揚記念館』に加えて、舞鶴湾の絶景が眺められる『五老スカイタワー』もオススメです」と、福田さん。「万願寺甘とう」に代表される農産物、「舞鶴かに」、「丹後とり貝」、岩牡蠣といった海産物のほか、「海自カレー」などのご当地グルメも要注目!

【舞鶴赤れんがパーク】
明治・大正期に築かれた近代化遺産の建造物群を観光施設として活用。(写真:舞鶴市)

【みなと舞鶴ちゃった花火大会】
舞鶴市の夏を象徴する海辺の祭典。今年から花火大会に特化し、市内の東・西地区で毎年交互に開催する。(写真:舞鶴市)

【万願寺甘とうの素焼き】
素焼きにした「万願寺甘とう」は、京の夏のおばんざいとしても人気。(写真:舞鶴市)
舞鶴市移住支援情報
住宅関係を中心に手厚く支援
移住者が空き家バンク物件を購入した場合の改修費補助は、農漁村エリアで最大180万円、まちなかエリアで最大100万円。そのほか「子育て世帯住宅リフォーム等支援事業」、東京圏から移住して就職した場合の移住支援金も実施。子育て中の移住者向け「お試し住宅」は、市がまちなかの空き家を改修して貸し出すもので、空き状況に応じて募集を行う。
問い合わせ先:舞鶴市役所 移住・定住促進課 ☎0773-66-1085

舞鶴工業高等専門学校の研究室によるデザインで改修した「お試し住宅」。(写真:舞鶴市)

「移住支援も子育て支援も充実している舞鶴市へ海近移住しませんか」と、移住・定住促進課の福田奈帆さん。
文・写真/笹木博幸