
保育園での園児虐待事件で元園長に対する刑事告発を取り下げた裾野市が会見を開き、「子どもたちの保育環境を整えるためだった」と説明した。一方で、村田市長は、「告発を取り下げたが、園に対する犯人隠避の疑いは今も変わらない」と話している。
保育園での園児虐待事件で元園長に対する刑事告発を取り下げた裾野市が会見を開き、「子どもたちの保育環境を整えるためだった」と説明した。
(裾野市 村田 悠 市長)
「理事長であった櫻井利彦氏に対する告発状の提出を取り下げるこ
とにした」
裾野市の「さくら保育園」で起きた園児虐待事件をめぐっては、2022年12月、女性保育士3人が園児に暴行したとして逮捕され、その後、処分保留で釈放された。事件を受けて裾野市は、元園長が職員に虐待行為を口外しないよう誓約書を書かせるなど犯人を隠避した疑いがあるとして同月、警察に告発状を提出。警察は告発状を受理するかどうか内容を精査していたが、24日、村田市長自ら裾野警察署を訪れ告発を取り下げたという。25日の会見で村田市長は、理由について、「捜査による保育士や子どもたちの精神的な負担を減らし、保育環境を整えるため」と説明した。
(裾野市 村田 悠 市長)
「前理事長の責任は今でも大変に重いと思っている、しかしながら、それよりも私は重いと感じたのは、正常な保育環境と在園の園児、また保護者の平生、それから今働く保育士の皆さんの職場環境を整えることの方が、今市長として重きを置くという判断に至った」
裾野市によると、これまでに保護者や園の関係者など300人以上から、園の存続を要望する嘆願書が出されているという。一方で、村田市長は、「告発を取り下げたが、園に対する犯人隠避の疑いは今も変わらない」と話し、県と共同で特別監査を実施しながら、引き続き指導していくと話している。