J1の舞台は現実的な目標。鳥栖U-18FW相良竜之介が突き進む迷いなき一本道

J1の舞台は現実的な目標。鳥栖U-18FW相良竜之介が突き進む迷いなき一本道

  • ゲキサカ
  • 更新日:2020/08/01
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[2020シーズンへ向けて](※サガン鳥栖の協力により、オンライン取材をさせて頂いています)

プロの選手たちとトレーニングを重ねることによって、夢は現実に変わり、“やれるかも”が“やらなくては”に変わってきた自分を実感している。「プロに上がってからでは遅いと思うので、この高3という時期を大事にしながら、みんなが注目してくれる場所で活躍できるように、1日でも早くトップチームの試合に出させてもらえるように、頑張ります」。駅前不動産スタジアムを沸騰させるイメージは整った。サガン鳥栖U-18のドリブル小僧。一本道を突き進むような相良竜之介(3年)のスタイルが、サガンブルーのサポーターから認められる日は、きっとそう遠い未来のことではないはずだ。

2019年は決して納得の行く1年ではなかったと、本人は少し悔しげに振り返る。「個人的にはまだまだかなという想いがあって、プレミアのプレーオフでももっと活躍できていたら良かったですけど、そういうステージで自分が納得できるパフォーマンスを見せられなかったのも、満足がいかない感じです」。

とりわけ日本一の懸かったクラブユース選手権の決勝では、前半の40分間だけで交替を命じられる。「決勝の舞台なのにハーフタイムで交替になって、『もっとできるのに』という気持ちがあったのですが、替えられるということはまだまだだと思いましたし、去年は凄く悔しいシーズンでした」。その中で明確な課題も浮かび上がった。

「試合の中で何回かミスをしたらそこから気持ちが落ちていって、自分の世界に入ってしまうことが多くて、それは去年の1年を通して田中(智宗)監督に言われていたことなんです。個人で抱え込むことが多かったですし、『サッカーは個人スポーツじゃない』と指摘されたこともあって、メンタル面は課題ですね」。

加えて、FIFA U-17ワールドカップに臨む日本代表からの落選も、1つのターニングポイントになったという。「何回か代表に入れてもらって、自分にもチャンスがあった中で、メンバー入りを掴めなかったことが凄く悔しかったですし、あそこで出ていたらもうちょっと何かが変わっていたのかなとは思います」。

ただ、その経験は今へと確実に生かされている。「今ではあの時にワールドカップへ行かなくて良かったのかなと。もちろん行きたかったですけど、今から考えると自分の力はまだまだだったとも感じますし、あのメンバーに入った人たちには負けたくないと常日頃から思っていて、練習でも『これで本当にいいのか』という意識を持って、自分の中で突き詰めてやってきたつもりです」。自身を磨き続けることの大切さも、今だからこそ実感している。

6月からはずっとトップチームの練習に参加しており、プロの選手たちに混じってボールを蹴っている。金明輝監督を筆頭に松岡大起本田風智など、U-18で共に戦った顔見知りも少なくない中で、相良はいろいろな“先輩”たちともコミュニケーションを取っていると笑う。

原輝綺くんは歳も近いので話しかけてくれますし、エドゥアルド選手やチアゴ(・アウベス)選手とも朝はハイタッチしています。チアゴ選手は結構はしゃぐ方なので(笑)、通訳の人を通して喋る時もあるんですけど、そういうのも面白いですね」。かわいい“弟分”として、チームの雰囲気にも溶け込んでいるようだ。

通用する部分に手応えを得た感覚が、自然と顔をほころばせる。「自分はドリブルを武器として持っていて、個で剥がせたり、相手の逆を突いてチャンスを作ったり、ゴール前の仕事ができる部分を評価されていて、得点に関わることが少しずつ通用している部分はありますね」。

「エドゥアルド選手と1対1をするシーンも結構あって、何回か突破できたシーンもあったので、それは自信になったんですけど、まだ腕で抑えられると簡単に止められるというか、『それ以上は行かせてもらえない』みたいな感じもあって、そこは自分がどう埋めていくかというのは課題として考えています」。屈強なフィジカルを身に付けるべく、日々のトレーニングにも高い意識で臨んでいる。

既に2種登録が完了しているということは、当然Jリーグの公式戦に出場するための資格も有しているということ。そんな現状は誰よりも自分が一番よくわかっている。「今年はこういう状況で、チームも今はなかなか勝てていないですし、自分にとっては凄くチャンスだと思っているので、今は練習で必死にアピールすることだけを考えてやっています。『ボールを持ったら自分の方ができるぞ』ということをアピールしないといけないので、難しいかもしれないですけど、試合に出るためには他の選手たちを押しのけないといけないですよね」。一瞬覗かせた強気に、変わりつつあるメンタルを垣間見た気がした。

今年は中学から在籍してきたアカデミーのラストイヤー。そこへのこだわりも強くないはずがない。「僕らは勝つためにやっている集団なので、お互い要求し合いますし、団結している面が非常に強くて、そういう部分がアカデミー全体で年々上がってきていると思います。『一体感を持ってやろう』とはみんなで喋っていて、『1人も残さずに全員で上のレベルまで上がっていこう』という気持ちは共有していますね」。目指すべき世界へ辿り着くため、、仲間であり、ライバルたちと過ごすこれからの半年に懸ける想いは、誰よりも強烈に持っている。

「プロに上がってからでは遅いと思うので、この高3という時期を大事にしながら、みんなが注目してくれる場所で活躍できるように、1日でも早くトップチームの試合に出させてもらえるように、頑張ります」。一際大きな46番を背負って、駅前不動産スタジアムを沸騰させるイメージは整った。サガン鳥栖U-18のドリブル小僧。一本道を突き進むような相良竜之介のスタイルが、サガンブルーのサポーターから認められる日は、きっとそう遠い未来のことではないはずだ。

■執筆者紹介:

土屋雅史

「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」

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