
日本代表復帰が見込まれる鎌田大地 撮影:中地拓也
日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)に向けた腕試しとして、6月にパラグアイ、ブラジル、ガーナ、チリ(orチュニジア)という4か国との対戦を控えている。そこで編集部では、この6月シリーズに向けた日本代表の戦い方を展望。
今回はパラグアイ、ガーナ、チリ(orチュニジア)との試合で推奨する戦術について見ていこう。
■基本フォーメーションは4-3-3か
日本代表は6月、キリンチャレンジカップ2022でパラグアイ代表、ブラジル代表と対戦。その後キリンカップサッカー2022でガーナ代表、そしてチリ代表(またはチュニジア代表)と戦う。
ブラジルは明らかな格上だが、それ以外の国はそこまで日本と大きな差はない。チリは世界的な選手をそろえた強豪国だが、手も足も出ない相手ではないはずだ。となると、ブラジル戦以外の3試合では、基本的にカタールW杯のアジア最終予選で戦ってきた形を採用すると見ていいだろう。
フォーメーションは4-3-3。GKは権田修一だ。
DFラインは、右から山根視来、吉田麻也、冨安健洋、長友佑都。中盤3枚はアンカーに遠藤航、IHに田中碧と守田英正のコンビが並ぶだろう。そして最前線は右から伊東純也、大迫勇也、南野拓実という3トップが入るはずだ。
森保一監督としても、まずはこの基本形がどこまで通用するか確認したいところだろう。
■鎌田と奥川を解き放つ3-4-2-1は強力なオプションに
一方、メンバーを固定した4-3-3だけで戦っていては対策されやすくなるのも事実だ。また、森保監督が代表復帰を示唆していたフランクフルトの鎌田大地、そしてビーレフェルトで躍動する奥川雅也をこの機会に試しておきたいところ。そこで、3-4-2-1のオプションを推奨したい。2シャドーの形なら、鎌田と奥川の同時起用も可能となる。
さらにこのシステムであれば、メンバーをほとんど代えることなく試合途中に変形できるはずだ。CBでもプレーできる遠藤をそのまま3バックの中央に落とし、両WGを2シャドーの位置に絞らせるだけで変化できる。唯一、シャドーが適正ポジションではない伊東を代える必要があるものの、伊東は2019年6月のエルサルバドル代表戦で3-4-2-1の右WBとして森保監督の下でスタメン出場しているため、この位置に移動すればプレー可能だ。
加えて、3-4-2-1はかつて森保監督が得意としていたシステムだ。サンフレッチェ広島時代には、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の後を継いでこの布陣を採用。「ミシャ式」と呼ばれる、攻守で配置が大きく変化する可変システムを用いて3度もJ1リーグを制している。とは言え、日本代表という即席チームでいきなり可変システムを採用するのは難しいので、戦術ディティールは起用する選手の色によって大きく変わるだろう。
それでも前述したように、森保監督の「伝家の宝刀」とも呼べるこのシステムには、5大リーグで結果を残しているトップ下タイプの鎌田と奥川を同時起用できるという大きなメリットが存在。特に鎌田は所属クラブで3-4-2-1のシャドーとしてプレーしており、素晴らしいパフォーマンスを披露していることからも大きな期待が持てる。
もしも両選手が6月シリーズに招集された際は、ぜひこのオプションを試してほしいところ。日本が誇るアタッカー2人の化学反応を楽しみにしたい。
サッカー批評編集部