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スペインサッカー連盟がUEFAネーションズリーグのスウェーデン戦、スイス戦へ向けて23選手を招集したものの、選手の大半が同連盟の体質改善を求め代表招集の拒否を表明した。このままの状態が続けば、選手には多額の罰金と2年以上の選手登録の抹消という処分が課される事態も考えられる。複数の現地メディアが19日までに報じている。
現地スポーツ紙マルカによると23選手のうち20人が代表招集を拒む意思を表明。この中にはバロンドール受賞のFWアレクシア・プテジャス(29)=バルセロナ=も含まれている。スペインの法令によると、正式な形で代表招集を受けた選手が怪我などの正当な理由なくチーム帯同を拒んだ場合、3000ユーロ(約47万円)から3万ユーロ(約470万円)の罰金、さらに2年から15年の連盟ライセンス停止処分の対象になる。
もっとも22日の対戦相手であるスウェーデン代表にもスペイン女子選手の姿勢を支持する声があり、MFフィリパ・アンイエルダール(マンチェスター・シティ)は「もし(スペイン選手たちが)試合をボイコットすることが必要だと感じるなら私たちは彼女たちを助ける」との声明を出している。
これまでにも招集選手リストの発表を延期していたスペイン連盟は、当初の会場をマドリードの連盟本部から当日になってバレンシアのホテルに変更。マルカ紙によるとこの決定は、社会的な反響の大きさから逃れるためのメディア制限が目的だとされる。
問題の発端は、女子W杯でスペイン代表が優勝した際の表彰式でルイス・ルビアレス会長(当時)が選手のエルモソに対し、強引に口へキスしたこと。このセクハラが国内外で問題となり、ルビアレス氏は辞任。ビルダ監督も前会長との近すぎる関係から解任された。
後任として同国初の女性指揮官となったモンセ・トメ監督は、当事者の1人であるエルモソを招集しなかったのは「彼女を守るため」と説明。これに対しエルモソが「私を守る?何、または誰から?」と反応するなど、選手側と連盟の緊張状態が依然続いている。