
「PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.2」(3月19日、東京・後楽園ホール)で世界ストロー級王者の新井丈(キングダムエルガイツ・和術慧舟會HEARTS)がフライ級戦で同級世界1位の関口祐冬(修斗GYM東京)と対戦し、3-0の判定で勝利を収めた。フライ級の世界王者・平良達郎が現在、UFC参戦中ということもあり、新井が事実上、ストロー級とフライ級の頂点に立った。そして試合後にはストロー級世界1位の安芸柊斗(MMAZジム)を逆指名した。
新井は昨年9月に王者・猿丸ジュンジをKOで破り、世界王座を獲得。ここまで8連勝でストロー級の強豪を軒並み下してきたことから、11月にはフライ級で大竹陽と対戦し、ここでもKO勝ち。試合後のリングに関口を呼び出し対戦をアピール。関口も受諾し今回の対戦が実現した。
新井は他団体での試合を含めての9連敗から怒涛の8連勝、そして5連続KO中で2022年のMVPとMIPを獲得。現在の修斗で最も勢いに乗る選手だ。しかし関口も2019年に現フライ級王者の平良達郎に敗れて以降は5連勝中。昨年9月には「ROAD TO UFC」のワンマッチで勝利を収めた内田タケルに腕十字で勝利を収め、返り討ちにしている。

1R、低く構える関口が右カーフ。新井も右カーフを返す。関口は倒れながらタックルも新井が切る。新井が圧をかけると回る関口。関口は左ジャブを飛ばし回る。じりじりと圧をかける新井。新井は左インロー、そして回る関口を追う。左に回る関口に荒井が右フックも関口が組み付く。しかし新井はプッシュ。新井がパンチを当てていくとケージに追い込まれる関口。新井は左ボディー、右フックのダブルで前に出る。なおも新井は右ボディー、左フック。新井の右ローに関口がタックルを合わせ、尻をつかせる。ケージを背に新井が立ったところでラウンド終了。
2R、圧をかける新井。関口はジャブを見せてから組み付くが、新井はプッシュ。関口がパンチを当てるも、新井の圧は止まらない。関口もパンチで前に出るが新井が押し返す。新井がボディーブロー。関口は左ジャブ、右フックも単発。関口はタックルも新井が切る。関口はサイドキックを放つが新井は下がらない。新井のパンチに関口がタックルも、新井が切る。新井のパンチに鼻血の関口。終盤、関口もパンチで応戦も打撃では新井に分。

3R、新井が圧をかける。関口は左ジャブで牽制。新井はボディーブロー。新井の圧に下がって回る関口。関口はスイッチして左ハイも新井はガード。回る関口に新井が左フック。しかし関口は残り3分、タックルからついにテイクダウンに成功。ハーフガードの体勢も新井はケージまでずり寄る。肩固めを狙う関口。極めさせない新井に関口は小刻みなパンチとボディーにヒジ。しかし巧みにポジションをずらした新井はケージを蹴って脱出。残り30秒、スタンドでの殴り合いとなったが、ともに決定打は放てず試合終了。
判定はジャッジ3者とも30-27で新井が勝利を収めた。

試合後のマイクで新井は「危ねえ~。小さくても気持ちで戦えば、格上にも勝てるチャンスがあるということは見せられましたよね。関口君、強いね。やっぱパンチで倒せないかもしれない。修行あるのみですね。この試合で俺はフライとストローを統一して王者になるつもりだったんすけど、ベルトはかからなかったけど、見たみんなが証人ですよね。俺が今の修斗のフライ級とストロー級の代表です」と堂々と宣言。そして「てっきり、ひとつ前の試合の安芸君、しっかり勝ったから俺にケンカ売ってくれるのかと期待してたんだけど、やらなくていいわけ? あんなに煽ってたのにどうしたの? やりたいだろ?」とケージサイドに現れた安芸柊斗を挑発。安芸が「新井君、やろう」と言うと、新井は「今日、お互いの試合を見ていて、ストロー級のストライカー最強決定戦、決まったら来てくれますかね? 逆指名だよ。やってやるよ」と観客席の反応を見て、対戦をアピール。ケージに入った安芸も「ファイターとして尊敬もしているし、こんだけカッコいい選手なかなかいないんで、逆指名でやらせてもらえるなら歓迎なんで、最高の試合をしましょう」と返した。

その安芸は昨年までONE Championshipで戦っていた澤田龍人(AACC)と対戦し、1R3分49秒でTKO勝ちを収めた。
1R、ともにオーソドックスで構える。安芸の右カーフで澤田がバランスを大きく崩す。澤田が組みにいくが安芸は切る。安芸の打撃に澤田がカウンターでタックルも安芸はこらえ、ここもテイクダウンは許さず。安芸は左ジャブが有効。澤田も左ジャブを放つが、安芸は左フックを返す。澤田が踏み込んで組み付くも安芸がさばく。その後も安芸は左ジャブで牽制。そして安芸の右カーフで澤田が再びバランスを崩す。安芸の左ストレートでダウンした澤田に安芸が襲い掛かり、鉄槌を連打。澤田はタックルでテイクダウンを狙いにいくが、安芸は澤田の右腕を殺してパウンドと鉄槌を連打。亀になった澤田になおも追撃のパウンドを落とし続け、澤田の動きが止まったところでレフェリーが試合を止めた。
澤田は約5年5カ月ぶりの修斗復帰戦を白星で飾ることはできなかった。
「PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.2」(3月19日、東京・後楽園ホール)◆メインイベント・第8試合「世界フェザー級チャンピオンシップ」5分5R○SASUKE(王者・初防衛戦/マスタージャパン東京)(2R1分49秒、TKO)飯田健夫(挑戦者・同級世界1位/フリー)●◆セミファイナル・第7試合 フライ級5分3R●関口祐冬(修斗GYM東京)(判定0-3=27-30、27-30、27-30)新井丈(キングダムエルガイツ・和術慧舟會HEARTS)○◆第6試合 ストロー級5分3R○安芸柊斗(MMAZジム)(1R3分49秒、TKO)澤田龍人(AACC)●◆第5試合 ライト級5分3R○マックス・ザ・ボディ(BRAVE)(1R1分18秒、KO)菅原和政(マスタージャパン福岡)●◆第4試合「インフィニティリーグ2023」フェザー級5分2R△竹原魁晟(パラエストラ松戸)(判定0-0=19-19、19-19、19-19)上原 平(リバーサルジム横浜グランドスラム)△◆第3試合「インフィニティリーグ2023」フェザー級5分2R浜松ヤマト(T・GRIP TOKYO)(中止)CHAN-龍(MMAZジム)※2022年度フェザー級新人王※前日の本計量、当日の再計量ともにCHAN-龍が規定体重をクリアできず試合は中止。浜松は不戦勝となり勝ち点3を獲得。◆第2試合 バンタム級5分2R○野瀬翔平(マスタージャパン福岡)(1R2分53秒、チキンウイングアームロック)新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)●◆第1試合 バンタム級5分2R●榎本明(リバーサルジム東京スタンドアウト)(1R4分52秒、スリーパーホールド)スソン(KRAZY BEE)○◆オープニングファイト・第2試合 キッズ修斗公式戦 キッズ4・28kg契約3分1R●杉本 越(AACC)(1R31秒、レフェリーストップ)吉村柚咲(X-TREAM EBINA)○※腕十字◆オープニングファイト・第1試合 キッズ修斗公式戦 キッズ2・25kg契約2分1R○杉本 開(AACC)(1R1分29秒、腕十字固め)遠藤千帆(心技館)●
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